言葉を間違えつつも娘が母に見せた優しさを描いた漫画がSNS上で話題となっています。ある日、現在3歳の娘と2人でお弁当を食べた場所を通り、涙を流す母。それを見た娘は「大丈夫? 反省してね」と声を掛けますが、母には「反省」の意味が分からず…という内容で「かわいい間違いですね」「優しい」「すてきな話」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

「反省」の意味は正しく理解できた?

 この漫画を描いたのは、主婦のmoaco(ペンネーム)さんです。インスタグラムで、3歳の娘「まつげちゃん」と、1歳の息子「まゆげくん」の育児漫画や創作漫画を発表しています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつごろからでしょうか。

moacoさん「2019年9月の中頃から描き始めました。きっかけは、2つあります。1つ目は、母が突然、脳卒中で倒れたこと。私もいつ病気になってやりたいことができなくなるか分からない、やりたいことは今始めるべきだと感じました。

2つ目は、自分のことがよく分からなくなってしまったからです。母になる前はずっと、広告制作の仕事をしていて、創造することが生きがいであり、自信でもありました。そのような大切なものを手放して育児と家事ばかりしていたら、茶わんを洗いながら、つらいつらいと涙が出てきて…これはまずい、何か創造しなきゃ、母じゃない自分も大切にしなきゃと気が付きました」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

moacoさん「最初は、泣いている私に対して『反省して』と言ったエピソードが面白くて描いていたのですが、その謎をひもといていくと予想外の展開になって…最後は子どもとパパ、フォロワーさんへの感謝エピソードになりました」

Q.娘さんは普段から、泣いている人を心配する優しいお子さんなのでしょうか。

moacoさん「母が脳卒中で入院したとき、7カ月の下の子と3歳の上の子を連れて、実家で2カ月半、ワンオペ育児をしました。母の命が危ないかもとまで言われていて、慣れない環境でのワンオペ育児と母のこと、また、私自身も産後体調を崩して通院中という状況で、親として情けないのですが娘の前で泣いてしまいました。

そのとき、『ママ、まつげがいるから大丈夫!』って背中をポンポンしてくれたんです。私のことを支えようとする姿がかわいくて、小さな手があったかくて…あの日のことは、一生忘れません。他にも、母の病気が治るよう祈ってくれたり、下の子が泣いていたらあやしたり。親バカですが、優しい子に育っていると思います」

Q.今はもう、「反省」の意味を正しく覚えてくれましたか。

moacoさん「『スーハーすることではない』ということは分かったみたいです(笑)

Q.日常を漫画の形にすることで、どのような効果やメリットがありますか。

moacoさん「自分たちを客観視できることが大きいと思います。育児って、子どものお世話をしてたらあっという間に過ぎてしまって、小さなことに気付きにくいと思うんです。お風呂を沸かしつつ、茶わんを洗いつつ、子どもがけがをしないか見て、そんなときに、子どもがおかしを食べたいと騒ぎ出し、お茶をこぼして…常に頭の中でいろいろなことが同時進行します。

それを『漫画にするぞ』と思うと、ちょっと引いて見ることができます。『あ、今のセリフ面白いな』『また変なことしてるぞ、なんでかな』とか。客観視することで冷静になれて、少し心にゆとりが生まれた気がします」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

moacoさん「描きながら言葉の意味をひもといていった形になったので、フォロワーさんと一緒に『そうだったんだ!』となりました。『優しい子に育ってる』『旦那さんの姿を見て育ってたんだね』『ほっこりしました』など優しい言葉をたくさん頂き、とてもうれしいです」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

moacoさん「インスタグラムとは別に、お母さん子どもが一緒に読める、絵本のようなものも発信していきたいです。育児の悩みはつきないので、悩みにそっと寄り添って力を貸せるような作品を作って、ママと子どもたちに笑顔になってほしいです。

また、子どもが成長して悪い道に行きそうになったとき、『こっちだよ! 君はそんな子じゃないよ!』と心の中に出てきて温かい道に戻してくれるような、子どもの心に残る絵本も描きたいです。

私が物を作るときの夢、目指していることは『世の中から悲しい気持ちを減らし、笑顔や幸せな気持ちを増やす』ことです。カタチは何にせよ、作品を発信して実現していきたいと思います!」

オトナンサー編集部

言葉を間違えつつも娘が母に見せた優しさを描いた漫画のカット=moaco(moaco.moaco)さん提供