根強い人気の時代劇必殺シリーズ」。作品数がありすぎて、何が何だか分からない程です。そこでちょっとまとめてみました。80年代前半に放送された「必殺シリーズ」5作品がコレです!

必殺シリーズ

根強い人気を持つ「必殺シリーズ」。必殺シリーズといえば、なんと言っても藤田まこと演じる中村主水ですよねぇ。実に印象深いです。
中村主水

中村主水

しかしです。振り返ってみれば、それ以外の作品も意外と多いんですよ。80年代は、中村主水シリーズではなく、「必殺」の中でも、なかなかヒットしない「旅物シリーズ」から始まります。

必殺仕舞人

一時は打ち切りの瀬戸際まで追いやられた必殺シリーズ。それが1979年5月より1981年1月まで放送開始された「必殺仕事人」の大ヒットによって空前のブームとなりました。
さて、その「必殺仕事人」の後を引き継いだのが、1981年2月から放送が始まった「必殺仕舞人」です。
必殺仕舞人

必殺仕舞人

監督:工藤栄一、松野宏軌、井上梅次
出演者:京マチ子、本田博太郎西崎みどり、原泉、高橋悦史
ナレーター:中条きよし

放送期間:1981年2月6日5月1日
坂東京山(京マチ子)は、かつて駆け込み寺に訴えられる女たちの恨みを晴らす仕舞人であったが、修羅の道を歩く辛さに耐えかねて足を洗い、今は民謡手踊一座の座長として穏やかな日々を過ごしていた。しかし、五年ぶりに鎌倉・本然寺の善行尼(原泉)に呼ばれ、仕舞人としての仕事を依頼される。戸惑う京山だったが目指す相手が昔自分を裏切った男だと知り、再び修羅の道に戻ることを決意する。善行尼が手配したもう一人の仕舞人・晋松(高橋悦史)と、旅の途中で知り合ったお調子者の直次郎(本田博太郎)を仲間に加え、坂東京山一座は諸国の駆け込み寺に訴えられた女の恨みを晴らす旅を始めた。
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「(悪人の)命をお仕舞いにする」それと「女の苦しみをお仕舞にする」との二つの意味を持った「必殺仕舞人」。それからも分かるように悪人によって悲惨な目に合う女性が毎回登場するわけです。それはいい。問題はない。それよりも「必殺仕舞人」は、「必殺からくり人」からの流れをくむ旅物シリーズなんです。
いかん、いかんぞォ。このシリーズ、どれも短命なんすよねぇ。せっかく前作で人気を盛り返したというのにねぇ。

必殺仕舞人 第2話「さんさ時雨は涙雨 仙台 」(1981年)

そして結果は!やっぱりねぇ、やっぱりでした。やっぱりのさっぱりでした。作品の出来自体は悪くないです。京マチ子も西崎みどりもキレイですしねぇ。しかし、残念ながら全13話という1クールで終わってしまいました。

新・必殺仕事人

「必殺仕舞人」の失敗から、制作陣は安全策をとります。もう失敗は許されないとばかりにシリーズ最大のヒット作「必殺仕事人」を再び制作したのです。そう、1981年5月から始まった「新・必殺仕事人」です。
面白いのは、前作「必殺仕舞人」でナレーターを務めていた中条きよしが、仕事人三味線屋の勇次」として登場!飾り職人の秀と共に女性の心をガッチリ掴み、番組のヒットに貢献しました。
新必殺仕事人

新必殺仕事人

仕事人が解散して3年、江戸に戻った加代、主水と再会、主水も秀も裏稼業から足を洗っていた。加代は「3人で裏稼業の仕事を再開しよう」と持ち掛けるが、2人とも、裏稼業をする気が全く無かった。しかたなく加代は食い扶の為に門付けを始めようと壊れた三味線の張替えを頼みに行き2人の親子に出会う。実はこの2人、闇の裏稼業、仕事人のおりくと勇次であった。おりくはある人物より仕事人であることを強請られていた。主水とおりくは偶然にも互いに裏稼業の仕事人であることを知る。その後、ある人物に強制され、おりくを強請って最終的に飛び降り自殺した女の恨みの言葉を聞いた主水は、裏稼業への復帰を決意する。加代と秀を呼び出し仕置きを再開することを宣言した。
出典 Amazon.co.jp: 新・必殺仕事人を観る | Prime Video
新・必殺仕事人」はこの後の主水シリーズのひな形となった作品です。例えば、エンディング前のクロージング場面で毎回行われる主水とせんりつによるコメディシーン。これが固定されるようになります。また主水シリーズにおいて各話に「主水、○○する」というサブタイトルが固定化するのも「新・必殺仕事人」からです。

新·必殺仕事人 第1話「主水腹が出る」(1981年)

他にも「新・必殺仕事人」の特徴として、ドラマの前半に仕事の依頼が発生することがなくなったというのがあります。こうしたこともその後の主水シリーズに引き継がれていきます。これらのことによって人気が安定したのですが、定番化するということはワンパターンの罠に陥ってしまうことにもなりました。ここんところの匙加減、難しいですよねぇ。

新・必殺仕舞人

前作「新・必殺仕事人」は全55話という大ヒットとなりました!「仕事人」強しです。さぁ、このまま突っ走ろうということで続いて制作されたのは「新・必殺仕舞人」です。えっ!いかん、いかんぞォ。「仕舞人」はいかんぞォ。「からくり人」の流れはヒットしないんだから。
それでも1982年7月、朝日放送は自信を持って「新・必殺仕舞人」を送り出します!
新・必殺仕舞人

