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soulintact/pixabay

 ここ最近インスタグラムで謎のブームとなっている「肛門日光浴」。読んで字のごとく、肛門を直接太陽の光に当てるという日光浴だ。30秒の肛門日光浴で、1日中全身で日光を浴びるのと同等のビタミンDが吸収できると主張するインスタグラマーが現れ、次々とこの日光浴を試す人が続出しているという。

 太陽のビタミンとも呼ばれるビタミンDは、皮膚が直射日光に当たることで体内で生成され、骨の生育に必須な血中のカルシウム濃度を高める作用のほかに、免疫作用を高めたり、さまざまな病気の予防効果があることがわかっている。

 だが本当に肛門日光浴で効率的にビタミンDを吸収できるのだろうか?一連の投稿写真と共に、専門家の意見を見ていこう。

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インスタグラムで話題の健康法

 発端となったのは、呼吸法を取り入れた健康法をアメリカのカリフォルニア州で教えている、ホリスティック教育者トロイ・ケイシーさんだ。

 彼はインスタグラムで、自身が肛門日光浴実践していることを報告し、「肛門の粘膜に照射される30秒の日光浴は、服を着た状態で1日中太陽の下にいるのと同じ」と主張した。


 これに賛同したのが、カリフォルニア州在住の健康愛好家のミーガンという女性だ。彼女が「会陰日光浴(perineum sunning)」日光浴する写真をシェアすると、ツイッターで拡散し大反響を呼んだ。


 ミーガンさんは、大自然の岩の上で仰向けになってつま先を両手で持ち、太陽にお尻を晒すポーズや、ヨガのポーズなどを全裸で披露。当然、かなりきわどい写真となっているが、本人はピュア健康法を実践しているだけだ。


 自称“ヒーラー”のミーガンさんは、肛門を5分間太陽に晒すことから毎日を始めるようになってしばらく経つというが、とてもエネルギッシュな気分になり、劇的に睡眠が改善され、朝のコーヒーも断つことができたと話している。

 自身の健康法をシェアしているミーガンさんだが、「肛門を日焼けさせないように注意して」「肛門日光浴をするなら朝7時~9時の間がベスト」とフォロワーに注意喚起やアドバイスも忘れない。この大反響を呼んだ投稿のおかげで、ミーガンさんはインスタグラムのフォロワーを新たに8000人も獲得したようだ。


斜め上の健康法にネット上では様々な声


 良い悪いは別として、この斜め上をいく健康法には多くの人が注目し、様々な声を寄せた。

・思いっきり笑った。

・まぁうつ病にはよさそうだけどね…。

・別にここまでしなくても普通に日光浴でいいんじゃない?

・今まで見た中で、最も卑猥なヨガの姿だ。

・隣人に見られたらどうすんの。なんか近所同士の関係が悪くなりそう。

・これって、うちの猫がよくやるポーズ…。

・本当に効果的なの?誰か科学的に証明して。

「科学的根拠はない」と医療専門家ら警告

 肛門日光浴がインスタグラムで拡散すればするほど、気になるのはやはりその効果だろう。

 アメリカのニュージャージー州にあるラトガース大学の栄養科学者ジョシュア・ミラー氏は、次のように説いている。

お尻に少し太陽を当てると思うこと自体は特に奇抜ではないでしょう。日光に晒される皮膚領域が増えると、単位時間あたりに合成されるビタミンDは増えます。

背中を太陽にあてると皮膚の表面積が比較的大きくなります。従って、手と顔だけを日光に晒すよりも1分あたりのビタミンD合成は多くなる可能性があります。

しかし、肛門日光浴が健康にいいことを示す科学的根拠はありません。


 ミラー氏いわく、日光浴の効果というのは場所や時間、年齢や肌の色、季節などにより異なるため、どのような日光浴がビタミンDを効率的に摂取することができるのかということは一概には言えないそうだ。

 また別の医療専門家は、続々と肛門日光浴を投稿するインスタグラマーらに対し、「真似をするのは危険」と警告を促している。

このような日光浴が体にいい効果をもたらすという証拠はありません。確かに、マインドフルネスと瞑想を実践し、ビタミンDを摂取することは精神的には有益でしょう。しかし、日光に晒して皮膚を傷つける必要は全くないのです。

裸で大股開きして、30秒肛門を日光に当てても、睡眠改善や性欲増強、創造性向上といった医学的効果があることは、科学的には証明されていません。


 何事も「ほどほど」という言葉があるが、専門家らによると、日光浴も週5分~30分程度で十分なのだそうだ。それ以上の日光浴は、かえって皮膚がんのリスクを高めることになるという。

 国立環境研究所の調査によると、ビタミンD生成に要する日照時間地域によって異なり、冬の場合、札幌は筑波(つくば)の3倍以上の日光浴が必要になるという。

References:Inverseなど / written by Scarlet / edited by parumo

全文をカラパイアで読む:
http://karapaia.com/archives/52285247.html
 

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