イノシシMasaoTaira/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

タレントのダレノガレ明美ツイートが物議を醸している。「イノシシを殺さないでほしいな」といった投稿だった。しかしツイッターでは一部のユーザーなどから異論が出ている。

■動物愛護精神からののツイートか

ダレノガレはテレビで報じられたイノシシのニュースの写真を載せた。そのうえでイノシシの居場所を奪っているのは人間であると主張。さらに市街地にでるのは食べ物がないからとしている。

イノシシだって人間の住む街に行きたいわけじゃないはず」とコメントし、「だから、危ないけれどもイノシシを殺さないでほしいな」と訴えた。一見すると動物愛護の精神に満ち溢れたツイートだが、イノシシの怖さを知る人からすれば、黙っていられない主張だった。

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■「イノシシが増えすぎている」

ツイッターでは「根本的な勘違いを流布しないでください」や「農家にとっては死活問題なんだよね」といった反論が相次いでいる。中には「他人事な感じの発言ですね」など辛辣な意見もあった。

しらべぇ編集部は熊本県在住の猟師に話しを聞いた。すると、「畑が荒らされてるのはイノシシが増えすぎてるからです。もし食料が無いとしても、異常気象のせいですね。あとは猟師が減っていることもあり、イノシシは増えてますよ」とコメントした。

■農耕が始まって以来の問題

しらべぇ編集部は12日、さらに取材を行い、環境省自然環境局の野生生物課鳥獣保護管理室の担当者に話を聞いた。ダレノガレのツイートについては個別にコメントはできないとしつつ、イノシシの現在の状況などについて話してくれた。

先のツイートに限らない話であるが、そもそもイノシシが人の住む地域に現れるのは最近の話ではない。

イノシシは雑食で木の実や農作物が好みです。春はたけのこ、夏は稲といった具合に人と同じようなものも食べます」つまり人間の住む地域にある食べ物が好物。農作物に関わる被害は日本では農耕が始まって以降の問題だ。

■今に始まった問題ではないが…

イノシシから以前から多かった地域では「しし垣」が設けられるなどしており、一定数は人の住む地域にイノシシが出てしまう。今に限った話ではないが、一方でこんな現状もある。

「個体数は増えていて、被害も顕著になっています」この点についてが今と昔で違う部分だ。個体数が多くなっている以上は減らさなければならない。

農水省の資料では平成29年度のイノシシの被害額は全国で47億8200万円。いち早く被害を減らすためにも、手段にこだわっている場合ではないのかもしれない。

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(文/しらべぇ編集部・大山 雄也

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