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はじめに

もし、現行シードのデザインやエルゴノミクス、確かな走りが、キアが量販ハッチバックのメーカーとして欧州各社に近づいたと見てもいいだろうことを示しているとすれば、今回のXシードは欧州の顧客層のまさに今の好みを捉えたクルマだといえる。

言い過ぎだと思うなら、こんな事実を思い出してほしい。巨大市場である小型車セグメントは今や、販売台数の実に半分程度をクロスオーバー的なものに占められているのだ。であれば、Xシードは市販しないという手はないような、ユーザー待望のクルマである。

その名が示すとおり、引き上げられた地上高とタフさを増したルックスを持ちながら、寸法はCセグメント級。中型SUV、キアでいえばスポーテージの比較対象としても説得力のあるモデルだ。

われわれが知りたいのは、まずこのクルマが、スペックシート通りの実力を備えているのかということ。次に、これがキアにとって、欧州でのビジネスでどれほど重要な商品たり得るのかということである。

この韓国のメーカーは、欧州での躍進著しい。スロバキアに自社工場を、フランクフルトにデザインセンターを構え、この地のマーケットの嗜好により適合するクルマ造りを進めている。しかし、同業他社と同じく、近い将来にはEVやPHVの投入が必要となるはず。現時点では、そうした電化技術の恩恵に、ユーザーはまだ疑いの目を向けているとしてもだ。

その点では、Xシードの狙いはシード一門が担うキアのボトムレンジを強化するだけではない。どちらかといえば抵抗感の薄いプラグイン仕様を年内に登場させ、キアにおけるバッテリー動力モデルの比率を拡大して、2020年基準の厳しいCO2排出量目標への適合を目指すのも目標だ。もっとも、基本的な出来栄えが低ければ、電化モデル促進も絵に描いた餅に過ぎなくなってしまうのだが。

意匠と技術 ★★★★★★☆☆☆☆

キア曰く、Xシードはクロスオーバー・ユーティリティビークルということになる。この形容はジャンル分けを曖昧にし、スタンダードなシードに対する車高の引き上げがわずかであることも示唆している。事実、その差は40mm程度だ。

とはいえ、エクステリアでシードと共用する部品は、フロントドアの外装パネルのみ。ヘッドライトをはじめとするほぼすべてのパーツが新設計で、完全なニューモデルだと感じられるものに仕上がっている。

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エクステリアでハッチバックのシードと共用する部品は、フロントドアの外装パネルのみだ。

そうはいっても、もちろん完全新設計というわけではない。プロポーションが大きく違うのは、主にリアアクスルより後方。これによってシードより全長が85mm伸び、ラゲッジルームも拡大した。しかし、キアの最新プラットフォームであるK2をベースに開発されているのは共通だ。

そのため、Xシードは独立懸架のリアサスも備える。だが、クロスメンバーに新規追加されたダイナミックダンパーによって、走りの洗練度は引き上げられたという。フロントのストラットにも油圧バンプストップを与えられ、スプリングレートを低めて乗り心地の改善を図ることが可能になった。市街地での取り回しを向上させるべく、電動パワーステアリングのアシストも強めている。

パワートレインのラインナップは、シードのそれと同様。英国では、1.0Lと1.4Lの直噴ターボガソリンが投入される。今後はスマートストリームこと、20.3km/Lの燃費を誇る1.6Lのターボディーゼルも追加される見込み。トランスミッションは、いずれのエンジンもキア内製の7速DCTと6速MTを組み合わせる。

また、プラグインハイブリッドも用意される予定。これは8.9kWhのリチウムイオンバッテリーと44.5kWの電気モーターを、1.6L自然吸気のカッパエンジンとセットにしたパワートレインを積む。

予想通り、ドライブトレインはXシードのワイドなボディやゴツいルーフレール、ホイールアーチやサイドシルの樹脂ガードなどに比べれば平凡だ。四輪駆動は設定されず、オープンデフを介してサマータイヤを履く前輪を回すのみだ。

ドライブモードセレクターは備えるが、ステアリングの重さやスロットルレスポンス、シフトの性格をアジャストするにとどまる。ライバル車に見られるような、トラクション性能を向上させる電子制御デバイスは装備されない。

内装 ★★★★★★★☆☆☆

ほんの15年ほどで、キアはエクステリアのデザイン言語を変質させた。ひどく退屈だったそれは、おそらく欧州の古参メーカーですらうらやましく感じることもあるに違いないほどの外観を得るまでになったといっていい。

