小学生・虐待(takasuu/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

「学校は安全な場所」という考えは、もはや通用しない。多くの保護者にそう痛感させるような出来事が小学校でおきた。ショックを受けた児童は、その後に自殺。大変な結果になったことで責任を問われた学校側は、訴えを取り下げるよう遺族に要求している。

■トイレで殴られた児童

米オハイオ州にある小学校に通っていた男子児童(当時8歳)が、トイレで殴られ気絶するという出来事があった。

その様子をとらえた監視カメラの映像には、生きているかを確認するかのように恐る恐る蹴ってみる子供たちの姿も。それでもすぐに助けを呼ぶものはおらず、被害を受けた児童は7分ものあいだ放置されたあと、ようやく教職員に発見され介抱された。

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■絶望した児童の自殺

その後に意識を取り戻した児童だが、翌日にも再び学校のトイレでいじめの標的に。このときは少年2名に挑発され、水筒を奪い取られてしまった。さらに中身をトイレに流されそうになったといい、その様子が確認できる映像も確かにあったという。

しかし学校は、その映像を保存することなく消してしまったとのこと。この日のいじめについては被害を受けた児童が教師にすぐに報告したというがショックは大きかったもようで、児童はその後に自宅で首を吊り自殺した。死亡当時、この男児はまだ3年生だった。

■学校側の主張

児童の死から間もなく3年。この件で遺族に責任を問われ提訴されている学校側は訴訟の取り下げを強く求めると同時に、「児童間で起きる暴力沙汰については、学校に責任はない」と弁護士を通し考えを明かしている。

また自殺した児童については少なくとも6回はいじめを受けていたというが、学校側は「目に見えるあざもなかった」などと主張している。

■遺族の嘆きと怒り

亡くなった児童の家族は、「学校側はいじめに関する情報を隠している」と主張。「校長や教頭が知っていたに違いない情報の提供は今に至るまでまるでない」と激しく憤り、今後も引き続き学校側の責任を問う予定だと明かした。

男児が死を選んだのはトイレで殴られ気絶した2日後のことで、「どんなに怖い思いをしていたのか」と男児に同情する声が改めて多くあがっている。

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(文/しらべぇ編集部・マローン 小原

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