―[魂が燃えるメモ/佐々木]―


いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第141回

◆まずは陰口を叩いている人の言い分をよく聞いてみる

  ある大学生は、大学のサークルマネジャーをしている知り合いが悩んでいるのを知った。そのマネジャーは同じサークルの後輩たちととても仲が良かったのだが、最近になって雰囲気が悪くなってしまっていた。

 原因はその後輩たちが、同じ後輩のマネジャーの悪口を影で言っていたからだ。マネジャーがそのことを咎めても後輩たちは聞く耳を持たず、また陰口を言われている後輩のマネジャーからは、そのことが原因でサークルを辞めたいと相談されていた。

 つまり、そのマネジャーは、後輩と後輩のマネジャーの間で板挟みになっているということだ。これは大学のサークルに限らず、職場やママ友でも起こりうる状況だ。

 誰かと誰かがギクシャクしているだけなら、二人の問題なのだから放っておけばよいかもしれない。しかし、コミュニティを巻き込んでいるとなると、全体に影響が出るので仲裁の必要がある。そして仲裁をするのは、板挟みになっている人物の役目だ。

 では、どうすれば仲裁できるのか。それは陰口を叩いている人間の話をよく聞くことだ。「以前は仲が良かったのに、今は良くない」というのなら、その間で何かが起きているはずだ。

 今回のケースは「後輩たちが陰口を叩いている」と複数系になっているが、こういう場合は誰か一人が発信源になっていて、それに周りが同調しているという構図が大半だ。その発信源になっている人物を特定して、陰口を叩かれている人物との間に何があったのかを話させれば、悪口や陰口は収まる。

 悪口や陰口は表面的なものだ。その奥には、その人が本当に言いたい本音がある。その本音を言えないでいるから、悪口や陰口を繰り返して気休めにしているのだ。

 だから、悪口や陰口にアプローチしても意味がない。「悪口や陰口は良くない」と正論を唱えても、自分なりの言い分を持ち出して、改めようとは思わないだろう。

 それどころか「向こうに加担している」という印象を与えてしまい、より頑なになるだけだ。実際にこのマネジャーは後輩たちを咎めることで、状況を改善できていない。

 もちろん言う側の言い分だけを鵜呑みにするわけにはいかない。言われている側の言い分もある。そして、双方の言い分を聞くうちに、どちらにとっても動かない何かしらの事実、あるいは事実に対する誤解が見つかる。その発見がトラブルに決着が着くタイミングだ。

◆仲裁の目的は?誰が仲裁するべきか?

 お互いの事実と、本音を明らかにすること。それが仲裁の目的だ。その結果、お互いが納得すれば仲は元に戻るし、納得できなければ仲は決裂する。大切なのは、できるだけ憎悪を増幅させないように、早めに決着を着けさせることだ。

 板挟みになり、仲裁する立場になった人間は「自分は何も悪くないのにどうして」と嘆きたくなるかもしれない。しかし非のない人間だからこそ仲裁ができるのだ。対立する彼らに対する想いの分だけ努力してみてほしい。その努力はきっと誰かが見ていて、それが人望につながるはずだ。

 ちなみにこのサークルで起きたトラブルについて、もう一人努力できる人物がいる。それはこのマネジャーが悩んでいることを知った大学生だ。彼は敵味方に分かれることなく、仲裁する立場になったマネジャーの相談に乗ることができる。

 人は誰かに話すことで、自分の考えを確かめることができる。これは仲裁という難しい立場に立った人間にとって、大きな助けになるだろう。そして、その影響がコミュニティ全体にプラスになるかもしれない。もし自分が板挟みになっている誰かの悩みを聞く立場になったら、ぜひ思い出してほしい。人はそれぞれ自分の立場で貢献できることがあるのだ。

佐々木
コーチャー。自己啓発ビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』扶桑社)が発売中

―[魂が燃えるメモ/佐々木]―