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思いがけない組み合わせ

誰もが知る存在であるにもかかわらず、誰も知らない出自を持つエンジンを搭載したモデルをご紹介しよう。

あるモデルに相応しいエンジンを探し出すのに自前主義に拘る必要などないのであり、実際、驚くべき出自を持つエンジンを搭載したモデルというのは、それほど珍しい存在ではない。

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ロータスエリーゼ+ローバー

今回ご紹介するのは、思いがけない組み合わせから生み出された最高のモデルたちと、残念ながら失敗に終わったケースであり、登場はアルファベット順だ。

アリエル+ホンダ

当初アリエル・アトムには、予算に合わせて122psから193psのパワーが選択可能なローバーKシリーズエンジンが搭載されていた。

そう、ホンダエンジンを搭載することでアトム2が話題をさらったのは2003年以降の話であり、このフレームだけのスポーツカーホンダエンジンの組み合わせは、多くのひとびとの財布の紐を緩ませることとなった。

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アリエル+ホンダ

ホンダ製K20Aユニットは6速マニュアルギアボックスと組み合わされており、スタンダードスペックパワー162psに留まっていたものの、304psまでのパワーアップも可能だった。

2007年には249psへとパワーを高めたスーパーチャージャーバージョンが登場しており、2018年にはシビックタイプRの325psを発揮する2.0Lターボへと変更されている。

しかし、車重わずか670kgのオールレインマシンであるノマドに対しては、249psのパワーに留まるホンダエンジンを選択している。

ベントレー・アルナージ+BMW V8

困難な交渉の結果、ロールス・ロイスBMWグループ入りする一方、ベントレーフォルクスワーゲン傘下に収まると、フォルクスワーゲングループベントレーBMWエンジンが積まれるという状況が生まれることとなった。

この奇妙な状況下、いまではフォルクスワーゲンが運営するクルー工場へと生産が残された初期のアルナージには4.4LツインターボV8が、姉妹モデルだったロールス・ロイスシルバーセラフには5.4Lの排気量を持つBMWV12エンジンが搭載されている

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ベントレー・アルナージ+BMW V8

その後、フォルクスワーゲンBMWエンジンに替えて、且つてベントレーで使われていた太古の6.75L V8エンジンを搭載したものの、あまり大きな声では言えないが、軽量なBMWエンジンを積んだモデルのほうが走りは上だった。

それでも、355psのパワー241km/hという最高速を誇った初期のアルナージは、ベントレーファミリーのなかでは異端児と見做されている。

シトロエンSM+マセラティ

1967年シトロエンマセラティ株の60%を取得していたとは言え、1970年のSM登場は大きな衝撃だった。

1960年代初頭から、シトロエンにはDSのスポーティなクーペバージョンという計画が存在したものの、それがマセラティのV6エンジンを積んで登場すると予想したものはほとんどいなかったのだ。

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シトロエンSM+マセラティ

2.7L以上の排気量を持つモデルには高い税率を掛けるフランスの税制をかいくぐるべく、このイタリアンV6は2670ccへと排気量を削減するとともに、そのパワーも172psに抑えられていた。

それでもSMに活発さを与えるには十分だったが、つねにスポーツカーというよりはGTの雰囲気を感じさせたこのクルマの駆動輪はフロントだった。

さらに、購入価格と維持費も高くつき、後に3.0L V6にオートマティックギアボックスを組み合わせたモデルも登場しているが、1万2920台が送り出された後、1975年にはその命脈を絶たれている。

アメリカ市場では高い人気を博したが、新たに導入された車高規制のため、販売を打ち切る必要に迫られたことも痛手だった。

デロリアン+ルノーPRV6

デロリアンDMC-12の悲しい物語は、小規模生産を考えるすべてのひとびとにとっての教訓であり、その教えには、プジョールノーボルボアライアンスが生み出したPRVエンジンの選択も含まれている。

この2849ccの排気量を持つV6エンジンは、当時のエグゼクティブサルーンには十分と言える133psのパワーで登場しているが、スポーティなキャラクターを持つモデルには決して理想的な存在ではなかったのだ。

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デロリアン+ルノーPRV6

デロリアンポルシェ911のようにリアアクスルからさらに後退した位置にエンジンを搭載することで、この選択をさらに間違ったものにしていた。

911とは異なり、ベルファストで生産されていたDMC-12は決してハンドリングマシンというわけではなく、そのエンジン搭載位置のお陰で、デビューするや直ぐに扱い辛いダイナミクス性能で知られることとなった。

