ジャングル・ブック』(16)で主人公の少年以外、背景も含めてフルCGでつくり上げたジョン・ファヴロー監督。そんな彼が、今度は主人公もCGで製作、最新のバーチャル・リアリティ(VR)技術を駆使して1994年の名作アニメーションを“超実写化”した『ライオン・キング』。歴代7位となる全世界興収16億5000万ドル超(Box Office Mojo調べ 12月3日時点)の大ヒットを記録した。

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監督がいかにアニメーション版をリスペクトし、“超実写化”に挑んだのか。12月4日(水)に発売されるMovieNEXにはその驚きの舞台裏が収録されている!

■ メイキングで知るフルCGサバンナ世界のつくり方

「新たな技術やツールを開発することも映画づくりの醍醐味」と語る監督は、本作で最新鋭のVRツールを撮影に採用。半径150㎞に及ぶVRのサバンナをCGでつくり、そこに動物たちを配置。VR用のヘッドセットを装着した監督やカメラマンがその世界に入り、360度どこからでも撮影できるようにした。さらに、「TVゲームで育った今の世代はデジタル加工された画像に敏感」と語る監督は、どうすれば実写のように見えるかを考え抜き、自然ドキュメンタリーの手法を研究。あえてアップではなく、遠くからのショットを多用することでリアルさを表現した。

 

■ 監督の音声解説で明かされるリスペクトゆえの試行錯誤

フルCGでサバンナをつくるため、アフリカでのロケハン中に写真をたくさん撮影した監督。94年のアニメーション版に着想を与えたという場所も訪れた監督は、同作を踏襲しつつ、実際のサバンナの風景に似せて王国をつくり上げた。本編冒頭の生まれたばかりのシンバの下に動物たちが集まるシークエンスをオリジナルのアニメーションとほぼ同じ絵づくりにしたのは、94年版へのリスペクトゆえ。子供のシンバやナラらによる「王様になるのが待ちきれない」のミュージカル・シーンは、94年版ではコミカルなファンタジー色の強いシーンだったため「リアリティを追求する本作の雰囲気を壊さず再現するにはどうすればいいか悩んだ」という。結果、数多くの動物を登場させることで94年版がもつ色彩の豊かさと躍動感を表現した。また、監督は何か迷ったことがあると、94年版に続いて本作でも音楽を手掛け、そのスピリットを熟知するハンス・ジマーに相談していた。

 

■ アニメーション版とのセットも同時発売

第67回アカデミー賞で作曲賞&主題歌賞に輝いたアニメーション版と“超実写版”をセットにしたMovieNEXコレクション(8000円)も12月4日(水)に発売。2020年1月31日(金)までの期間限定生産だ。(Movie Walker・文/サードアイ【DVD&動画配信でーた編集部】)

叔父であるスカーに父ムファサを殺され、王国を追われるシンバ