ロシアの巨匠、ワレリー・ゲルギエフと、サンクトペテルブルクにあるマリインスキー歌劇場が総力を集結した『ワレリー・ゲルギエフ 指揮  マリインスキー歌劇場  チャイコフスキーフェスティヴァル2019』が東京文化会館とサントリーホールで開幕し、2019年11月30日(土)、12月1日(日)東京文化会館にて、マリインスキーオペラ『スペードの女王』、12月2日(月)サントリーホールにて歌劇『マゼッパ』(コンサート形式)が上演された。

11月30日(土)に上演された『スペードの女王』について、音楽ライター小田島久恵氏は初日レポートにてこう評している。「マリインスキーオペラの『スペードの女王』の初日は、新鮮な舞台だった。長年ゲルギエフと共にオペラを作り上げてきた演出家アレクセイ・ステパニュクは、登場人物の心理を視覚化したモダンな装置と、ロシアというよりフランスのロココ時代を思わせる華やかな貴族たちの装束、日本の子供の役者(黙役ではなくロシア語も語る)などを駆使して、スタイリッシュ美しいステージを作り上げた。演劇的に多くの見るべきものがあり、冒頭でロシア語の合唱を歌った杉並児童合唱団は、一人一人の芝居も手放しで讃えたいほどの出来栄えだった。オペラの中で象徴的に使われる「塑像」にも、あっと驚く仕掛けがある(特に前半の白い立像群に注目)。歌手たちは、コミカル劇中劇も含め動きが多く、演出家から多くを求められるが、楽し気に軽々と動く。世界的な基準として、棒立ちで歌うオペラはもうあり得ないのかも知れない。(【マリインスキーオペラ】「スペードの女王」初日レポート/公式ホームページより)」

「声楽的なレベルは脇役まで充実し、マリインスキーの歌手の層の厚さに改めて感心する。」と絶賛する本舞台で、スペードの女王=伯爵夫人を演じたアンナ・キクナーゼは12月2日(月)には、演奏会形式『マゼッパ』でリュボフ役を歌った。リーザ役を演じたイリーナ・チュリロワは、終演後のインタビューにてチャイコフスキーオペラの特徴について、「作品によってまったく異なります。それぞれ違った個性があるのです。とても濃密で凝縮された世界で、まぎれもなく天才の音楽です。そんなチャイコフスキーオペラを歌わせていただくことは、私にとってもとても勉強になる、貴重な機会なのです」と述べている。

チャイコフスキーフェスティヴァル2019』では、11月30日(土)~12月2日(月)にかけて上演されたオペラ2演目に続いて、12月5日(木)~12月7日(土)には、サントリーホール、東京文化会館にてマリインスキー歌劇場管弦楽団演奏会が4公演行われる。

指揮はワレリー・ゲルギエフ、各公演には、アレクサンドル・ブズロフ(チェロ12月5日(木)19:00サントリーホール)、五嶋龍(ヴァイオリン12月6日(金) 19:00 東京文化会館)、辻井伸行セルゲイ・レドキン(ピアノ12月7日(土) 13:00 東京文化会館)、藤田真央(ピアノ12月7日(土) 18:00 東京文化会館)がそれぞれ出演する。なお、12月7日(土)には当初セルゲイ・ババヤンピアノ)が出演予定だったが、都合により出演できなくなり、変わってセルゲイ・レドキン、藤田真央が出演することが決定している。

ワレリー・ゲルギエフ  (c)Alexander Shapunov

ワレリー・ゲルギエフ  (c)Alexander Shapunov

マリインスキー歌劇場管弦楽団   (c) State Academic Mariinsky Theatre

マリインスキー歌劇場管弦楽団   (c) State Academic Mariinsky Theatre

アレクサンドル・ブズロフ  (C)Stefano Bottesi

アレクサンドル・ブズロフ  (C)Stefano Bottesi

五嶋龍  (C)Ayako Yamamoto _UMLLC

五嶋龍  (C)Ayako Yamamoto _UMLLC

セルゲイ・レドキン  (C)Daniil Rabovsky

セルゲイ・レドキン  (C)Daniil Rabovsky

藤田真央  (C)EIICHI IKEDA

藤田真央  (C)EIICHI IKEDA

マリインスキー・オペラ『スペードの女王』