野菜食べる子供(yaoinlove/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

子供たちが通う園で提供される食事が、いきなりヴィーガン食に限定されたとしたら…。このほどある保育園がヴィーガンメニューに限定するという方針を発表したことから、保護者の一部が猛反発している。

■ヴィーガンメニューへの切り替え

このほど英国チェスターのある保育園が「1月より、当園では肉、魚、乳製品を含まぬ食事とスナックしか出しません」と発表。

これからは肉の代わりに豆を、また牛乳の代わりにココナッツミルクや豆乳などを用いて徹底するとのこと。この園に通う260人の子供たち(0歳から4歳)の全員が対象になるというが、親たちの反応は様々だ。

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■真っ二つに割れた意見

突然の方針変更を受け、多くの保護者は驚いたもよう。「こんなメニューを押し付けないで」「肉や魚が好きな子供たちにとっては、まさに差別的な待遇だ」という声が噴出している。

なかには「こちらの意見も聞かずに決めるなんておかしい」「こんなメニューで空腹が満たせるわけがない」という声もあがっているという。

その一方でこの方針を歓迎する親もおり、「ものすごくヘルシーで良いと思う」「家で野菜を食べるよう無理強いしなくてもすむからありがたい」という意見もある。

■強気の姿勢を示した園

「この方針を検討していたことは、何ヶ月も前から少しずつ伝えてあったはず」と園側は弁明。「これにより一部の子供たちが転園を決めたとしても、この園に来る子供たちの未来、そして環境のためにもヴィーガンメニューにする決断を覆す予定はない」とも断言している。

温室効果ガスの20パーセント近くが畜産業に由来しているというデータもあることから「環境にとっても良い決断だ」という経営者は、メニューについても栄養士としっかり話し合って決めてあるとコメント。「栄養の面でもまったく問題はない」とも強調している。

■世間の反応

この方針について報じられると同時に、世間からは「せめて保護者に選択肢を与えるべきではなかったのか」「自分が良いと信じる食生活を人に強いるのはおかしい」という声が噴出。

しかしヴィーガンは確実に増えているようで、「健康に良い食事を出してくれるのだから文句を言う筋合いはない」という声も決して少なくはない。

しかし野菜が嫌いで「どうしても食べることができない」という子供たちも必ずいる。そういう子供たちにとっては、耐え難い食事になるかもしれない。

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(文/しらべぇ編集部・マローン 小原

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