中国はかつて「世界の工場」として君臨し、製造業の牽引のもとで高い成長率を実現した。現在、一部の企業は人件費が高騰している中国からベトナムなどの東南アジアへと生産拠点を移転させており、中国は経済構造の転換を迫られている。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、ベトナムの近年の経済成長は目を見張るものがあると主張する記事を掲載し、急激な成長を続けるベトナムは「次の日本」になれるのだろうかと問いかける記事を掲載した。

 記事は、ベトナムの国内総生産の現時点における規模はアセアン諸国のなかでは「中程度」にとどまっているとしながらも、「潜在成長力は極めて大きい」と指摘し、その理由の1つとしてベトナム人の「勤勉さ」を挙げた。ベトナム人が真面目で勤勉であることは日本でも広く知られているが、「日本人も残業を厭わない勤勉さを発揮し、自国を経済大国にまで成長させた」と主張し、ベトナム人も同じような勤勉さを持っていると指摘した。

 さらに、ベトナムは人口がまもなく1億人を突破すると見られており、国土も決して小さくないと主張。国にとって人口は非常に重要な資源であり、ベトナムが「安価で勤勉な労働力」という強みを存分に発揮できれば、「日本の高度経済成長のような急激な発展を再現することは可能であろう」と主張した。

 一方、ベトナム経済にとっての不安要素は「経済成長の質がかつての日本ほど高くない」ことだとし、日本は経済成長とともに科学技術力も向上させたが、これは日本に戦前から一定の工業力があったためだと指摘。一方、現在のベトナムはまだ農業国という立場であり、今まさに工業化が行われている段階であると主張し、「ベトナムがかつての日本のような成長を実現するのは可能かもしれないが、『次の日本』になれるかといえば、難しいそうだ」と主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

経済成長著しいベトナムは「次の日本」になれるのか=中国メディア