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  • 温暖化の影響により、アメリカ国内で年間約2万5000人の新生児が早産で生まれていることが判明
  • 1日ごとの出生率を調査したところ、気温32度以上の日の出生率はそれ以下の日と比べて5%増加していた

正常な妊娠期間は「十月十日」と言われますが、妊娠22週〜37週の間での分娩は「早産」となります。

早産で生まれた新生児は、産後の健康不良のリスクが高く、幼児期の認知機能も低くなる傾向が指摘されています。

これを考慮すると、さらに心配なニュースがこのほど報告されました。

カリフォルニア大学の経済学者アラン・バレカ氏とケンブリッジ大学のジェサミン・シャラー氏の研究により、温暖化が原因で、通常の妊娠期間より短く生まれている新生児が急増していることが判明したのです。

研究の詳細は、12月2日付けで「Nature Climate Change」に掲載されました。

アメリカで年間2万5000人が早産に

両氏は、アメリカにおける1969年から1988年までの出生率と気温データをもとに、気温の高い日(摂氏32度〜)に生まれる早産の新生児がどれだけ増えているかを調査しました。

調査データは、延べ5600万件の出産におよび、出生率を気温の高い日とそうでない日に分けて、1日ごとに分析しています。その結果、アメリカ国内では、32度を越える日に出産率が5%増加していることが判明しました。

具体的には、年間およそ2万5000人の新生児が早産で生まれており、妊娠期間の短縮日数は最大で2週間、トータルで算出すると約15万日におよんでいたのです。

バレカ氏は「近年の猛暑日の増加傾向を考慮すると、現在ではさらに早産児が増えている可能性が高く、国レベルでの対処が必要だ」と指摘します。

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妊娠期間が数日短くなることで、健康上の被害が必ず生じるわけではありませんが、それでも早産は、健康機能や認知能力の低下を引き起こす可能性が高いのです。

こうした傾向はアメリカだけでなく、イギリスでも見られ、年間6万人が早産で生まれていることが判明しています。

温暖化は日に日に深刻化しており、このまま悪化し続ければ、ハリケーンや台風、森林火災、熱波のた多発のみならず、早産児も急増するかもしれません。

バレカ氏は「今世紀の終わり(2080–2099)には、アメリカ国内で年間トータル25万3000日の妊娠期間の減少が見られ、約4万2000人の新生児が早産となる可能性が高い」と論文内で述べています。

温暖化は、すでに存在する人だけでなく、まだ生まれていない人にも被害を与えているのです。

温暖化により「妊娠期間」が短くなっていることが判明 早産は認知機能の低下原因に