中国の広大な国土を移動する庶民の交通手段と言えば、これまでは寝台列車が主だったが、最近では多くの路線が安くて速く移動できる高速鉄道にとって代わってきている。とはいえ、「寝ているだけで移動できる」寝台列車は一定の需要があり、今でも根強い人気がある。

 中国メディアの捜狐は9日、日本の寝台列車に乗ってみたという中国人旅行者による感想を紹介する記事を掲載した。「日本と比較しなければ傷つくことはなかったのに」との感想を述べている。

 中国の列車にはランクによって価格が違い、「軟卧(日本のA寝台に相当)」と「硬卧(日本のB寝台に相当)」の2種類がある。軟卧は2段ベッドが2つある4人部屋になっていて、部屋にはドアが付いている。硬卧は3段ベッドの6人1部屋で、ドアはなく、カーテンもないので通路からも丸見えの状態だ。

 軟卧は、広さがあってある程度プライバシーが守られるとはいえ、筆者は「いずれにしても男女別に分かれていないし、いびきがひどい人と同室になることもある」ので決して居心地が良いわけではないと紹介。中国では普通なので、特に不便を感じていたわけではなかったようだが、この中国人旅行者は日本の寝台列車を経験してしまったので格差に気が付いてしまったそうだ。

 記事は、日本の寝台列車について、「とても広くて清潔で、設備が整っていて静か」と紹介。また中国の寝台列車との大きな違いとして「食堂車と車両が完全に分かれている」と伝えている。中国では食堂車を利用する人もいるが、寝台列車に乗る際にはカップラーメンやパン、ヒマワリの種などのおやつを大量に持ち込む人が多い。また日本には、シャワー設備もあると伝えている。

 日本の寝台列車は、近年では高級路線の列車ばかりで、当然のことながら利用料金も非常に高価だ。したがって、同じ寝台列車といえども中国とは全く違うのは当然だ。まったくの別物として思って利用すれば、日本でも中国でもそれぞれの寝台列車の良さを楽しめるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)

傷心だ・・・日本の寝台列車を体験し、中国と比較してしまった=中国メディア