11月17日エディオンスタジアム広島でサッカー男子U22(22歳以下)日本代表の国際親善試合が開催。U22コロンビア代表と対戦し、0-2で敗れた。

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※画像はイメージです(以下同じ)
 11月10日に、スペイン1部リーグで初ゴールを決めた久保建英オランダで戦う堂安律など、フル代表にも名を連ねる選手がチームに加わったものの、試合内容は得点差以上の完敗となった。2020年東京五輪が迫り、主力が合流した中での戦いは様々な課題が露呈した。

多くのファンの期待とは真逆の結果に

 17日、U22コロンビア代表との試合で、日本代表は相手のパス回しに対し、終始個人での対応が目立ち、複数で連動する動きがないため、至るところにスペースが生まれていた。最後尾から前線までが間延びし、その間で相手に自由にプレーさせてしまう場面も多かった。

 失点シーンでは2度とも、ディフェンスラインの目の前にできたスペースを埋めることができなかったことからゴールを割られている。

 攻撃面では日本がボールキープし前線に送るも、人数が足りていない場合が多く、細かく繋いでのボール運びがことごとく失敗に終わっている。

 また、同じく攻撃の際にはサポートが少ないことから、相手のプレッシャーをかわすことができず簡単に奪われる場面もみられ、1対1での仕掛けも相手に上回られるなど攻守にわたり連携の熟成不足が明らかだった。

若き選手たちの膨大な経験値



 この日、スタメンとしてピッチに立った堂安律、久保建英が代表合宿に合流したのは試合の4日前。すでにA代表が「主戦場」となっている両プレーヤーが正式に22歳以下の代表チームに加わるのはこの親善試合が実質初めてとなった。

 今年に入って海外移籍を果たした中山雄太、三好康児、前田大然ら欧州クラブに在籍しているメンバーが多く顔を揃え、主軸となるであろうプレーヤーも迎え入れた今戦。

 8か月後に迫った東京五輪を睨み、チーム構築は最終段階に足を踏み入れたと言って良いだろう。その意味ではこの日、五輪登録メンバー18人に入るためのレースが改めてスタートしたとも言える。

 主なメンバーは数年前から同じ代表チームとして活動してきており、世代別代表として今回の顔触れが揃ったのは2018年のU20W杯以来だ。以降、クラブ日本代表でしのぎを削り、2019年アジア大会には格上の韓国代表に善戦し、10月にはブラジル遠征でU22ブラジル代表を破るなど着実にチームの完成度を高めてきている。

 さらに2020年の夏には、南米選手権コパ・アメリカ)という未知の舞台に立った選手も少なくない。所属チームでの戦いと共に、過去の同世代とはもはや比較にならないレベルで場数、そして修羅場を潜り抜けてきた。

すべて横一線でのレギュラー争い

 今後、同じく同世代でフル代表の常連でもある冨安健洋、直前での合流となるであろうオーバーエイジも想定した上で、ここからもう一度、森保一監督のもと、選手のレベルアップと共にチームを五輪仕様に構築、さらに肉付けしていけるかが最も重要となる。

 コロンビア戦の試合後、久保建英が「現実を見つめなおさないといけない」とコメントしたように、戦術、個々の能力において現段階で未成熟な部分が浮き彫りになった。それでも、このタイミングでの敗北は実力を測るうえでの貴重な経験であり、一度の敗北だけで、決して下を向く必要はないはずだ。

 森保監督は「オーバーエイジを含めてのポジション争いだとより意識してレベルアップしてもらいたい」と試合後に語っている。

 12月28日にはU22ジャマイカ代表戦との試合が行われることが発表されている。わずかな期間を置く中で、今回の敗戦を糧にした大きな一歩を踏み出してくれるはずだ。敗れたとはいえコロンビア戦に出場した日本選手たちの持つ能力、経験値は極めて高い。“東京五輪世代”はそれだけのタレントが揃っている。

TEXT/佐藤文孝>

【佐藤文孝】

新潟県在住。Jリーグプロ野球大相撲サッカーW杯、オリンピックなど多くのスポーツの現場に足を運び、選手、競技から伝えられる感動を文章に綴っている

※写真は日本サッカー協会(JFA)公式Instagramより