河村たかし名古屋市長

名古屋市河村たかし市長は10日、丸の内にあるの日本外国特派員協会で記者会見した。入ってくるなり、笑顔で「How are you?」「I love you」といいながら登壇した河村市長。

国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示内容を批判する姿勢を説明し、「展示内容が(開幕前に)市に隠されていた。うその申し込みに表現の自由はあるのか」と主張した。

会見には企画展の実行委員長ジャーナリスト津田大介氏も同席し、会見後、河村氏と言葉を交わした。会場には30社以上のプレスが参加し満席だったが、海外プレスには今回の件はあまり関心がないのか、ほとんどが日本人記者だった。

■「企画展は公共事業」

河村市長があげた問題点は4つ。第一には「今回のあいちトリエンナーレ問題というのは、これはいわゆる公共事業だった」ということ。

「私はいまだかつて、作家、アーティストに、こういう表現をしてはいかんと言ったことは、一遍もない。どこかの画廊、ギャラリーとか、それから自分のうちでとか、そういうところで、河村が自分のお金でということで、こういう表現はいけないということはない」と主張。

あくまで税金が支出された公の展覧会で、共催者の名古屋市が展示を応援する形になるから問題だという見解を示した。

第二の問題点については、「昭和天皇の肖像画ですね。肖像写真がバーナーで燃やされているんですよ。バーナーで燃やして、あと灰になったのを足で踏みつぶすという動画があった」「これはハラスメントだ」と述べた、

公の展示で先帝陛下のご真影を燃やすような「反日的」なことは許されないとの見解だ。

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■嘘の展示に表現の自由は及ぶのか

第三に問題視したのは、「事前に出された企画書にはご真影が焼かれる作品だという説明はなかった」という点。別の作品の説明が載っていたという。

河村市長は「(ご真影を)バーナーで焼くという意味は、単なる火で燃えたんじゃなくて暴力を意味している。じつは嘘の申し込みに基づいて行われた。皆さんに聞きたいんだけど、嘘の表現には”Freedom of Expression”ってあるんですか?」と記者に問いかけた。

■「慰安婦像を問題視したのではない」

第四の問題は、「慰安婦の少女像」のみに関心が集中して、あたかもそれがあったから名古屋市は展示会にノーを突き抜けたかのように報道されたことだという。

河村市長は「外国人の記者クラブの皆さんも、たぶんこの慰安婦像の報道しか知らなかったと思いますよ。従軍慰安婦は、私はあれは嘘だと言っておりますけど、だけどそうでないという意見もあるでしょう。一応これは、これそれはそれ」と説明。

慰安婦の少女像」を問題視したわけではない旨を述べた。

■大村知事に「ナチス」と言われて遺憾

質疑応答では、愛知県大村秀章知事との不仲について問い質された河村氏は憮然。

「大村さんにちゃんと話し合おうと言ったら、記者会見で『河村たかしは憲法違反であり検閲でありナチスだ』と言ったじゃないですか。これでは、どちらが独裁だと言いたい」「記者会見で『謝ってくださいよ』と言ったら、あとなんにもなしです」と語った。

会見は1時間だったが、外国人記者で挙手する人もおらず、カメラクルーで来た海外プレスは香港フェニックステレビだけで、関心の低さを物語っていた。

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(取材・文/しらべぇ編集部・及川健二

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