―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―


 腕時計だけじゃなく、クルマも好きな斉藤由貴生です。私は、現代のおかしな消費を変えるために実践を重ねながら、いろいろ研究してきました。私は30代のいわゆるバブルを全く知らない世代です。所有欲の薄い世代とは言われますが、私の場合は、むしろ価値あるものは我慢せず所有したいと考えています。そんな私の価値観を、不定期ですが披露したいと思います。

◆第33回 時代は、本物を求める方向に来ている

 東日本大震災直後は、どこか消費を抑えようという流れがあったように思います。そんなに高いモノを持つ必要はない、なるべく控えめに生きていこうという風潮がありました。その結果が、誰もが同じモノを所有してしまうということ。

 ところが、時間の経過とともにこの流れが変わってきたように実感しています。というのも、ムーブメントというのは、どこかで飽きて長くは持たないからです。最近は若い人でも、ちゃんとブランド物を持つようになったと思います。ようやく、人と違うところを見せようと思い始めてきているのでしょう。おそらく一生懸命働いてお金を貯めて買ったのだと思うと、自分にとっていい消費ができていると嬉しくなるからだと思います。

 シェア文化も影響し、特に若い人に関しては、中古にそれほど抵抗がないように思います。欲しいモノがあれば、まずは中古品をネットで検索してみる、というのがスタンダードです。中古品であっても、価値のあるモノならば、自分を高めてくれます。今後はさらに、中古市場が活性化するでしょう。

ブランド品こそネットで買ってネットで売るべき。その理由は?

 では、どこで価値のあるモノを買えばいいのかというと、インターネットと中古専門店になると思います。ですが、地方の方にとっては、店舗は難しいのでやはり気軽さで言うとネットでしょう。私の場合は、昔も今も99%ネットで購入し、ネットで売りに出しています。

 こう聞くと、「高額なモノこそ、直接お店で見て吟味しなきゃいけないんじゃないの」と思われそうですが、価値のあるモノだからこそネットで購入しても間違いがないのです、と答えたいと思います。もし、それでも不安だとしたら、同じアイテムを直接お店に触りにいって、検討するのがいいでしょう。

 ネットメリットは、他の商品と簡単に比較ができることです。予算感や、すべての商品を検索することができます。お店の場合、スペースや在庫の問題で、比較する対象が少ないこともあるし、なにしろ時間と労力がかかる。労力がかかるということで、途中で「まあ、いいや」と妥協した買い物をすることになってしまいます。

 仮に、粗悪な商品ならばネットで購入して失敗することもあるでしょう。だから下手に単価が低い商品のネット購入はオススメしません。安かったということである程度諦めがつきますが、いずれにしても浪費には変わりありません。私個人は、ネットブランド品を購入して失敗したことがないのです。

 例えば、10代の頃にヤフオクで購入したグッチのカバンは運よく2万5000円で買うことに成功しました。新品なのにです。ネットはこのようなおいしい出合いがあります。今でも使い続けていますが、本物だったからこそお得でした。

 さらに、ネットオークションでブランド品を売っているのは、ほとんどが法人なので、偽物に引っかかる心配はほぼありません。それに、大事なのはまず買った自分が楽しむこと。売ることばかりを考えてしまうと、それはもう副業になってしまい、本来の消費が楽しめません。

 ただ、「売る」ことに関しては、現状、環境がそこまで整っていないという問題があります。なぜなら、売るにはかなりアナログな作業を要するからです。

斉藤由貴生】
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

―[腕時計投資家・斉藤由貴生]―


私はほとんどの高級品をネットで売り買いしています