11月9日、プロスノーボーダーでありオリンピックにも出場経験のある国母和宏容疑者(31)が麻薬取締法違反(営利目的密輸)の疑いで逮捕されました。

地べたに座る若者
※画像はイメージです。(以下同じ)
 また、同じ日には、タレント田代まさし容疑者も覚せい剤の所持で、さらに16日には女優の沢尻エリカ容疑者が合成麻薬MDMAの所持容疑で逮捕されています。これを受けて、2020年NHK大河ドラマ「麒麟(きりん)がくる」を降板するなど騒動になっています。

 最近また耳にする機会の多くなった違法薬物。中でも、大麻事犯の検挙人数が10~20代で急増しています(後述)。
 今回は、薬物の流通や使用に詳しい某週刊雑誌記者Yさんに、大麻をはじめとする若者の薬物事情について聞きました。

SNSや掲示板などで簡単に手に入る時代に

 まず、若者は一体どこで大麻を手に入れるのでしょうか。Yさんによるとネットが普及した現代では大麻の入手は容易だと言います。

ネットが普及する前までは、大麻に限らず違法薬物の入手はネットワークがないと手に入らない時代でした。しかし、現代ではSNS掲示板などで簡単に違法薬物が入手できてしまいます。大麻も他の違法薬物と同じくネットで売買されるケースが多いです」(Yさん、以下同)

 さらに、最近では大麻を「自家栽培」する若者も増えていると語るYさん。

「大麻はとても生命力が強く、整備されていない環境でも容易に栽培することができます。ネットなどでは1gの末端価格が6000~7000円程度で売買されているので、『自分で育てるほうが安上がり』と自家栽培に手を出すケースもあるようです。

 ただ、自家栽培は、開花期の匂いや電気使用料が高額になるなど、発覚するリスクが格段に増します。また、所持している量によっては、営利目的で起訴される可能性も高くなります」

大麻事犯で検挙される若者が急増

手錠

 実際の検挙率を見ても大麻事犯が増加傾向にある事は事実です。警察庁発表の「平成30年における組織犯罪の情勢」を見ると、薬物事犯全体は微増で1万3862人で、その半数を占める覚せい剤事犯は減っています。
 ところが大麻事犯は急増中。大麻事犯検挙者は平成25年2013年)で1555人ですが、平成30年2018年)には3578人に。過去最多を記録した平成29年2017年3008人を大幅に更新しています。

 特に若者の検挙人数は急増しており、20~29歳は1521人(前年の30%増)、20歳未満は429人(前年の44%増)と、確実に大麻が広がっている模様。
 ただし、大麻の使用は法律で禁止されておらず、所持・譲渡・譲受・栽培・密輸入が違法行為となります。大麻の所持で現行犯逮捕された場合、5年以下の懲役。営利目的の場合は7年以下の懲役、さらに200万円以下の罰金刑と、比較的重い量刑です。

広がる薬物汚染から身を守る方法

 沢尻容疑者は、薬物検査では陰性だったものの「10年以上使っていた」というショッキングな供述を残しています。彼女が使っていたとされる「MDMA」は若者の間で大流行している違法薬物だといいます。

「沢尻容疑者が使用していたとされる合成麻薬はカプセル入りのMDMAで俗に言う『ピュア』というものです。MDMAのように錠剤ではなく、MDMAの主成分であるアンフェタミンを抽出したいわば“偽MDMA”と言えばわかりやすいでしょうか。都内を中心に若者の間で大流行していて、副作用も軽い。気軽に手を出してしまうケースが多いです」

NO

 MDMAのような“危険ドラッグ”から身を守るにはどうしたらいいのでしょうか。

「先ほどご説明したピュアや無味無臭の液体LSDなどは一見するだけでは違法薬物と判断することはできませんので、例えその場のノリで勧められたとしても、絶対に口にしないことですね。そういった危険そうな場所に行くのも避けるべきです」

 日本でも徐々に広がりを見せる薬物汚染。芸能人の逮捕に騒ぎ立てるだけではなく、自分の身をしっかりと守り違法薬物を社会全体で遠ざけることが必要不可欠でしょう。

TEXT/小畑マト>

【小畑マト】

自称ノンフィクションライター。犯罪、薬物、売春などドロドロした原稿をトロトロ書いてます