ハロー!プロジェクトのアイドルグループ・モーニング娘。'19が5日、東京・国立代々木競技場 第一体育館で『モーニング娘。'19コンサートツアー秋 〜KOKORO&KARADA〜FINAL』を開催した。9月の神奈川ハーモニーホール座間での公演を皮切りに、全国20都市39公演を巡ったツアーを経て、単独初となる代々木の大舞台へと立ったグループであるが、リーダーの譜久村聖は1万1000人の観客を前に「ツアーを通して自分たちの色んな可能性も見つけられました。来年も見たことない景色を味わえるように」と決意を示した。

【写真】モー娘。秋ツアー千秋楽公演の模様

 開演前にはオープニングアクトとして、イベントなどのMCを通してハロプロにゆかりのあるお笑いコンビ・上々軍団や、今年8月に“ハロプロ初の令和デビューグループ”としてメジャーデビューして以降、勢いをみせる後輩グループ・BEYOOOOONDSも登場してステージを盛り上げた。

 オープニング映像では6月に加入した15期メンバーの山崎愛生、岡村ほまれ、北川莉央の3人から譜久村まで、世代をたどるように各メンバーを紹介。公演は、来年1月発売のシングルに収録される「KOKORO & KARADA」から始まり、曲中では小田さくらと譜久村のファルセットが場内へ響き渡った。

 そこから早くもたたみかけるかのように、上下3段に分かれたメインステージ上でピラミッドのような隊列をなして披露したのは「人生Blues」。続く「負ける気しない 今夜の勝負」ではメンバーからの「Say!」という煽りに客席は歓声で応え、なおも「青春Say A-ha」や「わがまま 気のまま 愛のジョーク」とライブの定番曲へ繋がる流れを受けて、会場は早くも熱気を高めていった。

 MCでは、譜久村の第一声に続きサブリーダーの石田亜佑美がツアー最終日であることから「FINAL!」と声を上げると客席からは大歓声が。全員でライブ・ビューイング会場などで見守るファンに向けてカメラ目線を送ったのち「すべてのみなさんを愛の力で引っ張りますので、付いてきてください!」と鼓舞した。

 そして、グループは再びパフォーマンスへと戻り「ジェラシー ジェラシー」の曲中では石田、野中美希と続くラップパートを合図に、メンバーたちはメインステージから会場中央に設置されたサブステージへ。続く「シャボン玉」では譜久村の歌に会場が「みずきだけ!」と呼応して一体感を増した。

 いったん静けさを取り戻したメインステージでは、横山玲奈を仕切り役として、加賀楓森戸知沙希、山崎、北川、岡村によるトークを展開。話題は「今年うれしかったことや小さな幸せ」に及び、山崎は「加入をきっかけに北海道から上京して、転校のときに学校の先生や同級生が大好きなパンダさん柄のトランプに一人ひとりがメッセージを書いてくれました」とエピソードを報告。岡村が「初めてウニを食べたんですけど、まだちょっと早いかなって…」とはにかむと、加賀は「大丈夫。20歳になっても食べられない人がここにいるから」と話し客席の笑いを誘った。

 その後、世代ごとのユニットによるパフォーマンスを披露するコーナーとなり、譜久村やサブリーダーの生田衣梨奈、石田、佐藤優樹、小田からなる9期〜11期のメンバーたちが、グループの歴史を物語る一曲「抱いてHOLD ON ME!」を歌い上げ、続く「私の時代!では、野中、牧野真莉愛羽賀朱音ら12期メンバーがサブステージをめいっぱいに使いキュートに展開。

 加賀・横山・森戸の13期〜14期メンバーはギターサウンドが耳元に強く残る「Rockの定義」を披露し、15期メンバーの山崎、岡村、北川による「先輩!」の一言からスタートした「好きな先輩」では、曲中でメンバーそれぞれの名前を叫びながら、客席が初々しいパフォーマンスを温かく見守っていた。

 そして、サブステージに二筋のスポットライトが照らされると、赤いドレスをまとう佐藤と青いドレスをまとう野中の連弾によるピアノの演奏から始まる「雨の降らない星では愛せないだろう?」を全員で披露し、続けてグループに歌い継がれる一曲「ザ☆ピ〜ス!」を歌い上げた。

