上川隆也主演のドラマ“佐方貞人シリーズ”の第4作となるドラマスペシャル「検事・佐方〜裁きを望む〜」(夜9:00-11:05、テレビ朝日系)が、12月26日(木)に放送されることが決定した。

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同作は「犯した罪はまっとうに裁かれなければならない」という信念を貫く、上川演じる硬骨の検事・佐方貞人の活躍を描く物語。

作家・柚月裕子の代表作“佐方貞人シリーズ”を原作に、これまで「ドラマスペシャル 最後の証人」(2015年1月放送)、「ドラマスペシャル 検事の死命」(2016年1月放送)「検事の本懐」(2016年12月放送)のドラマ3作を放送した。

今回描かれるのは柚月氏作の『検事の信義』所収の一篇『裁きを望む』。資産家宅で起きた空き巣事件に佐方が挑む。

また、同ドラマには、佐方の同期検事・庄司真生役の松下由樹、佐方を陰ながら支える筒井義雄役の伊武雅刀らおなじみのキャストも集結。 

さらに、佐方付きの検察事務官・小田薫を水崎綾女が、佐方を翻弄する被告人・芳賀渉を渡辺大がそれぞれ演じる。このほか、松尾貴史、利重剛ら俳優たちも登場する。

上川隆也コメント 

――第4弾が決定したときの、率直な感想は?

実は…待ちわびていました。柚月裕子先生が新作を書き上げられ、それをドラマとして演じられる日がいつ来るだろうかと、心待ちにしておりましたので、第4弾が決まったときは、ひそかに快哉を叫びました。

――上川さん自身が考える、佐方貞人とはどんなキャラクターですか?

彼の生き方はある意味、不器用です。これまでの3作で紐解かれたプロフィールから抽出すると、佐方は「罪はまっとうに裁かれるべき」という父親から受け取った言葉を決して手放さず、いまだに父の影を色濃く背負いながら歩いている男。

また、彼は後々、検事を辞めて弁護士へとキャリアを変えますが、検事時代の佐方は常にタイトロープのようなところを歩きながら、自らの職業に対する矜持を保っているように思えます。タイトロープを選んでしまうところが不器用だと思いますし、そこが同じ男として愛しい部分だと感じます。 

最新作では、法律の盲点を巧妙についた事件が描かれていきますが、佐方は周囲の反対を理解しながらも“法の上ではこれが正しい”という一点から、“ある結論”を出します。搦め手を使うなど、打つ手はいくらでもあると思うのですが、それを選ばないのが佐方。“法に愚直”であるところに、やはり愛しさを感じます。

――現場の雰囲気はいかがでしたか?

伊武さん、松下さんは前作から時間が経ったから何かが変わる、ということはまったくなく、再会してすぐ、これまでと同じ空気の中で芝居ができてとてもありがたかったです。

また、今回、新たに事務官として水崎綾女さんが入ってくださいましたが、彼女の空気はこれまでパートナーを務めてくださった方々とはまた違って、底抜けの明るさがありました。骨太なストーリーに柔らかな風をもたらしてくださいました。

――視聴者にメッセージをお願いします。

シリーズ4作目となりますが、これまでの作品と遜色のない、そしてまた、ひと味違った法曹ドラマをお楽しみいただけると思います。この作品は法曹ドラマですので、法廷シーンがクライマックスに来るのが定番です。しかし今回は趣が少し違います。法廷ではない場所で描かれる今回ならではのクライマックスこそが今回のみどころ。

それは、やはり“愚直なまでに検事である”佐方だからこそ…。ぜひそこを楽しみにしていただきたいです。

■ ドラマあらすじ

2019年5月、米崎地裁、第1回公判―。米崎地検の公判担当検事・佐方貞人(上川隆也)は、ある空き巣事件についての冒頭陳述を行っていた。

その事件とは、大手不動産会社「GOKO ESTATE」前社長・郷古勝一郎(津嘉山正種)の通夜の晩、郷古家に男が侵入し高級腕時計を盗んだというものだった。物音に気づいた長男・勝哉(池内万作)らに現行犯で取り押さえられたのは、亡き勝一郎が30年前、元秘書・芳賀明美(石野真子)との間にもうけた“婚外子”、芳賀渉(渡辺大)だった。

防犯カメラ映像には、裏の壁を乗り越えて侵入する渉の姿が映っており、時計が入っていた書斎の引き出しにも渉の指紋が付着。当の渉も郷古家に侵入したことを認めており、状況証拠や証言、すべてが有罪を示していた。

なにより、この事件の起訴を手がけたのは東京地検特捜部への栄転が内定している米崎地検刑事部のエース・庄司真生(松下由樹)で、落ち度などあるはずはないと思われていた。

ところが突如、法廷で渉が「俺は、やっていない!」「あの腕時計は父から譲り受けたものだ。郷古家のやつらにハメられた」と声を張り上げたのだ。渉は、盗んだとされる高級腕時計は、都内のホテルで生前の勝一郎から譲渡されたものだと主張。

しかし、逮捕されたショックで記憶がぼんやりしており、譲り受けた日にちや詳しい場所も思い出せないと話す。起訴してくれといわんばかりの不利な証拠を現場に残し、有利な事実を忘れたと言い張る渉の言動は明らかに不自然であり、まるで自ら“裁きを望んでいる”かのように思える…。

彼の狙いは何なのか、佐方は疑問を抱きながらも、真実を求めて補充捜査を開始する。しかし、もし渉が無実であったならば、いわゆる“問題判決”となり、真生の栄転も白紙に戻ってしまいかねない。はたして、事件の裏に潜む、驚くべき真相とは。

四十九日法要を終え、勝一郎の遺言書を開示した郷古家では、一族を揺るがす衝撃の事態が発覚。郷古家から糾弾された佐方は、ついに辞職の危機に立たされ…。(ザテレビジョン

「検事・佐方〜裁きを望む〜」が放送される