ゴールドカードの何がいけないのか

いまや暮らしに欠かせないクレジットカード。しかし「ゴールドカード」を持っているだけで、妙な感情をぶつけられる場合もあるようだ。ヤフー知恵袋に11月下旬、「上司の前でゴールドカードを使ったら怒られました。私が悪いのでしょうか?」という相談があった。

相談者は一般的な会社員で、会社の飲み会で「後でお金を渡すから」と会計を頼まれたそうだ。テーブル会計だったためその場でカードを出したところ上司の態度が急変し、

「20そこらの若いのが上司の前でゴールドカードとかえらそーに見せつけてんじゃねーよ!ゆとり!!」

と言われてしまったという。相談者は「別に見せつけた訳でもなく普通に財布から出しただけで、悪い事してるわけでもないし…」と納得がいかない様子だ。(文:okei

「女のくせに」「小娘の分際で生意気な!」と怒られた人も

相談者が持っていたのはデパート系列のクレジットカードで、ゴールドといっても年間50万円以上使えば年会費が永年無料になるというものだ。買い物だけでなく生活費・光熱費を全部まとめていたため、自然にゴールドになったという。今どきは一般的な使い方だ。

この相談は注目を集め、12月に入って1万7000以上閲覧された。回答欄には、

「あまり金銭的に余裕がない方なのでしょう。お酒が入ってつい口に出してしまったのでしょう。気にせず聞き流しましょう」
ゴールドカード程度でそうなるなら、ただの器の小さい人というだけです」
「理不尽極まりないですね。今や20代でも、普通に働いていればゴールドくらい持てる時代です」

など、上司に対する冷ややかな声が次々に上がった。中には、「うちの社長がそういう人」で、同様の場面で「女のくせに」「小娘の分際で生意気な!」などと激怒された経験を書く人も。ちなみにそのカードは親名義だったそうだ。

特典や補償が手厚いゴールドカードは、安定した高年収の人しか審査が通らず数万円の年会費がかかるため、かつては社会的地位の高さを示すものだった。しかしクレジットカードが普及した現在は、年収200万円あれば持てるものもある。「カードの色がゴールド」だけで高ステータスだったのは過去の話だ。上司は「部長で45歳くらいの独身」とのことだが、過去のイメージで凝り固まっていたようだ。

氷河期世代は本当に地獄を経験している。私もイラつくと思います」

一方で、少数だが上司に理解を示す人もいた。「その辺りは私を含め氷河期で苦労しているんです。察しましょう」と書いた人は、
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「本当に地獄を経験し、苦労しているんです。申し訳ありませんが、私もイラつくと思います。あなたと同じ温い土俵じゃなかったんですよ。明らかにそれが原因です」

と諭すように説いている。

アルバイトなどの非正規雇用は安定収入とみなされないため、ゴールドどころかカードさえ作れないこともある。氷河期世代はそれで苦労している人も多いという指摘だ。上司の「ゆとり!」という暴言からは、就職氷河期で苦労した人であることが察せられる。

とはいえ、カードに深い思い入れなどない20代の相談者には関係のない話だ。「察しろ」と言われても困るだろう。ましてや「ゆとり」などと一括りにして怒られる筋合いなどない。勝手な敵意やひがみが漏れ出てしまった瞬間で、言った本人も覚えていれば後で落ち込むのではないだろうか。酒の力は恐ろしい。

そのほか、「上司や取引先にはいろんな感覚の人がいるから、余計な波風をたてないような手立てをしておくべきですね」という大人な意見もいくつかあった。「低能な上司のおかげで、そんなことまで気を配らないといけないということがわかっただけで収穫だったとポジティブに考えましょう」というアドバイスは、手厳しいが的確である。