自動車大国である中国では、人口の多さに経済発展が加わり、年間の自動車販売台数は世界一となっている。しかし中国が目指しているのは自動車「大国」ではなく「強国」だという。中国メディアの今日頭条は6日、中国高速鉄道は世界一なのに、どうして自動車工業は遅れているのかと題する記事を掲載した。

 自動車産業は国の経済を支える重要な分野だ。記事は、中国における自動車産業の影響力は非常に大きいと紹介。税収のほか、就業の機会、消費額のいずれも「国の1割ほどを占めている」という。そんな中国の自動車産業だが、ここまで市場が大きくなったのは比較的最近のことだ。

 記事は、それまで庶民にとって高嶺の花だった自動車が、価格が大幅に下がり「買わないとメンツが立たなくなるほど」までになったのは、2005年ころだと紹介。さらに2009年には、前年の金融危機対策として打ち出した政府の方針が成功して市場が一気に拡大し、それとともに研究開発も飛躍的に向上したと伝えた。

 そのため、中国の自動車産業は「まだ遅れている」のではなく、急速な成長途中なのだと記事は主張。「まず強くなってから大きくなる」方針で、これから大きくなるのだと論じた。「環境汚染、エネルギー不足、交通渋滞」の3大問題と、自動運転などの次世代テクノロジーがこれからの挑戦になるだろうとしている。

 記事は強気の姿勢を見せているが、中国人ユーザーはそれに対して懐疑的なようだ。「西洋諸国から100年も遅れているのにどうやって追いつくのだ」、中国が「1位なのは自動車の価格だ」、「自動車工場はたくさんあるのに、心臓部であるエンジンは優れたものが作れない」など、自動車分野での成長に悲観的な意見が多く寄せられた。高速鉄道の分野では自信を深めており、自動車分野でも成長しようという意欲は十分あるようだが、「自動車強国」になるのはまだ時間がかかりそうだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

中国は「自動車強国」になりたいんだ! 果たして可能なのか=中国メディア