中国自動車市場では日系車はプラス成長を続けている。中国人にとって日系車にはそれだけの魅力があるわけだが、「不満な点」が全くないわけではないようだ。中国メディアの今日頭条はこのほど、日本の自動車はどうして「高級」とは言えないのかと題する記事を掲載した。

 記事はまず、高級な車というのは欧州車のような車のことをいうと紹介。日系車は確かに「見た目はかっこいいが、車内に入ると失望する」という。いくら内装をきれいにしたところで足りないところは足りないと伝えた。

 記事によると、中国人にとって日系車の液晶モニターはいただけないようだ。最悪なのはデジタル時計を搭載してしまっている車で、「一気に90年代にタイムスリップした感じがする」と酷評した。また、表記が合理的でないこともあると指摘。最近の日系車は、中国への輸出用に設備に中国語を表記するようになったが、英語の表記もあり「統一していない」と批判。中国人には、中国語なら中国語、英語なら英語だけにするべきだと感じるようだ。また、モニターが2つある車があり、デザインは良いが「実用的ではない」と切り捨てている。

 しかし、マツダのように液晶ディスプレイのメニューが合理的で配色もいいモデルもあるにはあると評価。左右の計器盤の間にある液晶ディスプレイなどは完全に溶け込んでおり、「マツダの次世代モデルには思わず期待してしまう」とまで称賛している。何を美しいと思うかは人それぞれだが、中国人の審美観は日本人と全く異なるのは否定できない事実だ。

 では、どうして日系車には「高級感」がないのだろうか。記事は、日本市場の特徴と関係があると指摘。日本は運転の年齢制限がない国で高齢者でも乗れるため、操作が楽にできるように高齢者向けにしているからではないかと分析した。そのため時代遅れの「デジタル時計が付いているのだ」と結論付けている。

 また、日本人の考え方には目的を果たせば満足する傾向があり、だからスマホもなかなか広まらず、自動車も移動という目的を果たせば満足するのだろうが、「今はITの時代」なのだから時代に乗り遅れないためにも考え方を変えなければならないと主張している。実際、日本人と中国人の感じ方や考え方のどちらが良いかという問題ではないが、中国で展開していく日系企業には、中国人のニーズを理解し満足させるような製品が求められていくだろう。 (編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

日系車は「見た目はかっこいい」、「しかし車内に入ると失望する」=中国