赤ちゃん・泣く(Konstantin Aksenov/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

土のなかから偶然にも発見され、救出された体重わずか1キロの小さな命。「女の子など要らない」という考え方が根強く残る土地ならではという、悲しすぎる事件が伝えられた。

■奇跡の発見と保護

インドのウッタル・プラデーシュ州バレーリー地区で今年10月、死産した我が子を土葬しようとして土を掘っていた1人の男性。すると深さ90センチのところに素焼きの壺が埋められていることを発見し、なかから赤ちゃんの泣き声がすることに気付いた。

壺はその男性により取り出され、警察が赤ちゃんを無事保護。総合病院を経て小児科病院へと運ばれた。

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■体の脂肪で生き抜いた赤ちゃん

赤ちゃんは女の子で当時の体重は1,088グラム。低体重、低体温、低血糖、そして血小板もごく低値のため、しばらく危険な状況が続いていた。

小児科のラビ・カンナ医師はメディアの取材に、「いつ葬られてしまったのかはわからないが、布にくるまれていたこと、素焼きの壺で通気性があったことが幸いした。赤ちゃんは万が一の際にも自分の腹部、太もも、頬にある脂肪で3~4日は生きられるが、あと1~2時間遅かったら亡くなっていたでしょう」と話している。

■両親について情報提供もなく…

カンナ医師をはじめとするスタッフの懸命な治療と観察により、赤ちゃんの健康は完全に回復。体重も2,570グラムになり、ついに里親探しが始まった。当局もこの赤ちゃんを捨てた家族を探してきたが、情報を寄せる者も名乗り出る者もいないという。

女児の誕生を歓迎せず、教育も受けさせず、売り飛ばすように少女期に結婚させることがあるインドの貧困層。誕生後すぐに女の赤ちゃんが捨てられてしまう事件が後を絶たないほか、出産した女性が激しく叱責されることも多々だ。

パンジャーブ州のパティヤーラーという村では2017年4月、女児が生まれたことに父親と親族の男たちが腹を立て、産後まもない母親を袋叩きにして瀕死の重傷を負わせるという事件が起きていた。

■「望まれない女児」問題

女の子が生まれることが嫌われてしまう理由。それは息子が一生親と同居して老後の世話をしてくれるのに対し、娘は成長すると高額な持参金とともによその家庭に嫁入りする。持参金は昔ながらのしきたりで、それゆえ「娘がいると破産する」ともいわれてしまうのだ。

「望まれない女児」として親に手放された女の子たちが現在2千万人超ともいわれるインド。子供の命と人権をあまりにも軽視しているとして、国際的な人権活動団体が絶えず目を光らせている。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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