対するインテリアは、そこまで高く評価できるほどではない。それでも、シードから多くを借用したそれは、以前から明らかに改善されており、質感の水準は自慢のタネになりうるほどだ。

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インテリアの質感は大幅に改善されたが、デザインはエクステリアほど印象的ではない。

最上位グレードでは明るいカラーの加飾が施されるが、このインテリアの売りは見栄えの華やかさや豪華さではなく、堅牢さとエルゴノミクス。助手席スペースは広く、ファミリーカーの定石通り収納スペースは豊富。さまざまなプラスティックで構成されるキャビンにはソフトタッチな素材も用いられるが、その使用箇所は多くない。

ここまではシードと大差ない。しかし今回のXシードは、12.3インチのTFT液晶をおごった新型の計器盤と、ダッシュボード中央のタッチ操作式10.3インチディスプレイを装備。上質感を演出している。

後席のスペースは,、前席ほど広さが際立つものではない。Cセグメントでも大柄な、スコダ・スカラあたりと比べると、レッグスペースの差はメジャーで計らずともわかる。

このクルマの強みは、クーペ風にスロープしたルーフの割には、ヘッドルームが犠牲になっていないこと。完全にフラットなフロアのありがたみは、脚の長い乗員が中央に座らされた時に感じられるはずだ。

荷室容量は、シード比31L増の426L。クラス水準並みといったところだが、段違いのフロアと広い開口部が使い勝手を高めている。

走り重視のユーザーが買いたがるようなクルマではないが、Xシードはついに、おおむね欠陥の見当たらない、調整の効くドライビングポジションを手に入れた。シートのホールドも十分だ。

走り ★★★★★★☆☆☆☆

Xシードの1.4T-GDiは、パフォーマンスや魅惑的な要素より、洗練性やマナーを重視したエンジンという印象だ。低負荷の場面ではすばらしく上品で、低回転からのピックアップでは4気筒らしい唸りがやや気になる程度だ。

低中速の実用的なトルクの広がりは、スムースでそこそこ速い走りを可能にする。スロットルレスポンスもそれなりに鋭い。しかし、この好ましい領域を外れるにつれ、パワートレインの欠点が露呈し始める。

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1.4T-GDiは、パフォーマンスより洗練性を重視したエンジンという印象だ。

これは、回して楽しいエンジンではない。4500rpmを超えると、かなり息切れしたところを見せる。そうではあっても、フルスロットルでは、DCTがシフトアップを急がないので、レッドライン近くまで回転を引っ張る。

このことが、かえって息切れ感を長引かせ、4気筒の鼻にかかるような唸りを続かせるので、いくらエンジンが回っても心惹かれはしないのだ。

このトランスミッションは、追い越し時にも扱いにくさをみせる。ペダルを踏み込むと、そこそこ勢いよくシフトダウンするのだが、もっとも素早い加速をするにはどのギアを使うか決めるまでに、しばしばいくつかのギアを試そうとするようなところが見受けられる。

結果、湿ったコースでの計測では、48−113km/h加速が8.7秒、0-97km/h加速が9.3秒。0-97km/hは公称値の9.2秒に迫るが、48-113km/hは一般的なハッチバックにだいぶ遅れる。

わずかにパワーで勝るフォルクスワーゲン・ゴルフ1.5TSIエヴォは、2017年の計測で、48-113km/hは8.1秒をマークした。0-97km/hに至ってはコンマ5秒近く早い。これと同じエンジンは、ライバルのTロックにも積まれている。

加えて、ブレーキのペダルフィールが一定ではない。わずかなのだが、フラストレーションの種となるものだ。フィールは曖昧ではっきりしないが、踏んでいくと突然効きすぎる。それが問題になるのは、飛ばしているときより、むしろ低速走行時だ。

使い勝手 ★★★★★★★★☆☆

インフォテインメント

上位グレードの3とファーストエディションは、10.25インチのタッチ式ディスプレイを備えるキアの最新世代インフォテインメントシステムを標準装備。下位グレードは、これが既存の8インチ仕様となる。

新たな画面を得たものの、これまでのキア車を知っていれば、ソフトウェア自体の使い方はすぐにわかるはずだ。グラフィックはややシャープになったものの、おおむね従来通りで、OSもこれまでと同じく直感的かつ使いやすいものだ。

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上位グレードは10.25インチ、下位グレードはインチディスプレイを備える。

