つい先日、副業で失敗した女性の記事を見かけました。なんでも、パート先で副業が解禁されたので、新しいパート先を増やしたんだとか。でも、仕事が忙しすぎて体調が厳しくなり、続けられなかったというんです。記事ではアホウな法律関係者が擁護的なテイストで持論を述べて、最終的に「今の副業制度は問題だ!」みたいなことを書いていたんですけど、アゼンとして反論する気さえおきませんでした。

だって、これって副業じゃなく、ダブルワークじゃん。このダブルワークって、本業の収入を補填することが目的なので、本業レベルのきちんとした仕事を掛け持ちすることになります。ぶっちゃけ、ライターという時間的に余裕がきく仕事をしている筆者でもダブルワークは無理だもの。それが職場に気を遣うであろうパートをしていて、それが終わってから別の仕事をするなんて、アナタは大学生かと。この女性は学生のお子さんもいらっしゃる年齢とのことで、そりゃ無理だろうと思うんです。毎日の家事もあるだろうし、そこに新しいパートを追加して、しかも慣れない職場だし、精神的にも肉体的にもそうとう厳しいことは予想できそうじゃないですか。

というか、そもその副業って、あくまで「副」なんですよ。副業の最大のメリットは、あくまで「本業」を収入の柱としながら、それとは別の収入を得られたり、キャリアを積めたりすること。あくまで理想ですが、本業で暮らせる人がそれ以上の収入やキャリアを手に入れるときに役立つ働き方だと思うんです。なので、いきなり本業レベルの収入を副業で得ようとするのは無理ですし、それを超えるというのは夢物語ですよ。

でも、これって当たり前のことだと思っていたんですけど、意外に知られていないのでしょうか?

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実際、副業が解禁されたことで、「副業で成功して今の仕事を辞めるんだ!」という大志(?)を抱く人は多い気がします。でも、今の仕事から逃避するために副業をスタートして成功する人って、多分ごくわずかじゃないかと。その〝ごくわずか〟は貴重だし、おもしろいからメディアに取り上げらることで、「俺も!」みたいに思うんでしょうけど、さすがにそこまではねぇ…。「副業を続けた結果、予想以上にうまくいって本業から転職した」ということはあるんでしょうけど、最初から「副業を本業にするんだ!」というのは、本業のモチベーションが下がりそうでリスクが高い気がします。

そこで、さまざまな副業の成功者に取材した経験から、筆者が独断と偏見で副業ビギナーが押さえるべきポイントをご紹介します。

[1]副業は月収1~2万円くらいと考えましょう

先ほど述べたように、副業は「本業をキープ」というのが基本中の基本です。つまり、本業並みに稼げるとは思わず、あくまは本業では足りない収入をサポートするための仕事と割り切るべきです。でも、毎月1~2万円も収入が増えたら、けっこうラクじゃないですか。サラリーマンでもこれだけ基本給がアップするのは、けっこう大変なことでしょう。

[2]本業に支障のない仕事を選びましょう

こちらも[1]と同様で、本業に支障が出るような副業はNGです。あくまで個人的にですが、限度を超えるような〝無理〟をするなら、副業はしないほうがいいと思ってます。まず、本業に関係するすべての時間をきちんと計算したうえで、余暇として必要な時間も加味しながら、「副業」に使える時間を把握しましょう。そこから、自分がどんな副業ができるのか、業種を選ぶのがセオリーです。ちなみに「本業」を阻害するような副業をするのは(例えば情報漏洩とか、無断欠勤が増えるとか)、法律的にもダメという判断が下される可能性もあります。

[3]副業の職種を知る

「副業」と一口に言っても、さまざまな職種があります。しかも、副業が世間に浸透しつつあることで、ぶっちゃけ「本業にはならないけど副業には最適でしょ」みたいな仕事も増えているんです。つまり、世の中にある〝副業向き〟の仕事をきちんと把握して、[2]で算出した〝余裕時間〟で賄える仕事を選べば、とん挫するリスクも減らせるということになります。

 

ここまで副業の〝キホンのキ〟をご紹介しましたが、どんな仕事があるの?と疑問に思う人も多いはず。そこで副業として人気の職種ジャンルをカンタンにまとめてみました。

 

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☆在宅系

自宅で作業を行うタイプの副業です。職種によりますが、メリットは「時間的な余裕がある」ということ。パート勤務している主婦の方なんかは選びやすいジャンルだと思います。時間的な自由度が高いぶん、報酬額は少なめの傾向になります。

