3コン(3人のコンサート)がようやく実現する。サブタイトルは「親愛なる人々へ」。親愛なる人々とはバイオリン三銃士のメンバー、見守ってくれていた家族、いとこ、友達、先生のこと。

中川大志の目の変化に注目されたし
也映子(波瑠)に背中を押され、眞於(桜井ユキ)の家に向かった理人(中川大志)。
理人を部屋に招き入れる眞於の仕草にドキッ。しかし眞於は理人の顔を見て冷静さを取り戻した。
眞於「もう目が違うね。ずいぶん前からわかっていたけど」
確かに。理人の目が違う。
第6話、蕎麦屋で「次は何で繋がればいいんですかね。最初はバイオリン、その次はこれ(病気の相談)で」と眞於に言っていた顔とは全く違っていた。

カラオケ店に戻ってきた理人に也映子は「行ってくれてありがとう」と伝える。
理人が也映子を見つめる目が優しい。

3コンようやく実現
3コン(3人のコンサート)がようやく実現した。バイオリンを初めて約1年半。
それぞれの家族や親戚、友人が集い、挨拶を交わす光景はさながら結婚式のようでピースフル。

最後の曲に入る前に幸恵(松下由樹)が皆に感謝を伝える。
お義母さん、娘の多美ちゃんへ。そして、也映子と理人へ。
「お義母さん。なんだかんだイヤミ言いながらバイオリン続けなさいって背中押してくれましたよね。ありがとう」
「この歳になってよもやこんな若くて楽しい仲間ができるなんて思ってもいませんでした。ありがとう」
不倫した夫(小木博明)だけスルーしたのはささやかな復讐か、単純に感謝が思いつかなかったのか。

次にマイクを渡された也映子は眞於について話し出す。
「あの時真っ暗な海に放り出されたみたいな私たちに唯一投げられた浮き輪みたいに、バイオリンが私たちをギリギリのところで救ってくれました」
「私は眞於先生のバイオリンが大好きで、先生のおかげでここまで来れた。きっと私は、この先たとえバイオリンを続けてなかったとしても、何度も何度も先生が出会わせてくれた音楽に救われると思います」

この也映子のMCと「G線上のアリア」の演奏を理人がこっそり録音していた。
恋愛もバイオリンも失い、真っ暗な海に放り出されたみたいな状態の眞於にとって、この録音は唯一投げられた浮き輪だったに違いない。
也映子の言葉は眞於がこれまでやっていた音楽が無駄ではなかったと肯定してくれるもの。これを渡してくれた理人の行動も優しい。
「私、救われてしまいました。あの3人のバイオリンに」

理人、也映子に告白……まだせんのかいっ
無事3コンも終わり、打ち上げの席で幸恵はニヤニヤ。理人くんはどうやって也映子ちゃんに告白するの?と私もすっかり幸恵と一緒にニヤニヤ&ヤキモキしてしまった。

あのさぁ。俺らもうバイオリンで繋がろうとしている場合じゃないですよね。(テキーラ一気飲み)也映子さん!」
「はい」
「ダメだ、却下。酒の勢いで言ってまた全然覚えてないとか思われても困りますから」

理人が初めて也映子と手を繋いだのは第3話、眞於にフラれた発表会の帰り道だ。べろべろに酔っ払ってシャタドンし「あせった、今日かわいいから」なんてウルウルの目で言っていた。後日理人は「酔っ払って何も覚えてない」と誤魔化し、也映子も「よかったー、覚えてなくて」とホッとする。
次に手を繋いだのは第4話、理人にとって最後のバイオリン教室の日にシラフで。この時也映子は「先生に『次は外で会えますか』ぐらいのことキメ顔で言っちゃえば良いんだよ」とアドバイスしている。

理人はいつから自分の恋愛感情に気づいていたんだろう?
(イラストと文/まつもとりえこ)


『G線上のあなたと私』
火曜よる10時 TBS系列 

出演:波瑠 中川大志 松下由樹 桜井ユキ 鈴木伸之 滝沢カレン 小木博明(おぎやはぎ) 夏樹陽子 小西はる ほか
原作:いくえみ綾『G線上のあなたと私』 集英社マーガレットコミックス・全4巻
脚本:安達奈緒子(『きのう何食べた?』、『コード・ブルードクターヘリ緊急救命―THE THIRD SEASON』ほか)
音楽:末廣健一郎 MAYUKO
主題歌:緑黄色社会『sabotage』ソニーミュージックレーベルズ)
演出:金子文紀 竹村謙太郎 福田亮介
チーフプロデューサー:磯山晶
プロデューサー:佐藤敦司
製作:TBSスパークル TBS

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イラストと文/まつもとりえこ