中国で日系車は高く評価されている。これは中国の自動車市場が減速するなかで、日系車が販売を伸ばしていることからも明らかと言えるだろう。では、日系車と中国車の品質にはどれだけの差があるのだろうか。中国メディアの今日頭条は4日、中国車と日系車を分解したうえで品質を比較したと主張する記事を掲載した。

 記事は、自動車を購入するにあたって、多くの中国人消費者が考慮する要素の1つが「品質」であるとし、自動車の細部の作りや設計に至るまで、日系車と中国車の品質の差に関心を抱いている中国人は少なくないと紹介。そのうえで、中国メーカーの吉利汽車によるスポーツセダン「領克」と日産・シルフィを分解し、各所の構造や使われている部品について比較を行ったことを紹介した。

 記事がまず紹介したのは、フロントバンパー内部の構造だ。分解してみた結果として、領克もシルフィも基本的な構造はほぼ同じだったとしながらも、シルフィには衝撃を吸収する役割を持つバンパービームが2本入っていたが、領克には1本しかなかったと紹介。一方、領克のバンパービームはより衝撃吸収効果の高い素材が使われていたと指摘しつつも「フロント部分の構造としてはシルフィの方が良質」だったと論じたほか、リア部分については「それぞれ構造は大きく違っていたが、どちらが絶対的に良いと言えるほどの差はなかった」と論じた。

 また、自動車の側面の構造についても「設計や構造はほぼ同じ」だったとしながらも、領克が明らかに劣っていたのは「車の天井部の構造」であったと指摘。中国ではサンルーフがついている車が人気で、領克にもサンルーフがあるが、天井の構造は明らかにシルフィよりも薄く、強度が心配になるほどだったと主張した。

 一方で記事は、ドアの強度やエンジンルームの設計・構造などの点においては、領克がシルフィと同等もしくは優っていたと主張。結論として、吉利汽車が傘下に収めたスウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」の成熟した技術によって、領克はすでに合弁メーカーの同クラスの車とほぼ同程度の品質を手にしていたことがわかったと主張。中国国内では「中国車は低品質」と認識されがちだが、実際には品質は明らかに向上していると主張した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

分解してみて分かった! 日系車と中国車の「品質」の程度=中国メディア