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 暗くて寒い冬の季節になると気分が落ち込むことも多くなるが、どうやらそれは人間だけではないようだ。

 ロシアの牛は、冬季になるとうつ病に陥りやすく、感情が不安定になり、乳量も減少することがこれまでの調査で明らかとなっている。そこでモスクワ地域の農業行政省は、特定の農家を対象にある実験を開始した。

 牛にVR(仮想現実ゴーグルを装着させ、明るい太陽と広大な草原を映し出すことで、牛の気分を向上させ、乳量を増加させるというのだ。

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牛の頭の形に合わせた特別なVRゴーグルを開発

 乳量を上げるためには、牛の気分を上げなければならない。そこで飼育下の牛たちの不安を軽減させ、乳生産を促進するために最新テクノロジーの導入を試みた。

 それは、牛の頭の形に合わせて特別にデザイン・開発されたVR(仮想現実ゴーグルを牛に装着させるというもので、その開発にあたっては、研究者らが農家や獣医と密接に協力し合い、デバイスが牛の使用に適していることを確認するために牛の視覚研究を行った。


 研究では、牛は赤色を知覚することに長けているが、緑と青の認識力が弱いということが判明したため、VRの専門家はVRゴーグルを牛の視覚に合わせて調整・改造したそうだ。

 研究者らは、その特別なゴーグルをモスクワ郊外ラメンスキー地区にあるラスモロコ農場で飼育されている群れの牛1頭1頭に装着し、実験を行った。

 VRゴーグルには、曇りや雨の日など天候が悪い日に牛が感じやすいストレスを軽減するために、よく晴れた夏日の広大な草原が映し出されている。

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Image by tawatchaiprakobkit/iStock

果たしてVRゴーグルの効果は?


 ”牛にVR”なんて”猫に小判”、はたまた豚に真珠”なのでは?と思われがちだがそれがそうでもなさそうだ。

 実験の結果を伝えた地元メディアによると、最初のテストでは「群れの不安が軽減され、全体的に感情が向上した」そうだ。

 現時点ではまだ実験段階のため、今後も更なるテストが実施される。

 VRが牛の乳生産性にどのような影響を及ぼしているのかということも調べられる予定だが、これらの実験結果でラスモロコ農場の牛たちに前向きな効果が見られれば、研究者らは「牛用VR」として、このVRゴーグルロシア全土に流通させる可能性もあるという。

異なる国の酪農場では、穏やかな雰囲気の状況下で牛の乳量や、時にその品質さえ著しく増加することが示されています。ロシアでも、そのような肯定的な効果が出るかどうかを確認するために、実験を続けていく予定です。(研究者)

仮想現実による悪影響はないのか?

 だが、VRゴーグルを装着された牛の副作用大丈夫なのだろうか。

 VRゴーグルで夏の草地を見たとしても、その草を食もうとすると、実際にあるのは冬の固い地面に生えた草のみだ。

 目前に広がる光景とのギャップを体験してしまった牛が失望し、より一層感情が不安定になってしまうのではという懸念の声も一部ではあるようだ。

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Image by tilo/iStock

 今はまだ、VRゴーグル効果で牛乳生産の改善に繋がったという報告はまだ出ていないが、研究者や酪農家たちは、テクノロジーを使用した飼育結果に期待しているようだ。

 なお過去には、牛のストレスを抑え、乳の生産性を高めるために、牛たちが落ち着けるようなクラッシック音楽を流しながら飼育しているという酪農家もあったことが伝えられている。

References:UNILADなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52285197.html
 

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