あなたに励ましたい人はいますか?

恋人、友人、家族、同僚──いろんな顔が浮かぶかと思います。

この世の中、誰もが、何かを頑張っていますよね。悩んでいる人もいるかもしれません。そういう人にエールを送ってあげられたらステキですよね。

何も積極的に「頑張れ!」と声を挙げなくてもかまいません。日常の、ちょっとしたときに声をかけられるだけでも十分でしょう。

そして、どうせなら本当に効果がある言葉をプレゼントしたいですよね。

今回は「本当に効く励ましの言葉」を解説します。

■励ましの言葉が必要なのってどんな人?

励ましを欲しているのは、一体どんな状況にいる相手なのでしょうか。

◇(1)仕事で悩んでいる相手

現代人は本当に忙しい。だからこそ悩みも尽きません。

もちろん仕事といってもさまざまです。作業に追われていたり、人間関係のストレスを抱えていたりするかもしれません。ねぎらってあげましょう。

◇(2)恋愛がうまくいかない相手

恋の悩みも尽きませんよね。

片思い、ダメ男と離れられない、復縁したい、LINEの返信がこない──恋心の数だけあるといっても過言ではありません。

恋愛感情は繊細なものです。細やかに配慮してあげられるとやさしいですね。

◇(3)大事なチャンスを控えている相手

人生には勝負のときがあります。

人生を賭けた入社試験かもしれません。資格試験や、面接、スポーツの試合、何かのオーディションだってあるでしょう。

勝負の前には恐ろしくもなるものです。無力感に襲われたり、逃げだしたい気持ちにかられたり。まさに励ましてあげるタイミングです。

◇(4)病気を患っている相手

人間、病気からは逃げられません。

誰が悪いわけでもないのに身体を悪くする人もいるでしょう。なんて自分は不幸なんだと気弱になっているかもしれません。そんなときこそ花のような言葉をプレゼントしてあげたいですね。

◇(5)決断を迷っている相手

人生は選択の連続です。

デートの行き先も、引っ越し先も、仕事を変えるべきかも。生きている限り、決断をせまられます。そして、そのすべてに責任とリスクが伴うと考えると──ちょっとしたプレッシャーですよね。足もすくんでしまいます。

そんな人にも励ましは有効でしょう。

◇(6)傷ついた相手


悲しいことに、傷つかずに生きていくのは不可能です。

社会や他人は否応なしに理不尽さをみせつけてくるからです。時には抵抗することすら許されません。ただ傷つくしかないときもあります。

励ましの言葉とは、そういう人のためにあるものだと思います。

■励ましの言葉が逆効果になるときはある?

励ましの言葉が逆効果になるときはあるのでしょうか。

それは「励ましの言葉」の定義によります。

◇言葉のミスマッチが逆効果を生む

もし「ポジティブな言葉のみが励ましになる」と捉えていた場合、相手に対して、ミスマッチが起こる可能性はあります。

例えば、仕事や恋愛を考えるとわかりやすいかもしれません。

努力が報われなかった相手に、ポジティブな言葉を投げかけても「もうわかってるよ! それでもダメだったんだ!」と反発されることでしょう。

相手の求める言葉と違っているからです。

◇「ポジティブじゃない励まし」も存在する

ときには「ポジティブでない言葉」も必要だと思うのです。静かに感じるかもしれません。しかし確かに相手をなぐさめられる言葉もあると思うのです。

励ましの言葉にもいろんなパターンや効果があります。相手にあわせた言葉をチョイスできるようになるといいでしょう。

■人の心に響く「励ましの言葉」とは?

