世界最大の自動車市場であるはずの中国だが、自動車の販売が低迷していることから多くのメーカーが苦境に直面している。低迷を続ける市場において、日系車は唯一と言って良いほど販売を伸ばしているが、これは一体何が要因なのだろうか。

 中国メディアの今日頭条は5日、中国で自動車が売れなくなったのは「市況が悪いからではない」と主張し、それは「日系車が売れているという事実が教えてくれたこと」であると伝えた。

 記事は、中国の自動車市場では多くのメーカーが「まるで階段を下りるかのような販売台数の減少に直面している」と強調し、販売台数の減少にともなって多くの中国の中堅メーカーのなかには品質問題などを露呈するケースも増えつつあると指摘。もともと経営状態の良くなかった中国メーカーのなかには経営が立ち行かなくなったり、グループ会社が破産したりするケースも存在していると指摘した。

 続けて、中国自動車市場の冷え込みは多すぎるメーカーの淘汰と再編をもたらすとし、いずれの国においても「市場が成熟するうえで同じ過程を辿るものだ」と主張。中国には現在、71もの自動車グループが存在し、自動車のブランドの数は中国メーカーだけでも500を超えると紹介、生産可能台数は年5000万台に達するが、実際の販売台数は2400万台にとどまっており、競争力の劣る中国メーカーが淘汰されるのは中国の実体経済にとってはプラスになると論じた。

 一方で記事は、中国でもインターネットが普及し、自動車に関する情報も手軽に入手できるようになったことで「大都市のみならず、あらゆる都市に自動車に関する知識が広まった」と指摘。そして、冷え込む市場において日系車だけが好調な販売を続けているという事実は「品質こそ本質であるという流れを迎えていることを示す」とし、ビジュアルや動力性能、スペックなどで付加価値を高めるまえに、「高い品質」という基礎が存在してこそ消費者の信頼を勝ち取ることができると主張。これは市場が冷え込むなかで販売台数を伸ばしている日系車が教えてくれた「道理」であると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

これは日系車が教えてくれた「道理」、悪いのは「市況じゃない」=中国メディア