寒くなってきたこの季節、鍋を家族で囲めば心も体も温まりそうだ。しかし台湾で、そんな一家団欒の鍋があわや悲劇となりかねない騒ぎがあった。自家製野菜に農薬の有機リンが残留していたのだ。一家5人中3人が次々と中毒症状を起こしたことを『自由時報』『芋傳媒』などが伝えている。

台湾・台中市龍井区に暮らす農家の女性(65歳)が26日早朝4時頃、めまいや痙攣、呼吸困難などの症状を訴えて救急外来を訪れた。一時は危険な状態に陥ったが、その症状から有機リン中毒を疑った医師が解毒処置を施して一命を取り留めた。

また同日午後3時頃、女性の様子を見に病院を訪れていた70歳の夫と娘が帰ろうとした際、夫の身体に異変が起きた。突然足に力が入らなくなり、痙攣やめまいなど女性と同じ中毒症状が現れたのだ。

病院側は集団中毒の疑いがあると考え、家族に話を聞いていたが、すると今度は一家の長男が両親と同様の症状を訴えて救急外来に駆け込んできた。

一家は診察を受けながら、前日の夜に食べた鍋の味に違和感があったこと、父親が葉物野菜栽培の際に農薬を使用していることに思い当たったそうだ。母親は鍋に入った葉物野菜を誰よりも多く食べており、また翌日には残りのスープに麺を入れたものを父親と長男が食べていた。次男と娘も一緒に鍋を囲んでいたが、早目に食事を切り上げていたという。

検査の結果、3人の体内から農薬に使われる有機リンが検出され、間違いなく有機リン中毒であることが判明した。

日本同様、台湾でも有機リンなど毒性の強い農薬に対する規制は年々厳しくなっている。毒性の強い農薬で合法的に使用が許可されているものは1992年に66種だったが、その後2008年に53種、2015年に20種、2019年2月からは9種にまで絞られた。

しかし希釈倍数や安全収穫時期など、定められた使用基準に従って使用しなければ安全なはずの農薬も危険になる。男性は数日前に農薬を散布したばかりの野菜を収穫し、十分に洗わずに食べてしまったため中毒症状が現れた。

医師によれば有機リンの誤飲は最悪の場合、死に至ることもあるという。幸い3人は処置を受けたのが早かったため、今のところ後遺症も見られないということだ。

画像は『自由時報 2019年11月26日付「吃火鍋煮自種青菜 1家3人農藥中毒」(菜園示意圖、和新聞個案無關 記者張軒哲攝))』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト