イソップ童話「金の斧」を、「中学二年生向け」として描いた漫画がある意味とても中二向けです。まず、泉から出てくる女神様からしオッド・アイで、中二病患者のハートをがっちりつかんできます。

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 漫画は木こりが誤って泉に斧を落としてしまう場面から始まります。女神様が出てきてどんな斧を落としたか聞いてくるくだりまでは元ネタと同じなのですが、質問内容が「龍骨の頚切痕(ドラク・ノーヘン)」か「聖斧フリーデブリング」という、響きが荘厳すぎる2択。木こりの中二心をいい感じにくすぐってきます。

 ドラク・ノーヘンは龍骨に唯一傷をつけたといわれる斧、聖斧フリーデブリングはけがれをはらう性質を持ち、その高潔さゆえに返り血すら拒むほど――。作り込まれた設定を女神がいちいち「読みはドイツ語から来ています」(響きがそれっぽいだけで、意味との関連性はないもよう)と言いながら説明するたびに、「ドイツ語……!」「ドイツ語……ッ!!」と心を奪われる木こり。それでも彼は元ネタ通りの正直者で、「木こりに必要な斧は龍狩りの斧でも聖なる斧でもなく、木を切る斧なのです」と言い切ります。

 そして、木こりが正直に告げた愛用の斧の名は、“世界樹を断つ斧”「弧を描く地平線(ワール・クーゲル)」……! あまりの壮大さに、女神も「超えてきやがった」と感心してしまうのでした。やたらものものしい斧が次々出てくるだけで漫画は終わってしまったけれど、かっこいいからそれでいい。

 「ドイツ語はひきょう」「“世界樹を断つ木こり”とか、かっこよすぎる」「斧が全部アシンメトリーなのもポイント高い」などと、読者の中二心までガッチリつかんだこの漫画。作者のガリバーさんは、続けておまけ漫画を公開し、女神様がかつて異界の中二病少女だった過去を明かしています。もともとやべーやつだった。

作品提供:ガリバーさん

タイトルの装飾も、みやげものの「龍が剣に巻き付いたキーホルダー」っぽくて良い