映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」への出演だけが、このクルマを歴史の闇から救い出すことに成功している。

デ・トマソ・パンテーラ+フォード

デ・トマソは米国メーカーからエンジン調達を行うことに何ら躊躇することはなく、マングスタを手始めに、このパンテーラにもフォードエンジンを採用している。

イタリアであればひとびとは眉をひそめたかも知れないが、この決断はこの新興スーパーカーメーカーに、価格競争力と信頼性、そして厳しい米国排ガス規制に対応するエンジンをもたらすこととなった。

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デ・トマソ・パンテーラ+フォード

トム・ジャーダがデザインを手掛けたパンテーラには、当初335psを発揮する5.7L V8エンジンが積まれ、0-97km/h加速5.4秒という力強いパフォーマンスを発揮していた。

1971年当時では印象的なパフォーマンスだったが、より強い印象を残したのは、パンテーラが20年間も作り続けられたという事実の方だろう。

後に登場したGT5 -Sのパワー355psへと引き上げられていたが、車重も増加していた為、パフォーマンス上のアドバンテージを得ることは出来なかった。

ランドローバー・ディフェンダー+フォード

2007年、当時ランドローバー・ディフェンダーが積んでいたTd5ターボディーゼルは排ガス規制に合格できなくなっていたため、新たなパワープラントとして白羽の矢が立ったのがフォード・トランジットの2.4Lコモンレールディーゼルだった。このエンジンフォードではデュラトルクとして知られていた。

ランドローバーではピューマエンジンと呼ばれており、旧態全としたディフェンダーテクノロジーと洗練性の両面で大きな進歩をもたらすことに成功している。

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ランドローバー・ディフェンダー+フォード

豊かな低速トルクを持つピューマエンジンは、オフロードや牽引に最適だっただけでなく、ゆっくりと走らせれば、ディフェンダーの燃費を10km/L程度にまで伸ばすことも可能だった。

さらに、新たな6速マニュアルギアボックスも採用され、2012年に2.4Lに替えて改良版2.2Lエンジンが登場すると、2016年にディフェンダーがその生涯を終えるまで、このクルマエンジンベイに納まり続けていた。

ロータス・エラン+いすゞ

ロータス・エランM100の開発はトヨタエンジンとともに始まったが、ロータスがGMに買収されたことで、そのエンジンはGM製へと変更されている。

当時GM傘下にあったいすゞ1588ccエンジンでこの計画に加わると、ロータスではエランに相応しいエンジンにするべく改良を加えており、その結果がエントリーモデル向けとして134psを発揮する自然吸気エンジンと、164psを発揮するターボバージョンだった。

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ロータス・エラン+いすゞ

どちらのエンジンを選んでも、新型エランは5速マニュアルギアボックスを介してフロントを駆動していた。

ターボモデルでさえ0-97km/h加速6.5秒、最高速220km/hに留まっていたが、そのハンドリングは史上最高のフロント駆動モデルと評価されている。

だが、ハンドリングに対する高い評価も売上に貢献することはなく、このいすゞエンジンを搭載したエランは4555台が送り出されたあとその生涯を終えている。

その後、キア・エランとして復活するものの、そのエンジンハンドリングはまったく別物だった。

ロータス・エリーゼ+ローバー

少量生産のスポーツカーメーカーとして、ロータスは長くエンジンを他社から調達してきたのであり、初代エリーゼも例外ではなかった。

それでも、ロータスが軽量なロードスター向けというよりは、平凡なハッチバックにお似合いだと思われていたローバーKシリーズエンジンを選択したことには、少なくないひとびとが驚かされている。

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ロータスエリーゼ+ローバー

だが、120psを発揮して5.5秒で97km/hまで加速させるベーシックな仕様であっても、このアルミニウム製Kシリーズエリーゼにとって理想的なエンジンであることを自ら証明している。

ロータスではすぐにより高いパフォーマンスを発揮するKシリーズエンジンを、エリーゼとその姉妹モデルであるエキシージ・クーペのためにラインナップしており、137psと145ps、162ps、さらには193psのパワーを選択することができた。

すべてのモデルで、このエンジンの軽量さこそがエリーゼの見事なハンドリングの秘密であり、いまではヘッドガスケットの問題も改良されたパーツのお陰で心配するには及ばない。


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