弁護士・柳原桑子先生が堅実女子の悩みに答える連載です。本日の相談者は、北田春香さん(仮名・26歳・派遣社員)から、写真の無断使用についてです。

「読者モデルをしています。多くの雑誌や発表会に呼んでいただいており、充実した毎日を過ごしています。先日は、表参道の有名なサロンカットモデルをさせていただき、美容関連の企業様からインスタの広告案件を頂いたりしております。

そんなある日、先日、友人から『見たよ!すごいね』と連絡がありました。たくさんのメディアに出させていただいているので、何のことかわからなかったのですが、地方に住む人からも同じような連絡があって、おかしいなと思って調べたところ、私の顔写真がフェロモン系のコスメ販売のページに掲載されていたのです。

名前は違うものの明らかに私の写真で、『愛用者の喜びの声』として、かなり恥ずかしいコメントが掲載されていました。これが原因で彼氏とはケンカをしてしまい、美容関連の企業様の担当者様からは『別の会社の広告に出ないでください』と注意されてしまいました。

男友達からも『そんなに寂しいなら相手をするよ』とか、『俺はコンプレックスがあってもハルカなら全然イケる』などと言われて、とても深く問題化しています。なので運営会社に苦情メールをしたのですが、何の返信もありませんでした。

仕方がないので毎日チェックして、そのたびに苦情メールを出していたら、気が付くと写真そのものが削除されていたのです。

このままでは気が済まないので、訴えたいのですが、どのようにすればいいのでしょうか。

警察などにも行った方がいいのでしょうか?」

弁護士・柳原桑子先生のアンサーは……!?

無断でネット上に顔写真が掲載されていた状態をスクリーンショットなどで残し、証拠として保全できているならば、肖像権侵害で損害賠償請求をすることはできると思います。

しかし、保全できていない場合、サイト運営者の方で掲載の事実を否定する可能性もあります。

その場合、事実を示すことができないから、訴えにでるのは難しくなります。

※編集部注……勝手に掲載された顔写真画像を削除するためには、プロバイダサイト管理者に依頼する必要があります。

悪質な場合は、「警視庁 サイバー犯罪対策課 対策係」をはじめ、各都道府県警察本部にサイバー犯罪の相談窓口が設置されています。また、法務省人権擁護局に相談することも可能です。

以下に、ネットトラブルの対応をまとめます。

性的な画像・動画があなたの同意なしに掲載されたり、または、掲載するといって脅迫されている場合など(リベンジポルノ事案等)は、すぐに最寄りの警察署に相談を。
写真で個人を特定することが可能な場合は、肖像権の侵害に当たるおそれがあります。また、自分で撮影した(自撮り)写真や動画を、勝手に他人が公開することは、著作権侵害に当たる可能性があります。いずれもプロバイダサイト管理者に相談や削除依頼するなどして、対策を。

インターネット上に掲載した情報は、基本的に「誰もが見られて消えないもの」だと考えた方がよいです。

自撮り写真を無断で他人が掲載することは、著作権侵害にもあてはまる可能性がある。

賢人のまとめ

サイト運営者に削除依頼をすることが、まずは先決。慰謝料の請求などには、スクリーンショットなどの証拠が必要です。

プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/

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