このほどインドの国際空港で、「自分はパイロット」と偽り無料で飛行機に搭乗しようとした男が逮捕された。まるで米映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(2002年)に登場するパイロットに成りすまして世界中を無料で旅する主人公のフランクのようだと関心が集まっている。『The Sun』『Stuff.co.nz』などが伝えた。

今月18日、インドのデリーにあるインディラ・ガンディー国際空港でパイロットに成りすまして不正に飛行機へ搭乗しようとした男が逮捕された。男はバサントクンジ在住のラジャン・マブバニ(Rajan Mahbubani)で当時、ドイツの航空会社であるルフトハンザドイツ航空のパイロットの制服を着用していた。

そして西ベンガル州の州都コルカタへ向かう、午後12時35分発のエアアジア・インディアI5-579便に搭乗しようとした際、ラジャンは「コルカタでルフトハンザドイツ航空からの派遣でコンサルタントインストラクターをしている」と説明したという。

パイロットの身分証明書カードはもちろん偽物で、タイのバンコクで購入したものだった。航空会社にもよるが、パイロットは仕事上での移動の際に他社航空機に無料で搭乗が可能な場合も多く、ラジャンはこの手を利用しようとしたと思われる。

しかしこの時、ラジャンに不審を抱いた空港スタッフが、彼が実在するパイロットかどうか確認のためにルフトハンザドイツ航空の事務所に連絡した。そこで同航空会社から現場にスタッフを派遣させ、ラジャンの素性を確認することになったのだが、彼は自分が偽パイロットだということを認め、身柄はそのまま空港警察に引き渡された。

その後の自供で、ラジャンは過去6か月間に15回以上もパイロットに扮して無料で飛行機に搭乗し、デリーとコルカタを行き来していたことが分かった。しかも他の搭乗客とは別の優先通路を通って搭乗し、時には無料でシートのグレードアップなどの優遇を受けていたようだ。それだけではなく、ラジャンはSNSでこれらの待遇を自慢していたとのことだ。

『The Sun』では今回のラジャンの犯行について、映画『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』の主人公で詐欺師のフランクを模倣しているようだと伝えている。

ちなみに同様の手口を使った事件は何件か報告があり、2012年にも32歳の男がルフトハンザドイツ航空のパイロットに扮し同様の詐欺を試みようとし、2013年にはUSエアウェイズのパイロットに扮した61歳のフランス人の男がいた。また2017年には、アメリカでパイロットに扮してコカインを密輸した男が税関で逮捕されている

画像は『Stuff.co.nz 2019年11月20日付「Passenger impersonates pilot to board flight for free」(Credit: CALFLIER001/WIKIMEDIA COMMONS)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト