2016年大会の決勝フランス戦、負傷交代したC・ロナウドの“熱血指導”を回顧

 欧州選手権(EURO)2020本大会の組み合わせ抽選会が現地時間11月30日ルーマニアのブカレストで行われ、前回大会王者のポルトガルは“死の組”と言われるグループFに入った。欧州の祭典が迫るなか、米メディアは2016年大会での“名シーン”を回顧し、脚光を当てている。

 2016年にフランスで開催されたEUROでは、開催国のフランスポルトガルが決勝に進出。フランスは2000年大会以来の、ポルトガルは初の優勝を懸けて激突した。

 当時レアル・マドリードに所属していたポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドは先発出場したものの、前半のうちに負傷交代。決め手を欠いた両チームはスコアレスのまま延長戦に突入した。

 ピッチ上での貢献は叶わなくなったロナウドだが、ここから驚きの振る舞いを見せる。負傷した足を引きずりながらテクニカルエリアに現れると、フェルナンド・サントス監督も顔負けの激しい身振り手振りでピッチ上の選手たちを鼓舞。まさに“ロナウド監督”と形容したくなる姿を見せていた。

 するとポルトガルは延長後半4分、FWエデルが決勝点となるゴールを奪い、EURO初優勝を達成。ピッチから退いてもチームとともに戦い続けたロナウドの姿は、世界中で話題となっていた。

 そして今回、EURO2020本大会の組み合わせが決定し、ポルトガルロシアワールドカップ(W杯)王者のフランス、前W杯王者のドイツと同居する“死の組”ことグループFに入ったことを受け、米スポーツ専門局「ESPN」公式ツイッターは前回大会のロナウドの写真3枚を公開した。

フランスとの前回対戦では、ロナウドが監督になった! 次の6月はピッチで何をするか見てみよう」と綴り、興奮してサントス監督につかみかかる姿や、大きなジェスチャーで選手たちを鼓舞するロナウドを回顧。返信欄では「監督よりも試合に関わっていた」「無償のチアリーダー」「次はピッチでいいプレーを見せてほしい」と様々な声が寄せられた一方、「忘れ去られたエデル」「エデルはもっと称えられてしかるべき」と決勝点の英雄にスポットライトを当てるべきとのコメントもあった。

 ロナウドの例をはじめとして、過去には数々の激戦が生まれているEURO。来年の2020年大会でも新たなドラマが生まれることに期待したい。(Football ZONE web編集部)

ポルトガル代表でエースを担うFWクリスティアーノ・ロナウド【写真:Getty Images】