では、落ち込んでいる相手、悩んでいる相手、傷ついている相手にはどんな言葉をかけるべきなのでしょうか。

◇(1)「つらかったね」

個人的には「頑張れ」よりも「つらかったね」のほうがやさしい気がしています。

悩んでいる人は「頑張っている・頑張りすぎ」な人が多いからです。十分頑張って、それでも結果が出なくて、理解されてなくて、悩んでいるのですね。

そんな悲しさを包んであげられるワードだと思うのです。

私たちは理解されたり、共感されたりすることで、勇気づけられます。これは心理療法の場でも使われる言葉だったりします。

◇(2)「一緒に頑張ろうよ

もし「頑張れ」という言葉を口にするときは「一緒に」というニュアンスを込めてもいいかもしれません。

子ども時代、おつかいや、自転車の運転や、勉強ができなかったときに、親が“一緒に”手伝ってくれたおかげで達成できたことはありませんか。心強かったですよね。

誰かがいてくれると頑張れる。アクションする勇気になる──これも真実だと思います。
これは自分の仕事が増えるということでもあります。

相手の分も背負うわけですから。

しかし本来的には、誰かを励ますとは、それくらいの覚悟を持って行うことなのかもしれません。「決して他人事のように──対岸の火事のように──あなたの状況を捉えていませんよ。全力で味方をしますよ」と行動で示すことなのだと思います。

◇(3)「誰もわかってくれなかったね」

悩むとは、まわりに理解されずに苦しむということです。

なかなか悩んでいることは打ち明けられませんから。だからこそ「誰もわかってくれなかったね」という言葉も励ましになりえます。

そして同時に、こんな言葉も伝えてみてはどうでしょう。

打ち明けてくれてありがとう、と。

◇(4)「最高! いいじゃん!」

これも良い言葉です。

迷っている相手は背中を押してほしがっているものです。自信がなくて、いまいち踏みだせないでいるのです。

なのでシンプルに認めてあげること。賞賛すること。ポジティブな言葉は、それだけで励みになります。ぱっと相手の顔も明るくなることでしょう。

こんな言葉を投げかけてくれる友人をイメージしてみてください。いつだって会いたくなるような気がしませんか?

日常から、口癖にしてもいいくらいの言葉だと思います。

◇(5)「セ・ラ・ヴィ(それも人生よ)」

個人的には、これも大好きなので紹介させてください。

フランス人がことあるごとに口にする言葉(慣用句)です。お気に入りのグラスが割れたときや、失恋したときや、大切な人と死に別れたときなんかに。

セ・ラ・ヴィ──それも人生よ。

この言葉自体にはポジティブなニュアンスは含まれていないかもしれません。しかし真実だとは思うのです。すべては人生。だからこそ救われる何かがあります。

ポジティブにたきつけるのでもなく、共感するのでもなく、ただ一筋の真実を投げかける──という励まし方もあると思うのです。

生きるって、やっぱりしんどいことじゃないですか。個人的に、この言葉になぐさめられたことが何度もありました。誰かを励ますためでなくとも、貴女自身のために、この言葉を覚えておいてもらえると嬉しいです。

大事なのは「伝えよう」という気持ち

励まし方には“側にいてあげる”という手段もあります。

ある意味、最高の必殺技です。

励ましに、気の利いた言葉は必要ありません。何より「あなたの状況がどんなものかを感じていますよ。私は味方ですよ」という姿勢を示すことが大事です。

逆説的ですが、大事なのは言葉ではありません。最高のプレゼントは、誰かが側にいてくれている、ということなのです。

何を言ったか、でなく、何を言おうとしたか。プレゼントだって、中身よりも、選んでくれたという気持ちが嬉しいのではありませんか。

貴女が、心から相手を励まそうとしたのなら、上手く言葉にならなくても、その気持ちは伝わります。その熱意が相手のハートに響くのです。

気の利いた文句も、美しい言葉をつむぐ必要もありません。大事なのは相手を思うことだけです──そう考えると気楽になりません?

貴女と、貴女の想う人に幸せが舞い降りるように祈っております。

(浅田悠介)

※画像はイメージです

落ち込んだ人を励ます「魔法の言葉」5選