中国メディア・人民網は22日、中国の住宅都市農村建設部が12月1日に「生活ごみ分別マーク」規格を実施するにあたり、「われわれはごみ分別の優等生である日本から何を学ぶべきか」とする記事を掲載した。

 記事は、日本のごみ分類は1980年代から本格的に始まり、今や世界で最もしっかりと分別が行われている国と称されていると紹介。厳しい分別ルールが日本の「名刺」ともいえる清潔さを支えており、市民は誰も監督していなくても自覚的に分別を行うとした。

 そして、日本では幼稚園からごみの分別が教えられるため、子どもたちにとってごみ分別がごく当たり前のことになっており、学校で知識を教わり、家でも保護者から指導されることにより徐々に習慣化していくのだと解説した。

 一方で記事は、日本のごみ処理が抱える問題についても言及。土地が狭い日本では、体積を大きく減らせる焼却方式によるごみ処理が行われているが、一方で焼却による二酸化炭素などの排出が問題視されていると説明した。また、リサイクルが盛んな印象のある日本だが、その再利用率は20%程度にとどまっているという国際団体の統計もあるとしている。

 また、日本はごみの分別が徹底している一方で、1人あたりのごみ排出量が多くの先進国よりも多いと紹介。日本で物を購入すると商品が丁寧に包装されており、これらの包装が多くのごみを生み出す結果になっていると伝えた。

 記事は最後に、日本のごみ事情にも問題点や課題はあるものの「ごみの分類については早い時期から始め、しっかりと行われている点を否定することはできない」とし、中国でもごみの分別が一日も早く社会全体の習慣となることを望むと結んでいる。

 中国では上海などでごみの分別制度が先行実施されてきたが、いよいよ全国的にごみの分類制度を普及させる段階に入ったようである。当初はさまざまな問題が出ることだろうが、行政の啓蒙、学校や社会における教育、市民の努力により、中国でも徐々にごみ分別の概念と習慣が浸透していくことだろう。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)

ごみの分類、「優等生」の日本から何を学ぶべきか=中国メディア