資生堂ギャラリーでは毎年、新進アーティストにギャラリーの門戸を広く開く公募制のプログラムshiseido art egg (シセイドウ アートエッグ)を開催しています。13回目となる2019年度は、入選作家の今村文(いまむらふみ)氏、小林清乃(こばやしきよの)氏、遠藤薫(えんどうかおり)氏が7月から9月にかけて順番に個展を開催しました。

3つの作品の中で、資生堂ギャラリーの空間に果敢に挑み新しい価値の創造を最も感じさせた作品に贈る「shiseido art egg賞」には遠藤薫氏が選出されました。
11月11日には授賞式を行い、当社取締役常務の青木より遠藤氏にトロフィー並びに賞金20万円を贈りました。

Shiseido art egg賞選考について》

3つの展覧会を開催後、現在、クリエイティブシーンで活躍されている3名の審査員、有山 達也氏 (グラフィックデザイナー)、住吉 智恵氏(アートプロデューサー/RealTokyoディレクター)、小野 耕石氏(美術家/版画家)による審査の結果、作品がもつ熱量の強さ、作品の背後に読み取れる歴史性や社会性が評価され、遠藤薫氏がshiseido art egg賞に決定しました。

《遠藤薫展について》
重力と虹霓Gravity and Rainbow
2019年8月30日-9月22日

遠藤は、古布を女性たちによって織られ、その家族によって使われ、傷み擦り切れたら、ふたたび女性たちによって繕われるという過程の中に生命を得た存在とをみています。とりわけ、日本をはじめとするアジアの布のあり方に着目し、作家本人が集め、使い、修復した布の展示の他、ドキュメンタリー映像や実際に使っている道具などが展示されました。

《受賞者コメント》

どのようにすれば、私が大事だと思っているものを人に伝えることが出来るだろうか、井戸を掘る様な旅と模索の半年でした。
御来場頂いた皆さま、資生堂ギャラリー学芸員、展覧会スタッフの皆さんに、改めて感謝申し上げます。
真っ白な場所に自分の作品を配置することは初めての試みで、しかし、物そのものの持つ熱、質量、輪郭、布の向こうにある背景が高い純度で浮かび上がったその時、ホワイトキューブの意味を必然性を再認識し、感動した事をよく覚えています。
この半年、本当に沢山のことを、大勢の方々からお教え頂きました。一生忘れません。今後とも活動を見守って頂けると幸いです。

《遠藤薫プロフィール》
1989年 大阪府生まれ
2013年 沖縄県立芸術大学工芸専攻染めコース卒業
2016年 志村ふくみ(紬織, 重要無形文化財保持者)主催, アルスシムラ卒業
ハノイ大阪府在住


《ご参考:第13回shiseido art egg 他の展覧会概要》

■今村 文 <インスタレーション>
展覧会会期:2019年7月5日(金)~7月28日(日)
展示概要:独自のドローイングが形づくる花や虫に囲まれた世界をインスタレーションとして構成。

■ 小林 清乃展 <サウンドインスタレーション>
会期:2019年8月2日(金)~8月25日(日)
展示概要:戦時下の1945年に女学校を卒業したばかりの女性たちが綴った手紙をもとに、手紙を朗読する複数の人の声を組み合わせたサウンドインスタレーションを構成。

配信元企業:株式会社資生堂

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