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12年間、ほとんど色がない世界で過ごしてきた少年が、色覚を補正する眼鏡をかけたことで人生で初めて鮮やかな“色”を見た。この様子を撮影した動画はSNSに投稿され、『CBS News』『ABC News』などが伝えて拡散している。

米ミネソタ州コットンウッド在住でレイクヴュースクールに通う7年生(中学1年生)のジョナサン・ジョーンズ君(12歳)は、生まれた時から深刻な色覚障がいを抱えていた。そんなジョナサン君が授業中、同じ色覚障がいを持つ学校長スコット・ハンソンさんからある眼鏡を手渡された。

ハンソン校長は理科の特別授業で色覚障がいについて話をしており、ジョナサン君に自分が使用している色覚補正眼鏡をかけてみるように促したのだ。この授業には母親のキャロルウォルターさんも招待され、ジョナサン君を見守っていた。

動画ではジョナサン君が普段かけている眼鏡を外し、手渡された補正眼鏡を嬉しそうにかける姿が映し出される。

ハンソン校長が「眼鏡をかけるとどんなことになるか、さあ見てごらん」と声をかけると、驚いた様子でうなずいたジョナサン君だが、すぐに肩を震わせ感激のあまり眼鏡を外して泣き始めた。

そんなジョナサン君に対して、ハンソン校長はハグし「とても嬉しいよ。本当に良かった。(初めて色が見えた瞬間は)感情的になるって言っただろう」と告げた。またキャロルさんも嬉し泣きするジョナサン君とハグを交わして、その瞬間を喜び合った。

その後ジョナサン君は、教室の前に貼ってあったカラフル元素記号の表のところまで歩いていくと、1つ1つの色を確かめるように見つめた。ハンソン校長に「全ての色を触ってごらんよ」と促され、眼鏡を外したりはめたりしながら新しい世界に浸るジョナサン君。ハンソン校長も興奮気味で、泣きながらも笑顔を見せるジョナサン君に「ヘイ、ジョン。同じ日に泣いて、そして笑うことができるってことは、その日が素晴らしいってことだよ。今日はその眼鏡を家に持ち帰って、できるだけたくさんの色を見て楽しむといいよ」と言葉をかけた。

のちにジョナサン君は、この時の気持ちを「全ての色をやっと見ることができたという喜びと幸せを感じていたんだ。でも同時に、今まで色を見ることができないでいたことをちょっとだけ悲しいと思ったね」と明かしている。

キャロルさんはその後、この時の動画をSNSに投稿し、クラウドファンディングサイト『GoFundMe』で補正眼鏡代である約38,000円(350ドル)の寄付を呼びかけた。するとサイト立ち上げから4日で約306万円(28,000ドル)を超える寄付が集まり、キャロルさんはこの善意のお金で色覚補正眼鏡を購入し、色覚障がいに苦しむ人たちに寄付することを約束した。

『Metro』によると、ジョナサン君の一番好きな色は“青”だそうで、この冬に家族と一緒にカリブ諸島を訪れることを楽しみにしているという。

このニュースには「人が殺されたというニュースはうんざり。こんな心温まるニュースばかりだといいな」「色があって当然と思っている世界がどんなに美しいものか、考えさせられた」「感動した」「嬉しいニュース」「涙が出てきた」といったコメントがあがっている。

画像は『GoFundMe 2019年11月22日付「Color Blind Glasses」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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