性被害の当事者団体などでつくる「刑法改正市民プロジェクト」が11月21日性犯罪に関する刑法改正に向けた審議を始めるよう求める要望書を法務省に提出した。

要望は3項目で、性犯罪に関する刑法改正に向けた審議をすみやかに行うこと、法制審議会の委員に被害者や被害者の実態を理解している研究者らを入れること、検討や審議にあたっては被害者や支援者の声を反映することを求めている。

提出後、プロジェクトメンバーが東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、「性暴力被害者が警察に訴えても、被害が認められていない実態があり、刑法の再改正が必要だ。今からすぐにでも、審議を始めていただきたい」と訴えた。

「性被害の実態、反映した議論を」

今回、このような要望書を出したのには、過去の審議で当事者や被害者支援の専門家が圧倒的に少なかったことが関係している。

2014年〜15年にかけて開催された「性犯罪の罰則に関する検討会」の委員12人中、被害者支援に携わる専門家は2人だった。2015年〜16年にかけて開催された「法制審議会 刑事法(性犯罪関係部会)」でも、委員・幹事27人中、被害者支援に携わる専門家は3人だった。

検討会では「親子間でも真摯な同意に基づく性的な関係が全く起こらないとはいえないのではないか」といった発言が飛び出したこともあった。

性暴力被害者らでつくる一般社団法人「Spring」代表理事の山本潤さんは、「委員は刑法の専門家であっても、性暴力の専門家ではない。性被害の実態を反映した議論にはなっていなかったのではないか。なぜ私たち抜きで決められるのか」と疑問を投げかけた。

要望書を受け取った宮崎政久法務大臣政務官からは、「前回の刑法改正から無罪判決報道などもあり、課題を把握している。全国各地でフラワーデモが開催されていることも認識しており、ヒアリング内容を踏まえて、しっかり取り組んでまいりたい」と回答があったという。

「性暴力禁止法をつくろうネットワーク」共同代表の周藤由美子さんは「声を上げた当事者にこれ以上、無力感や絶望感を与えないでほしい」と話し、NPO法人「しあわせなみだ」の中野宏美理事長は「なぜ、性暴力だけ被害者が声を上げることが求められているのか。他の犯罪とあまりにも違うこの状況を、真剣に受け止めなければならない」と訴えた。

性犯罪の刑法改正「すぐにでも審議を」 被害者の声、反映するよう求める