2019年11月16日、女優の沢尻エリカ容疑者(33)が合成麻薬MDMAを所持していたとして逮捕されました。2020年期の大河ドラマの主要キャストに起用されるなど順調に女優業をこなしている最中での逮捕は世間に衝撃を与えました。

川口春奈
川口春奈写真集「restart(仮) (TOKYO NEWS MOOK)
 沢尻容疑者が逮捕されてから、「織田信長の妻を演じるのは誰か?」とキャスティングの予想合戦が繰り広げられるなど注目が集まりましたが、先日、川口春奈さん(24)に決定し、NKHは10話分の撮り直しが行われることを発表。特有の所作などが求められる時代劇で、川口春奈さんのパフォーマンスに期待がかかります。

 そこで今回は、これまでに代役に抜擢され、結果を残した俳優5名を紹介いたします。

1)ピエール瀧→三宅弘城:『いだてん』

三宅弘城
※画像は公式サイトより
 2019年1~12月放送の大河ドラマで、中村勘九郎さん、阿部サダヲさんらが出演する『いだてん~東京オリムピック噺』(NHK総合)。宮藤官九郎さんが脚本を担当し、1964年東京オリンピックが実現するまでの日本人の「泣き笑い」が刻まれた激動の時代を描いた物語ですが、笑えない事態となったのは2019年3月。

 主人公の陸上選手・金栗四三(演:中村勘九郎さん)が信頼を置く足袋職人の黒坂辛作を演じていたピエール瀧さん(52)が麻薬取締法違反で逮捕され、代役を立てざるを得ない事態となりました。

 代役に起用されたのは、実力派俳優の三宅弘城さん(51)。同作にも出演している松尾スズキさんが主宰し、宮藤官九郎さんや阿部サダヲさんと同じ大人計画所属の知る人ぞ知る名優。ロックバンドグループ魂」のドラム担当としてご存知の方も多かったのではないでしょうか。

 これまでに映画『木更津キャッツアイ』『中学生円山』といった宮藤官九郎作品にも出演してきており、起用が発表された際にはツイッターで“クドカンファミリー俳優”がトレンド入りするなど、大きな話題となりました。

2)大杉漣→杉本哲太:『相棒』

杉本哲太
※画像は公式サイトより
 2018年2月に急性心不全のため急逝した大杉漣さん(享年66)。亡くなる直前まで元気な姿を見せていたため、多くの人が衝撃を受けました。

 大杉さんはテレビドラマ『相棒』のシーズン15より、警視庁副総監・衣笠藤治役で出演しており、亡くなる直前までシーズン16の撮影に参加していました。出演シーンは一部分のみ撮り終えていたため、テレビ朝日は代役を立てて台本通りに撮影を行うことを発表。代役に起用されたのは杉本哲太さん(54)。

 杉本さん主演映画での共演経験をはじめ、数々の作品を共にしてきた深い仲で、大杉さんのことを俳優として「指標とすべき存在」としていたとのこと。

 杉本さんが代役となった回を見た視聴者からは「大杉漣の雰囲気を壊さないように演じてくれる杉本哲太に脱帽」「杉本哲太さん大杉さん意識したしゃべり方だなあ」「哲太さんの中に漣さんの面影を見る」など絶賛の声が上がっていました。

3)新井浩文→やべきょうすけ:『今日から俺は』



 2019年2月、自宅へ呼んだ出張マッサージ店の女性店員に性的暴行を加えたとして芸能活動を休止した元俳優の新井浩文被告(40)。公開を待機していた映画や、放送中のドラマが延期や中止に追い込まれる事態となり、ネット配信などが開始されていた作品を含めると、130以上もの作品に影響が出たとも言われています。

 その中で、ドラマ今日から俺は』(日本テレビ)は、やべきょうすけさん(46)を代役に立てることを発表。本作は累計発行部数4000万部を超えた人気漫画のドラマ化で、今をときめく賀来賢人、伊藤健太郎橋本環奈らが出演していました。

 やべさんは映画『クローズZEROシリーズへの出演で人気を博し、「チンピラを演じたら右に出る者はいない」と評価されている俳優。俳優業のみならず、プロデューサーや演出家としても活躍する才能溢れる注目株です。騒動が起きた時点で放送は終了していましたが、新井被告はゲスト出演で登場シーンもわずかだったことから、DVDネット配信のために再撮影が行われました。

4)小出恵介→玉山鉄二:『Jimmy』

玉山鉄二
※画像は公式サイトより
 明石家さんま企画・プロデュースで、若かりし明石家さんまさんとジミー大西さんの出会いを描いたNetflixオリジナルドラマ『Jimmy~アホみたいなホンマの話~』。明石家さんま役を小出恵介さん(35)、ジミー大西役を中尾明慶さんが演じることで話題となっていました。

 しかし、世界同時配信を1か月後に控えた2017年6月。小出恵介が未成年少女と飲酒や、不適切行為に及んでいたという報道がなされ、ドラマの配信が中止になる事態が発生。この騒動後、小出さんは芸能活動の無期限謹慎を発表。このドラマを含め、出演する全4本のドラマ・映画が中止や延期となりました。

 小出さんの代わりに明石家さんま役を演じることになったのは、玉山鉄二さん(39)。実は元々、さんま役は玉山さんにオファーをしていたそうですが、「荷が重い」という理由で出演を断っていたとか。

 明石家さんまさんはドラマの完成披露イベントで「玉山くんが『俺の責任だ。俺が引き受けていたらあんなことにならなかった』という反省をし、今回引き受けてくれました」と、代役決定の経緯を明かしています。

 新たなキャスティングで配信が開始したのは、配信中止の約1年後。紆余曲折ありましたが、最初にオファーを受けていた玉山さんが演じることになるとは、どこか運命的なものを感じます。

5)天海祐希→宮沢りえ:『おのれナポレオン』



 2013年に行われた舞台『おのれナポレオン』。三谷幸喜さん作・演出、野田秀樹さん主演で、公演前から話題を集めていた舞台です。しかし、ヒロイン役を務める天海祐希さん(52)が初日の数日前に心筋梗塞で倒れ、舞台を降板することなってしまいました。

 即座に代役は宮沢りえさん(46)に決定し、わずか2日半の稽古にもかかわらず、ノーミスで4公演を完走。アドリブも華麗にこなし、公演後のスタンディングオベーションは5分間鳴り止まなかったほどで、観客からは「完璧」「伝説の舞台」と絶賛する声が上がりました。

 野田さんは「わずか2日間の稽古で舞台に立つことを英断してくれた男らしさに感謝します」とコメント。そして、三谷さんも「ボクにできることは、天海さんと必ずまた舞台をやること。宮沢さんに今回のお礼に芝居を書くこと、それくらいしか思いつきません」とコメントを出しています。

 子役、アイドル時代を経て、演技派女優となった宮沢りえさん。「時間がないのにアイドルあがりにできるのか」という厳しい声を吹き飛ばして見事に演じきり、伝説を残しました。

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 以上、代役に抜擢され結果を残した俳優5名をご紹介いたしました。思いもよらぬ出来事による代役起用の裏には、作品に関わる大勢の人々の苦労や決断があるはず。

 俳優たちのプロ意識が垣間見れる瞬間でもある“代役”という機会を見ることは、見る側のわたしたちにとって新たな発見になることでしょう。

TEXT/るしやま>

【るしやま】

映画業界でもがく20代女子。映画とテレビと塩辛で構成されてます。

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