全体的に、動きは滑らかでシームレス。だが、エンジン始動時の起動には、少し待たされる。

標準装備の機能は、ナビゲーション、Apple CarPlayとAndroid Autoへの対応、デジタルラジオBluetooth接続機能と充実。ファーストエディションでは、JBLサウンドシステムと、12.3インチの新型デジタルメーターが追加される。

燈火類

オートLEDヘッドライトは、上々の機能ぶり。ビームの強さと広がりはともに、ロービームでもかなりのもの。自動ハイビームの動きもなかなかだ。

ステアリングとペダル

ブレーキペダルは、かなり中央寄りに取り付けられているように感じられる。ステアリングホイールはわずかにオフセットしているが、快適な操作を決定的に損なうほどではない。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

高められた地上高とソフトローダーらしくたくましい外観によって、スポーティな性質に対する期待は、シードプロシードに対するほどではない。実際、兄弟分たちほど夢中になれたり反応が早かったりするわけではない。

それでも、安心感のある確かな足取りやハンドリングは残っている。信頼に足るファミリーハッチには、メリットのある運動面のキャラクターだ。決してエキサイティングな類のものではないが。

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ファミリーハッチとしては良好な運動性だが、エキサイティングさはない。

ロックトウロックは2.5回転。ステアリングの速さは中程度で、過剰に神経質だったり跳ね回ったりしない範疇で、十分にいい前輪のレスポンスをもたらす。ただし、シード系モデルに共通するやや不自然な手応えにより、やはり路面フィールはきちんと伝わってこない。

そうはいっても、一貫したギアリングはコーナリングで、Xシードのノーズを自信を持って正確に導く助けとなる。もっとも、コーナリング中にバンプや路面不整があると、ステアリングホイール越しに多少の突き上げを感じることになる。

フロントのグリップに関していえば、235/45セクションのコンチ・スポーツコンタクト5はしっかり路面に食いつく。ただし、その限界へ近づくのに、それほど熱く走る必要はない。

そうはいうものの、このクルマのノーズは限界に達すると流れ始めるが、それは穏やかで予期しやすく、スロットルを戻せばすぐに正しいラインへ戻る。

ボディコントロールは、シードほど緊密に抑えられたものではないが、総じて良好。速度域の高いなだらかな道路なら滑らかな安定したフィールで、穏やかなコーナーであればアンジュレーションも綺麗に乗り越える。

しかし、素早い方向転換を伴う横荷重の移動は、常に理想ほどプログレッシブでコントロールの効いたものではない。自信を奪うほどではないが。

快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆

路面の荒れた道を扱う能力は、このクラスのクロスオーバーのベストには洗練度で及ばない。引き上げられた地上高は、飛ばしてもなかなかのしなやかさを見せ、路面のうねったカントリーロードでも抑えの効いた走りを可能にする。

しかしながら、速度を落とすと、それほど納得のいくものにはならない。市街地の速度域では、ややスプリングが硬いフィールで、走るペースが一定でなくなり始めるとしなやかさが現れてくる。洗練されていないとするのは言い過ぎかもしれないが、もう少し出来がよくてもいいはずだ。

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路面の荒れた道を扱う能力は、このクラスのクロスオーバーのベストに及ばない。

とはいえ、ダンパーのチューニングは悪くなく、きつい突き上げもうまく角を丸めてくれる。ただし、デコボコ道ではサスペンションからの打撃音が常にに聞こえてくる。大きな轍やバンプでは、それを吸収する能力の限界を試すハメになり、ステアリングホイールにもしばしばキックバックが伝わってくる。

キャビンの静粛性はなかなかで、これはかなりつつましやかなエンジンによるもの。風切り音やロードノイズは不気味なほど遮断されているが、速度が上がると耳に届くようになってくる。アイドリングではたったの37dBだが、113km/h巡航になると67dBへ高まる。それでも、かつて計測したフォルクスワーゲン・ゴルフ1.5TSIエヴォは、それぞれ41dBと69dBで、ここではキアに軍配が上がった。だが、3速全開ではどちらも74dBに達した。

購入と維持 ★★★★★☆☆☆☆☆

400万円をわずかに切る最上位仕様のファーストエディションは、驚くほどの充実装備だが、イチオシとするには高すぎる。安いクルマを探しているのなら、1.0L直噴ターボガソリンと6速MTを積むエントリーレベルの2仕様がいい。130万円ほど安いが、オートライトやエアコンは標準装備で、安全装備も揃っている。