新・必殺仕舞人

監督:前田陽一、井上梅次、田中徳三
出演者:京マチ子、本田博太郎西崎みどり、花紀京、原泉、高橋悦史
ナレーター:高橋悦史

放送期間:1982年7月2日9月24日
前作『必殺仕舞人』で将軍家と縁のある者を暗殺したことで、坂東京山一座は解散。京山はおはなと出家し、これまで自分たちに関わって命を落とした人々を供養する巡礼の旅に出ていた。
一年後、旅を終えた京山とおはなは鎌倉の本然寺に舞い戻り、正式に尼になろうという日を迎えていた。そこに直次郎と、かつての京山一座の踊り子たちが、ヤクザに追われ駆け込んでくる。直次郎たちは藤沢で踊りの興行を打つことになっていたが、当地の興行師に騙され、二十五両で、上州草津のヤクザに売られていた。京山は草津のヤクザと掛け合うために直次郎たちを伴い、草津温泉へ向かう。道中では生き延びた晋松とも再会し、彼も、京山一行に加わる。
出典 新・必殺仕舞人 - Wikipedia
自信を持って送り出したはずの「新・必殺仕舞人」。だったはずですが、またしても全13話の1クール止まりの低飛行。なんでかなぁ?話とてしては、「必殺仕舞人」の純粋な続編です。なんでかなぁ?ヒットしなかった作品の続編をなんで作るかなぁ?そこらへん、制作の意図がよく分かりません。
「必殺仕舞人」に続き、「新・必殺仕舞人」もまた作品は悪くないんです。ファンの間での評判は悪くない。ですが、当時はねぇ。旅ものというコンセプトが受け入れられなかったということかもしれません。

新必殺仕舞人 番宣風

当時大人気だった吉本新喜劇の役者、花紀京をレギュラーに加えることで、お笑いの要素を加えるという新機軸を打ち出してはみたものの、なかなか難しかったようです。

必殺仕事人III

やっぱさぁ、旅ものじゃ難しいよなぁ。「仕事人」だよ、やっぱ「仕事人」。という製作スタッフのぼやき声が聞こえてきそうな状況にあったと思われる朝日放送。視聴率が取れない事にはスポンサーは黙ってはいません。しゃあない、「仕事人」や。という偉い人の決断が下され(たぶん)、1982年10月必殺仕事人III」の放送が開始されることに。
必殺仕事人III」は、必殺仕事人シリーズの3作目であり、必殺シリーズの19作目にあたります。そして、中村主水シリーズでは9作目となる作品です。
必殺仕事人III

必殺仕事人III

監督:田中徳三、松野宏軌、貞永方久、広瀬襄
出演者:藤田まこと三田村邦彦、鮎川いずみひかる一平、山内敏男、白木万理、菅井きん、中条きよし、山田五十鈴
ナレーター:中村梅之助
実は「必殺仕事人III」が始まる前、1982年10月1日に特番として「必殺シリーズ10周年記念スペシャル 仕事人大集合」が放送されました。「新・必殺仕事人」の最終回バラバラになった「仕事人」のレギュラー陣、中村主水、秀、勇次、加代、おりくが再集結するというファンには嬉しい特番でした。
で、この特番の後を受けて「必殺仕事人III」は放送開始されたのです。
仕事人大集合』で、多くの仕事人の犠牲と協力の元で、大仕事を完遂した中村主水、秀、勇次、加代、おりくは仕事人チームを再び組むこととなった。
出典 必殺仕事人III - Wikipedia

必殺仕事人Ⅲ 1

全38話。「必殺仕事人III」もやっぱり手堅くヒットしました。しかも1983年3月4日に放送された第21話は、必殺シリーズ歴代最高となる、なんと37.1%の視聴率を記録したんです。 強い!強いぞ「仕事人」。
更には、鮎川いずみが歌った主題歌「冬の花」は、必殺シリーズ主題歌としては最大のヒット曲だった「旅愁」以来の大ヒットとなっています。

必殺渡し人

1983年7月から始まった「必殺渡し人」。なんとなく危険な感じがしますね。しかし、制作陣も学習しました。中村主水が登場しないシリーズは、「必殺仕舞人」のような「旅モノ」が主になっていましたが、「必殺渡し人」は江戸が舞台です。
必殺渡し人

必殺渡し人

監督:田中徳三、原田雄一、松野宏軌
出演者:中村雅俊渡辺篤史西崎みどり、藤山直美、高峰三枝子
ナレーター:佐藤慶

放送期間:1983年7月8日10月14日
蘭方医・忍はオランダ人医師を父に、遊女を母に生まれた。彼女を育てるため夜たかにまでなった母親を殺した岡っ引きに復讐したのが、渡し人稼業への第一歩だった。そして、忍の診療所近くに暮らす惣太と大吉を仲間にし、闇で悪に裁きを下して行く!
出典 必殺渡し人|ホームドラマチャンネル
殺し担当の主要メンバーが三人というシンプルな設定。そして、殺しのシーンには「新・必殺仕置人」から受け継いだレントゲン映像が登場。これは贅肉を削ぎ落とし、原点回帰をもくろんだ作品ですね。実際、昔ながらのファンからは高い評価を受けたと言われています。

必殺渡し人 番宣風

硬派な内容だった。評価は受けた。が、放送回数またしても13回。またしても1クールで終了。当時大人気の中村雅俊を抜擢し、強姦、スワッピング、SMと言った性描写満載だったんですけどねぇ。。。

苦しい、実に苦しくなってきました「必殺シリーズ」。果たしてこのまま打ち切りとなるのか!それとも起死回生となる作品が飛び出すのか?!80年代中盤の「必殺シリーズ」の行方は如何に?!でも、それは、またの機会に。

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