【代表的な仕事例】

■ライティング業務

ウェブ記事の原稿作成から単純な打ち込み作業まで、さまざまなライティングを請け負うことで報酬を得ることができます。出版社や編集プロダクションのライター募集に申し込んでもよいのですが、ビギナーはクラウドソーシングサイトに登録して仕事を探すのがオススメ。いろいろなジャンルの案件を募集している総合系のクラウドソーシングサイトを紹介しておきます。

「Lancers(ランサーズ)」(https://www.lancers.jp/

Crowd Works(クラウドワークス)」(https://crowdworks.jp/

Skillots(スキロッツ)」(https://www.skillots.com

 

■ポイ活

ポイントサイトを利用することでポイントを貯めて、換金したり、製品やサービスを購入したりする形態です。企業から仕事を請け負うわけではないので、自由度はかなり高め。ただ、ポイントサイトを通して行う案件をたくさんこなさないと、成果はごくごく少なくなってしまいます。

「ECナビ」(https://ecnavi.jp

モッピー」(https://pc.moppy.jp/

「げん玉」(http://www.gendama.jp/

 

■せどり

店舗やウェブショップなどから商品を自分で仕入れて、Amazonやメルカリなどで販売するジャンルです。「物販」とか「転売」なんて呼ばれることもあります。基本的に、仕入れが必要なのである程度のイニシャルコストが必要。また、仕入れから販売まで、それなりに専門的な知識と労働作業が必要でもあります。ちなみに、Amazonせどりを利用するなら商品の保管や発送などの各種業務を代行してくれる「FBA」というサービスを利用すると便利です。ただ、けっこうな月額料金と手数料がかかりますけど。

 

まだまだ続きます。

 

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☆外勤系

自宅ではなく、外で働くタイプの副業です。基本的に身体を使う仕事が多く、勤務時間や場所などの〝制約〟があります。ただ、報酬は在宅系に比べると報酬額は高め。また、体を動かすことでリフレッシュできたり、健康増進やダイエット目的としても役立ちます。

【代表的な仕事例】

■ウーバーイーツ

飲食系の宅配代行としては最もメジャーな企業。注文を受けたら自転車やバイクで商品を配送する流れとなり、宅配すればするほど報酬も増えます。勤務日時はある程度、自分の好きに決められるのがメリット。例えば、月~金は本業に使い、土曜日にウーバーイーツでがっつり働き、日曜日はしっかり休むというルーティンを作ってもよいかもしれません。ただ、効率的に稼ぐためにはコツがいると言われています。あと、最初にバック代(8000円)を支払う必要があります。

■ショップリサーチ

さまざまなお店を覆面調査してレポートを作成することで報酬を得るスタイル。基本的な流れは「モニター登録」→「調査案件に応募」→「覆面調査」→「レポート提出」→「報酬支払」となります。また、覆面調査で料金を支払うときは自腹で、その代わりに報酬を得ることができる仕組み。報酬額は調査案件の難易度や覆面調査で払う料金額で異なります。飲食店やホテル、スーパーなど、調査対象のお店ジャンルは多彩なので、自分が興味のあるお店に応募してみるのがオススメです。

「ミステリーショッパー」(https://www.ms-r.com/

■フォト販売

自分で撮影した写真をフォトストックサイトで販売する形態。写真は需要さえあれば、どんな内容でも構わないので、自宅でも屋外でも撮影できます。ただ、撮影のテクニックやセンスが必要になるのと(サイトごとにビジネス系の写真が売れるみたいな傾向もあります)、カメラや機材を購入する場合はイニシャルコストがかかります。あと、当たり前ですが、売れないと報酬をもらえないという点も押さえておきましょう。ちなみに、知人のプロカメラマンも利用しているのですが、けっこうバカにならない稼ぎになっているそうです。素人だと最初は難しいですが、コツコツとキャリアと腕を磨いていけば、それなりに稼げるかも?

「PIXTA」(https://pixta.jp/

「スナップマート」(https://snapmart.jp/

「写真AC」(https://www.photo-ac.com/

 

☆投資系

株式や投資信託、不動産や仮想通貨などの投資全般になります。基本的に時間的な制約は売買の手間だけになるため、本業を妨げるリスクは少ないのが特徴。ただし、損失リスクはありますし、その損失リスクを少しでも軽くするために投資知識や経験の蓄積が必要になるジャンルでもあります。

 

副業に向いている職種は、ここで紹介した以外にもたくさんあります。もちろん「稼げる」ということも大事なのですが、そこに「楽しめる」とか「向いている」とか、報酬以外のメリットも加えてあげるのがオススメ。本業とは違って、うまくいかなくても次の副業を探せばいいんです(初期投資してたりすると無駄になりますけど)。とにかく、副業するなら、精神的にも肉体的にも無理のない職種を選ぶようにしましょう。(取材・文◎百園雷太)

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