薬物を断つ前と後の写真を並べてSNSに投稿し、薬物依存者に希望を与える「リカバリー・チャレンジ(#RecoveryChallenge)」に参加した米ウェストバージニア州出身の41歳の男性が注目を浴びている。男性が薬物にはまったのは20代前半で、約15年間も刑務所への出入りを繰り返してきた。しかし人生のやり直しを決意させたのは4歳息子のある言葉だったという。

「百聞は一見にしかず」ということわざがあるが、1枚の写真がその人の人生を語ることは往々にしてあるだろう。ウェストバージニアニトロ在住のジェイソン・ウィックラインさん(41)が今年7月、SNSに投稿した写真が最近になって話題となり、『Today』『InspireMore.com』などが伝えて拡散している。

ジェイソンさんは約5年前、自宅で覚せい剤の一種であるメタンフェタミンを製造していたとして逮捕された。シングルファーザーだったジェイソンさんは、薬物依存により当時4歳だった息子のクリスチャン君を育児放棄したことでも起訴され、児童保護サービスの職員に息子が保護拘留されるのを目の当たりにした。

ジェイソンさんはそれ以降のことをこう振り返っている。

「息子が連れていかれる時、くるりと振り返って私を見ると『父さん。大好きだよ。父さんのことは絶対、忘れないからね』と言ったのです。あの時息子はわずか4歳でしたが、これからの人生が全く違ったものになることを理解していたのです。もう父親とは二度と会えなくなるとの覚悟で、事実を受け入れようとしていたのでしょう。」

「その時は、息子がこれから先どうなるかなんて分かりませんでした。でも息子のその言葉で、私は自分の中で何かが崩れていくかのようなショックに襲われ、大声で泣き叫びました。息子が私を目覚めさせてくれたのです。」

「私は幼い頃から虐待されて育ち、家庭は崩壊していました。いつも自分は価値がない、どこにも属さない人間だと卑下し、人生はフェアじゃないと思っていました。そしてそんな自分を可哀そうだと思っていたのです。」

「それまでの約15年間は刑務所に出たり入ったりを繰り返し、薬物に依存して抜け殻のようでした。身長約173センチで体重が54キロしかなく、死んだも同然の生活をしていました。結局私は、車や家、息子の親権も、友達も全て失ったのです。恐怖でした。ただその一方で、これで今までの腐った生活を終わりにすることができるという安堵の気持ちが湧いてきたのも事実です。」

「その後、刑務所で1年1か月を過ごした私には、薬物を断つためのリハビリに励むことなどを条件に2年6か月の保護観察処分が決まりました。最低でも6年、長くて30年の有罪を覚悟していたので、私はこのチャンスを無駄にしまいと心に決めました。」

「私は大切なものを全て失って初めて、いかに自己中心的だったか気付きました。そしてようやく、『悲劇の主人公でいるのは止めなさい』と言ってくれる人に出会えたのです。」

「今はリハビリ施設に定期的に通い、ボランティアをしています。こんなに人生が充実していたことは今までにありませんでした。前向きな人々に囲まれ、助けが必要な人がいればできるだけのことをします。薬物依存で苦しんでいる人には、『私が薬物を断つことができたのですから、あなたもできる』と伝えています。失敗しても、起き上がればいいのです。失敗したからと言って、それで終わりではないのです。」

「薬物を断つことができた私は、息子の親権を取り戻すことができました。もう2年間、同じ職場で働いています。車があり、家があり、すべての支払いも期日内に済ませています。日々私を成長させてくれる、素晴らしい女性とも出会いました。」

「この私の投稿で1人の依存者を救うことができたなら、それは話をした甲斐があるというものです。薬物を止めることができたら、素晴らしい人生が待っているということを多くの人に知って欲しいのです。」

なお現在9歳になったクリスチャン君は、クリスマスプレイステーションリクエストした後、ジェイソンさんにこう言ったそうだ。

「もしプレイステーションをもらえなくても、僕は世界で最高のプレゼントを持ってるんだ。それは父さんさ。」

ジェイソンさんクリスチャン君の関係も、今までになく良好なようだ。

画像は『Jason Wickline 2019年7月26日Facebook「#CleanChallenge Post a picture of what you looked like in active addiction and how you look today!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

海外セレブ・芸能のオンリーワンニュースならテックインサイト