事故により左手の親指を切断した米ミシガン州在住の男性が今年8月、自分の足の指を手に移植する手術を受けた。術後の経過は良好で、男性はリハビリを重ねることで指が少しずつ動くようになったという。『WKRN.com』などが伝えた。

ミシガン州モントカーム郡カーソンシティに住むエイデン・アトキンズさん(Aiden Atkins)は4月20日、電動ノコギリで木片を切っている最中に、誤って左手の親指を切断してしまった。

エイデンさんはその時のことを次のように語っている。

「彼女に木で作った贈り物をしようと思ってね。自宅のガレージで作業していたら、空中を何かが飛んでいくのが目に入ったんだ。痛みも何も感じなかったから、切っていた木片が飛んだのかと思ったけど、それは自分の親指だったんだ。」

エイデンさんは病院に緊急搬送されたものの、医師は切断部を縫合することしかできなかった。指の再接着は通常、切断されてから4時間以内に行わなければならないが、エイデンさんの家族はその親指を見つけることができず、今も行方不明のままだ。

手術後のエイデンさんは、医師から足の指を手に移植する選択肢があることを告げられたが、すぐに手術には踏み切らなかった。しかし事故から4か月後の8月20日、「長い目でみると手の親指があったほうがいい」と決断を下し、ユニバーシティ・オブ・ミシガン病院で移植手術を受けた。

エイデンさんの左手に移植されたのは左足の第2指で、4人の外科医が半日をかけて施術した。驚くことにギプスは手術から1週間後には外されており、手術の1か月後にはメアリー・フリー・ベッド・リハビリテーション病院でリハビリを開始したという。

作業療法士のケリー・ナイさんは「エイデンさんには新しい親指の使い方や力の入れ方などを教えてきました。すでに指を伸ばしたり曲げたりすることができ、今までの移植患者の中で一番指の動きがいいのではないでしょうか」と話しており、エイデンさんも「リハビリが上手くいっているのはケリーさんの助けがあってこそ。趣味の射撃がもっと楽しくなりますよ」と嬉しそうだ。

将来は剥製の制作に関わりたいと語るエイデンさん。SNSに「これでまた“サムズアップ(親指を立てるジェスチャーで『Good』を意味する)”ができるようになったよ」と綴っており、移植手術には非常に満足していることを明かしている。

なお足指を移植して手指を再建する手術は決して珍しいものではなく、手術方法なども進化を続けている。エイデンさんのように早期のリハビリも可能になっており、今後もますます発展が期待される分野であるという。

画像は『WKRN.com 2019年12月6日付「Doctors use man’s toe to recreate sawed-off thumb」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 A.C.)

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