ひとつ上のグレードである3なら、新型インフォテインメントシステムや18インチホイール、シートヒーターにプライバシーガラスも加わる。けれども、同じような額の出費を強いられるなら、もっと広く価格帯の近いスコダ・カロックを選びたい。

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キアの残価率は平均並み。フォードよりはいいが、トヨタには劣る。

注目したいのは、ベーシックなシードだ。万能性はXシードと大きく違わないが、価格はかなり低い設定なのだから。

そのほかにも、所有するメリットには疑問が残る。1.4Lエンジンが低負荷ならすばらしい洗練ぶりを見せることはお伝えしたが、燃費が期待したほどではないのだ。巡航燃費は17km/L弱、日常使いならば12km/L台半ばまで落ち込む。

また、上位グレードでなければユーロNCAPで5つ星を獲れないというのも残念。セーフティパッケージを装備しない標準仕様では、衝突テストでの乗員保護の不足から4つ星にとどまるのだ。

スペック

レイアウト

XシードのプラットフォームはキアのK2で、サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク。

兄弟分のシードと比べれば、地上高は44mm引き上げられている。1.4L直4ターボはフロント横置きで、7速DCTを介して前輪を駆動する。

エンジン

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兄弟分のシードと比べれば、地上高は44mm引き上げられている。

駆動方式:フロント横置き前輪駆動
形式:直列4気筒1353cc、ターボガソリン
ブロック/ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ71.6×84.0mm
圧縮比:10.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:140ps/6000rpm
最大トルク:24.7kg-m/1500-3200rpm
許容回転数:6600rpm
馬力荷重比:101ps/t
トルク荷重比:18.0kg-m/t
エンジン比出力:103ps/L

ボディ/シャシー

全長:4395mm
ホイールベース:2650mm
オーバーハング(前):905mm
オーバーハング(後):840mm

全幅(ミラー含む):2030mm
全幅(両ドア開き):3590mm

全高:1495mm
全高:(リアゲート開き):2110mm

足元長さ(前):最大1120mm
足元長さ(後):最大700mm
座面~天井(前):最大1010mm
座面~天井(後):最大890mm

積載容量:426-1378L

構造:スティールモノコック
車両重量:1375kg(公称値)/1452kg(実測値)
抗力係数:0.33
ホイール前/後:7.5Jx18
タイヤ前/後:235/45R18
コンチネンタル・コンチ・スポーツコンタクト5
スペアタイヤ:スペースセーバー

変速機

形式:7速DCT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:3.93/6.9 
2速:2.32/11.7 
3速:2.04/18.0 
4速:1.07/25.4 
5速:0.82/33.0 
6速:0.88/41.7 
7速:0.72/51.0 
最終減速比:4.643:1/3.421:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:12.4km/L
ツーリング:16.6km/L
動力性能計測時:7.6km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):11.4km/L
中速(郊外):15.2km/L
高速(高速道路):17.0km/L
超高速:13.9km/L
混合:14.5km/L

燃料タンク容量:50L
現実的な航続距離:621km
CO2排出量:134g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタイライザ
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタイライザ

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.4回転
最小回転直径:10.6m

ブレーキ

前:320mm通気冷却式ディスク
後:284mmディスク

静粛性

アイドリング:37dB
全開時:74dB(3速)
48km/h走行時:60dB
80km/h走行時:64dB
113km/h走行時:67dB

安全装備

ABS/ESC/LKAS/LFA/HBA/FCA/VSM/BAS/EBD
Euro N CAP:5つ星(シード
乗員保護性能:成人88%/子供85%
歩行者保護性能:68%
安全補助装置性能:73%

発進加速

テスト条件:湿潤路面/気温14℃
0-30マイル/時(48km/h):3.6秒
0-40(64):5.1秒
0-50(80):7.1秒
0-60(97):9.3秒
0-70(113):12.3秒
0-80(129):16.4秒
0-90(145):21.2秒
0-100(161):28.8秒
0-110(177):39.9秒
0-402m発進加速:17.4秒(到達速度:132.4km/h)
0-1000m発進加速:31.6秒(到達速度:165.3km/h)

