毎回、毎回、同じような書き出しで恐縮ですが。

約7年前に人間ドックで「A判定」をもらったにもかかわらず、そこはかとない違和感を胸に感じた私は、その足で乳腺外科のある病院へ。すぐに3cm近い大きさの乳がんが見つかり、入院・手術・放射線治療・抗がん剤ホルモン療法と走り抜け、ようやく一段落した2年後に、なんと肺に転移しているのが見つかったという。これまでのお話は~コチラ~。

身も心も休まる日がないよ、ドラえも~~ん!! ……ていうか、最初の人間ドックで私にA判定を出した病院には、二度と足を踏み入れてはいけないと、末代までの遺言にしようと心に誓っている執念深さです。

と、ここまでが自己紹介。いや、長いわ!!

「派手な痛み」と「地味な痛み」

わりと誰でも、できれば避けて生きていきたいと願う、人生の嫌われ者。それは「痛み」ではないでしょうか。

いや、ほんと思いますけど、痛みって人格を破壊しますよね。なんて言うんでしょうか。人間の尊厳とか。権利とか。理性とか。そういったものをブルドーザーでダーッとペシャンコにしちゃうみたいな。「痛み」って、そういうものだと思うんです。

痛いの、痛いの、とんでいけ~。

7年前から病気の治療が日常生活の一部になってしまった私は、痛い思いもそれなりに経験してきました。別に自分から望んだわけではないですけども。

そんな私に言わせてもらうと、痛みには「派手な痛み」と「地味な痛み」の2種類があるように思います。

手術とかね、たとえば骨折とか。そういう痛みは、派手な痛みです。フェスティバル的な。「いや~、あれは痛かった!」って、後から自慢できちゃったりする痛み。なんなら「オレのほうが痛かった!!」なんて、マウント大会が始まったりもします。

いや、そのレフェリー、誰がつとめるのかと?

「オレも若いときはけっこう悪かったんだぜ」的な、オジサンの自慢話にも似ています。言ったもん勝ち、というところも似ています。

だけど、派手な痛みの多くは瞬間的なものなので、人間の尊厳までは奪われないように思います。なんなら、「こんなに痛い思いをしているオレを敬え!」みたいな気持ちになったりもします。痛みは人をジャイアンにもするのかと。

対して、地味な痛みのほうが、心身共にガリガリと削ってくるような気がします。

我慢できないほどの強さではないんだけれど、いつ終わるのかわからない、間断のない痛み。これがいちばんツライのではないかと。

ガーッときてバーッとなってサーッて去っていく、ナニワのおばちゃんの話法みたいな瞬間的な強い痛みは、心臓には悪いけれど、それほど恐れることはありません。でも、雨だれがポツポツと石に穴をあけるような痛みは、ほんと人間を壊します。

地味な痛みベスト1:造影剤注射

そこまでではないけれど、私の中で、日常的に地味に痛い思いをしているのは、CTを取るときの造影剤注射です。これは本当、地味だけど、地味~に痛いです。

要は、点滴なんですけどね。私の静脈はとても控えめで、そこに見えているのに、針を刺すとスルリと逃げる奥ゆかしさで、看護師さん泣かせなんです。

上手な看護師さんに当たればいいけれど、こればっかりはガチャのようなもので。当たりはずれは運次第。下手な看護師さんに当たってしまった時の、あのガックリ感(涙)。

どの病院でもそうなのかは知りませんが、私の通っている病院では、ルート確保(点滴などの針を静脈に刺すこと)を2回失敗すると、別の人に変わらなければいけないというルールがあります。

しかし、チェンジで来た人が上手とは限りません。無駄に2回ずつ腕にアザを作られ、またチェンジという事もあります。

私的には、4人目にしてようやくルート確保できたというのが最高(最低?)記録です。ちなみに最後は看護師さんではなく、外科医に登場いただきました。(外科医だからルート確保が上手い、というわけではありません。念のため)

またですね。1日に検査が2種類以上重なったりすると、ルート確保した点滴の先の金属部分をテープで固定して、検査と検査の間の空き時間を過ごしたりします。つまり、注射器の針の先を腕に刺したままという状態です。

まあ、私としても無駄に痛い思いはしたくないので、せっかく確保したルートは有効活用していただきたい。エコロジー精神で。この場合、リサイクルじゃなくて、リユース?リデュース?

お昼をまたぐときは、腕に針を刺したまま、1人でランチとか行っちゃいますよ。

ひ~~!!って思いません?

食後のコーヒーを飲みながら、「私もとうとう、こんなところまで来たか……」と、よくわからない感慨にふけったりもしたものでした。はい、バカです。

地味な痛みベスト2:白血球を増やす注射

この造影剤注射と2トップで地味に痛かったのは、白血球を増やす注射です。

と、いうのも、がんの治療で、抗がん剤や分子標的薬を使うと、副作用で白血球の数が減っちゃうんです。

ちょっとイメージしづらいかもしれませんが、白血球が少ない状態って、マジで怖いんです。何度も同じ例えを出して恐縮なんですけれど、白血球が少ないってことは、ドラクエで「ぬのの服」と「木のこんぼう」だけの装備で、中級以上レベルフィールドに出るようなものです。いやそれ、スライム以外の敵は全部ボスキャラ状態ですよ。

普通の人ならなんてことない雑菌でも、ボスキャラ並みのダメージをくらいかねません。それは本当に怖いので、注射で一時的に白血球を増やします。

この注射が、なかなか痛い!!痛みにも種類があるけれど、刺すように痛い系です。いや、刺しているんですけどね。注射だから。

しかもこれ、1日だけではなく、白血球の数値が安定して上がるまで、何日か続けないといけないんですね。

ちょっと古いんですけど、AKB48の「Everyday、カチューシャ」って曲がありまして(覚えてます?)。私はその替え歌で「Everyday、おチューシャ」という歌を作り、歌いながら病院に通っていたものでした。

今でも、注射のために病院の入り口をくぐるときは、ついつい口ずさんでしまいます。「おちゅ~しゃ~、うたれながら~」って。

はい。Every、エブリディ、お注射ガール」な私でした。

注射……あなたは射す瞬間じっと見る派ですか?目をそらす派ですか?

痛い話、後編に続きます。~その2~へ続きます。

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