まもなく退役を迎えるANAグループのボーイング737-500型機「スーパードルフィン」に、「退役記念デカール」が貼られました。残り3機それぞれの「イルカ」に、ストーリーが異なる「花束」が持たされています。

ピークは25機 利尻から石垣まで活躍したボーイング737-500

2020年の上期に退役を予定している、ANA(全日空)グループのボーイング737-500型機「スーパードルフィン」(ANAウイングスによる運航)。2019年12月6日(金)から7日(土)にかけての深夜に、伊丹空港内のANA格納庫で同機に「退役記念デカール」を貼る様子が報道陣に公開されました。

ANAグループのボーイング737-500型機は1995(平成7)年、ANK(エアーニッポン。2012年にANAと合併)で就航。短いことから太く見える胴体や、小回りが利いて高速感があることから「スーパードルフィン」の愛称がつけられ、エンジンカウルには「イルカドルフィン)」のイラストが描かれています。

ANAの「スーパードルフィン」はピーク時、25機が就航。短距離での離着陸に強いため、北は利尻(北海道)から石垣(沖縄県)まで全国の地方路線で活躍していましたが、2019年12月現在、就航しているのは3機です。

退役記念デカールの貼り付けは、2019年9月に福岡空港で行われた「ファン感謝祭」に次ぐ「スーパードルフィン退役イベント」の第2弾。デカールが貼られる場所は、機体左側の最前方ドア(L1ドア)と、左右の両エンジンカウル部分です。3機共通のものが貼られるドア部分に対し、「イルカ」が花束を持っているように見えるエンジンカウルには、各機それぞれに願いがこもった、違うデザインの「花束」デカールが貼られます。

3機の「スーパードルフィン」それぞれに別ストーリーの「花束」が

このとき退役記念デカールの貼付作業が行われた機体(機番:JA306K)で、エンジンカウルの「イルカ」が持っているのは「スイートピーとカスミソウ」。スイートピーが「門出」、カスミソウが「感謝」を花言葉であることから、これらが選ばれたそうです。

また、福岡で行われた退役イベント第1弾「ファン感謝祭」を担当した機体(JA305K)は「魚」の花束。「イルカが大切にしているものをみんなにプレゼントする」という意味だそうです。

残る1機JA307Kは、「イルカがANAウイングスの就航地から、花と海のものを、感謝の気持ちで集めてきた」というストーリーから、ソメイヨシノ(東京)、ハマナス(北海道)、サンゴ(沖縄)、海藻をあしらった花束が持たされます。

なお、3機とも退役記念デカールの貼り付けが完了するのは、12月中旬ごろの見込み。そののち「魚」の機体、「各地の花とサンゴ」の機体の順に退役し、2020年4月以降をめどに、「スイートピーとカスミソウ」の1機のみになる予定です。それぞれ退役まで記念デカールが貼られます。

また2020年1月1日(水)からは、退役記念商品「スーパードルフィンショッピングバッグ」と「ステーショナリー4点セット」(各3000円)を「スーパードルフィン」の機内限定で販売。それ以外のANA機では、国内線機内Wi-Fiコンテンツ「ANA STORE @SKY」から購入可能(後日配送)です。

ちなみに、このたび退役記念デカールが貼られた「スイートピーとカスミソウ」の機体は、深夜2時すぎに作業を終了。早速その朝、伊丹を8時15分に出発する福島行きNH1695便を担当しました。

退役記念デカールが貼られたANA「スーパードルフィン」ボーイング737-500型機(2019年12月7日、乗りものニュース編集部撮影)。