ライバルの発進加速

ライバルの発進加速
フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5TSIエヴォ Rライン
テスト条件:乾燥路面/気温24℃
0-30マイル/時(48km/h):3.2秒
0-40(64):4.9秒
0-50(80):6.5秒
0-60(97):8.8秒
0-70(113):11.3秒
0-80(129):14.1秒
0-90(145):17.4秒
0-100(161):22.7秒
0-110(177):28.9秒
0-402m発進加速:16.7秒(到達速度:141.9km/h)
0-1000m発進加速:30.1秒(到達速度:179.8km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):2.7秒(2速)/3.6秒(3速)

30-50(48-80):3.8秒(3速)/5.0秒(4速)/6.6秒(5速)

40-60(64-97):4.4秒(3速)/5.2秒(4速)/6.7秒(5速)/8.8秒(6速)

50-70(80-113):5.5秒(3速)/6.0秒(4速)/7.2秒(5速)/9.6秒(6速)/12.3秒(7速)

60-80(97-129):7.1秒(4速)/8.1秒(5速)/10.9秒(6速)/14.5秒(7速)

70-90(113-145):8.8秒(4速)/10.1秒(5速)/12.3秒(6速)/18.1秒(7速)

80-100(129-161):13.3秒(5速)

各ギアの最高速

1速:45.1km/h(6600rpm)
2速:77.2km/h(6600rpm)
3速:119.1km/h(6600rpm)
4速:167.4km/h(6600rpm)
5速:200.0km/h(6600rpm)
6速:200.0km/h(4789rpm)
7速(公称値):200.0km/h(3906rpm)

6速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):2205rpm/2520rpm

制動距離

テスト条件:湿潤路面/気温14℃
30-0マイル/時(48km/h):11.7m
50-0マイル/時(64km/h):30.8m
70-0マイル/時(80km/h):59.0m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:3.55秒

ライバルの制動距離

フォルクスワーゲン・ゴルフ 1.5TSIエヴォ Rライン
テスト条件:乾燥路面/気温24℃
30-0マイル/時(48km/h):8.4m
50-0マイル/時(64km/h):24.2m
70-0マイル/時(80km/h):47.8m

結論 ★★★★★★★☆☆☆

兄弟分のプロシードと同じく、Xシードもキアがブランド力向上への努力を続けていることを示している。多くの点で、このコンパクトな新型ユーティリティヴィークルはこの狙いに適っている。

スタイリングでは、自社の上級モデルであるスティンガーに似たマスクやプレスラインが与えられている。標準装備の内容は、驚くほど充実している。キャビンのデザインクオリティはますます高められた。かつての安物メーカーが抱いた高い志と決断には、敬意を示さずにはいられない。しかし、目指す高みにはまだ達していない。

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ルックスも走りも上々。ただし、実用性と洗練性には欠けるところがあった。

というのも、Xシードはいまだ過去のモデルにも見られたように路面のくぼみでよろめく。最新の400万円級のクルマなら、簡単に乗り越えてもらいたいところだ。

また、1.4Lの直噴ガソリンターボは、低負荷では静かで洗練されていると思わせるが、望んだほどのパフォーマンスやフレキシビリティは見出せなかった。

ハンドリングは安心感があって滑らかだ。しかし、本当に心惹かれるようなものではない。乗り心地は、スピードを上げれば良好なのだが、低い速度や荒れた舗装での走行時には苦戦する。

そうした欠点はまだあるが、Xシードは好ましく、ひとに勧めることができるクロスオーバーだ。もっとも、抜きんでているわけではない。

担当テスターのアドバイス

サイモン・デイヴィス

低速でのブレーキペダルのキャリブレーションはやや奇妙で、ブレーキは思ったより強く踏まないと、予想より前へ出てしまう。

リチャード・レーン

Xシードのエクステリアは、シード以上にキャラが立っているが、ほぼどこを見ても、ベーシックなハッチバックのシードの方が見栄えがいい。そうはいっても、個人的に選ぶならフォードフォーカス・アクティブXで決まりだが。

オプション追加のアドバイス

当然だと思われるだろうが、ベストバリューな仕様はエントリーレベルのグレードだ。価格の割には、装備が充実している。12.3インチディスプレイを用いたフルデジタルメーターはファーストエディションのみに標準装備され、下位グレードの計器盤には4.2インチもしくは3.5インチのインフォメーションディスプレイが備わる。

改善してほしいポイント

・シャシー性能が高いのだから、ステアリングフィールを改善しないともったいない。
・DCTには、もっと速くスムースなシフトを望みたい。
・1.4L直噴ターボには、もっとキャラクターとフレキシビリティがほしい。


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ロードテスト キア・Xシード ★★★★★★★☆☆☆