今年はアポロ11号の記念すべき月面着陸から50周年。 ZOZO前社長の前澤友作氏が2018年秋に月旅行計画を発表するなど、民間人の月旅行も夢ではなくなってきました。長期滞在することになった場合、環境や住居、それに食べ物など気になりますよね。旅行先としての月情報をご紹介します!


ヨーロッパ最大級の宇宙テーマパークを訪問


海外にふらっと行ける時代です。将来的には宇宙旅行だって夢じゃない! ということで、月旅行について探るべく、ヨーロッパ最大級の宇宙テーマパーク「シテ・ド・レスパス(Cité de l’espace)」を訪問。フランス南西部トゥールーズの観光名所のひとつです。



実物大ロケットアポロ11号月着陸船のレプリカなどが点在する野外展示、宇宙飛行士になったかのような気分が味わえる常設展、定期的に内容の変わるIMAXに、昨年リニューアルしたばかりのプラネタリウムなど、1日楽しく過ごせる大規模なテーマパークです。

月に長期滞在する未来を描いた企画展


同テーマパークでは、ヨーロッパ宇宙機関「ESA」やフランス国立宇宙研究センター「CNES」など宇宙のスペシャリストの協力のもと、月に関する企画展「LUNE - Episode 2」を開催中。月や月旅行に関する情報をじっくり取材してきました。

もしも月にホテルができたら・・・


月はマイナス180℃〜120℃という、人間にとって過酷な環境です。人体には危険なレゴリス(月の砂)、宇宙放射線、直径1cm程度の隕石などの危険性も。このため、地球上と同じような住居やホテルを建てることは、ご察しのとおり不可能です。



ESAでは月の砂を建材とした基地の研究が進められていて、写真のレンガは月の砂と似た地球上の素材で作られたもの。建物を月の砂のレンガで覆うことで、過酷な環境にも耐えられる住まいを研究中です。

食べ物や水はどうする?


もしも月に滞在することになった場合。現段階では、水やお湯で戻して食べる加水食品に缶詰などが、水や酸素とともに、貨物ロケットで運ばれることになります。これは国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士たちも同じ。宇宙食、味は薄く感じるそうですが、意外とおいしいのだとか。

長期に渡って滞在することを踏まえ、月で栽培した新鮮な野菜や果物が常時食べられるよう、研究が進められています。

水に関してはクレーターから集めた氷を用い、飲料水や生活用水を作る予定だそうですよ。また、クレーターの氷から酸素や電気を作る研究も進められているとのこと。

オマケ:月はどんなニオイ?


企画展では、月面車(ムーン・バギー)のシミュレーターに、ゲーム感覚のタッチパネル式クイズ、地球と比較した際の月の環境が実験を通して学べるアトリエ(実験教室)なども。


個人的にとても興味をひかれたのが「月のニオイ」のクイズです。3つのニオイから正解を探るもので、どれもなかなか強烈。正解はコンクリートとホコリが混ざったような臭いでした。



月旅行に想いを馳せながら、南仏旅行の際にはシテ・ド・レスパスに立ち寄ってみてはいかがでしょう? 英語・フランス語スペイン語での展示、月の企画展は2020年末までの開催です。

シテ・ド・レスパス(Cité de l’espace)
住所Avenue Jean Gonord, 31500 Toulouse France
電話番号:+33 5 6722 2324
営業時間:10:00 〜(日によって終了時間が異なります。 HPにてご確認を)
休日:不定休(HPにてご確認ください)
HP:https://en.cite-espace.com/



取材協力:Cité de l’espace
[cite-espace.com]
[edu.jaxa.jp]
[All photos by sweetsholic]
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月面着陸船イーグル号レプリカ