 メインステージ上でみたび繰り広げられたトークでは、佐藤が「本番前、床でピアノを練習していたら、あゆみが『まー』って声をかけてくれて」と明かすと、石田が「よく頑張ったね」と頭をなでる一幕も。小田が「15期は今回初ツアーだったけど、(ユニットのコーナーで)サブステージに3人だけが立っているのを見て泣きそうだった」と先輩としての気持ちを伝えたのを受けて、生田が「私たちもそんな時代があったよね」と話しながら、譜久村と顔を合わせつつ思い出をしみじみと振り返っていた。

 そして後半、譜久村の「(2曲とも)メロディは同じながら、歌詞やダンスがまったく違うというのは初めての試みでした」という説明で始まったのは、この日初披露となった来年1月発売の最新シングルの収録曲である「LOVEペディア」と「人間関係No way way」。立て続けに「One・Two・Three(updated)」「I Surrender 愛されど愛」を歌い上げ、佐藤の「ラストナンバー!」という雄叫びを皮切りに力を増した「What is LOVE?」をもって本編を締めくくった。

 やがて、しばらく続いた客席からのアンコールを受けて、ふたたびメインステージへ戻ってきたメンバーたちは曲中のハーモニーが目立つライブでの新曲「Hey! Unfair Baby」を披露し、この日の感想を述べた。

 ツアーの経験での経験を振り返りつつ「14人で今日のステージへ立てたのがうれしかったです」と話した岡村は「ファンのみなさんが助けてくださって」という一言と共に声をつまらせ、「モーニング娘。の一員になれてすごく幸せ」と涙ながらに吐露。その仕草に目をわずかにうるませた小田は「ネットで動画なども観られる時代ながら、会場へ足を運んでくださるというのはおそらく最終目的地ですよね」とファンへの感謝を独自の視点から伝え、加賀は「先輩の立場になって、ツアーへの取り組みが変わりました」とみずからの成長に思いを巡らせていた。

 その後、「青春Night」や「ブラボー!」を経てこの日の公演は終了。のべ29曲を歌い上げたメンバーたちはみな、ファンたちで埋め尽くされた会場を見上げながらステージを跡にした。

 なお、この日の公演は前日のJuice=Juice公演同様、スマートフォンでの撮影を試験的に解禁。SNSには観客によって投稿されたライブ画像が投稿され、「#morningmusume19」がトレンド1位を果たした。

 12月31日にはハロプロカウントダウンコンサートを中野サンプラザで開催。来年はモーニング娘。'20となり、1月2日からは、毎年恒例のハロプロ冬公演で全国7都市を巡る。1月22日には68枚目のトリプルA面シングル「KOKORO & KARADA/LOVEペディア/人間関係 No way way」を発売する。

モーニング娘。'19 コンサートツアー秋 〜KOKORO&KARADA〜FINAL』セットリスト
1.KOKORO&KARADA
2.人生 Blues
3.負ける気しない 今夜の勝負
4.青春 Say A-HA
5.わがまま 気のまま 愛のジョーク
6.ジェラシー ジェラシー
7.シャボン玉
8.自由な国だから
9.ロマンスに目覚める妄想女子の歌
10.抱いて HOLD ON ME!(譜久村、生田、石田、佐藤、小田)
11.私の時代!(野中、牧野、羽賀)
12.Rock の定義(加賀、横山、森戸)
13.好きな先輩(北川、岡村、山崎)
14.雨の降らない星では愛せないだろう?
15.ザ☆ピ~ス!
16.HOW DO YOU LIKE JAPAN? ~日本はどんな感じでっか?~
17.ブレインストーミング
18.女が目立って なぜイケナイ
19.Tokyo という片隅
20.直感 2 ~逃した魚は大きいぞ!~
21.ドッカ~ン カプリッチオ
22.LOVE ペディア
23.人間関係 No way way
24.One・Two・Three(updated)
25.surrender 愛されど愛
26.What is LOVE
アンコール
27.Hey! Unfair Baby
28.青春 Night
29.ブラボー!

『モーニング娘。'19 コンサートツアー秋 〜KOKORO&KARADA〜FINAL』の模様