ロイター通信によると、中国のアリババ集団などから出資を受けている自動運転開発会社の「オートX(AutoX)」が、米カリフォルニア州でセイフティードライバーが乗車しない公道試験走行の免許を申請したという。

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オペレーターが遠隔で運転を監視

 自動運転の試験走行は通常、ソフトウエアが何らかの異常を検知したり、運転席に座っているセイフティードライバーが不具合に気づいたりしたときに、マニュアルに切り替える。しかし、オートXの車両では、その役割を遠隔のオペレーターが担うという。

 オートX2016年に設立された、香港とシリコンバレーに拠点を置く企業。ロイターによると、これまでに中国の東風汽車集団やアリババ集団などから1億4300万ドル(約155億円)の出資を受けている。

 同社はドライバーなしの配達車や「ロボ・タクシー」とも呼ばれる無人配車サービス用の車両を開発しており、深センや上海、カリフォルニア州サンノゼで試験走行を実施しているという。

グーグル系のウェイモに次ぐ自動運転開発企業に

 もし、今回申請した免許が交付されれば、オートXは米グーグル系の米ウェイモに次ぐ自動運転開発企業となり、ウェイモに対する初の挑戦者になるとロイターは伝えている。

 ウェイモのジョン・クラシク最高経営責任者(CEO)は今年(2019年10月、セイフティードライバーが乗車しない配車サービスを米アリゾナ州のフェニックスで始めたことを明らかにした。

 この無人運転サービスを利用しているのは、ウェイモと秘密保持契約を結んだ数百人。このためサービスに関する情報は公表されていない。彼らがソーシャルメディアなどで情報を共有することも禁止されている。そして今のところ試験サービスという位置付けだ。

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 これに対し、ウェイモが本格的に展開しているのは、「ウェイモ・ワン(Waymo One)」と呼ぶ、セイフティードライバーが乗車するサービス。これは利用者から運賃を取る旅客自動車運送事業だが、地域はアリゾナフェニックスと周辺のチャンドラー、メサ、テンピ、ギルバートに限られている。

 また、グーグルカリフォルニア州で「自律走行車旅客サービス試験プログラム」の認可を取得している。こちらも、ドライバーが運転席に座る乗客輸送サービスだが、今のところ乗客から料金を取ることはできない。

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60社以上が公道試験走行、開発競争激化

 現在、数多くの企業が公道試験走行を実施しており、この分野では開発競争が激化している。ロイターによるとその数は60社以上。また、カリフォルニア州車両管理局(Department of Motor Vehicles:DMV)によると、延走行距離が最も長い企業はウェイモ。これに米ゼネラルモーターズ(GM)の自動運転車開発部門「GMクルーズ」が次いでいる(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

 このほか、EV(電気自動車)大手の米テスラや配車サービス大手の米ウーバーテクノロジー、米リフト、米アップルカリフォルニアで公道試験走行の認可(セイフティードライバーの乗車が必須)を得ている。もし、今回オートXに、ドライバーなしの免許が交付されれば同社は、これらの名だたる企業の中で一歩先んじることになるとロイターは伝えている。

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