Credit: NASA/JPL
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  • NASA研究チームが、水のありかを示した火星マップを作成し、公開
  • 場所によっては、深さ2.5cm〜30cmの場所に氷状の水が大量に隠されており、スコップなどで容易に採取できるとのこと

まるで「宝の地図」のようです。

人類が火星に植民するとなれば、水の供給源は押さえておかなければなりません。また、自然由来の資源を確保できれば、宇宙ミッションにかかるコスト(地球からの物資調達など)を大幅に削減できます。

そのため、現地での物資調達は必須。特に水は、飲み水や調理用、ロケット燃料にも応用できるため、是が非でも押さえておきたい資源です。

そこで、NASAジェット推進研究所は、このほど、氷状の水が位置する地点を示した火星マップを作成し、公開しました。

宝の山は「アルカディア平原」にあり

研究チームは、2機の火星探査機(マーズ・リコネッサンス・オービターと2001マーズオデッセイ)から得られた地表データを元に、人の手で届きうる氷の場所を示したマップを作成しました。

地中下の氷によって地表面の温度が変化するため、探査機に搭載されている熱センサーを用いることで地表温度を測定し、遠隔から氷の位置特定に成功しています。

Credit: NASA/JPL

上の画像は、氷のありかを示した火星全体のマップです。紫に近いほど、氷は地表から近い場所にあり、赤色に近くほど、深い場所にあります。

特に、白い線で囲まれた領域(アルカディア平原)には、地表から30cm未満のところに、大量の水資源が確認されました。そのため、アルカディア平原は、宇宙飛行士の着陸地点として最重要ポイントとなるでしょう。

Credit: NASA/JPL

さらにマップからは、火星での水確保がそれほど難しいことではないと予測されます。

研究主任のシルヴァン・ピケー氏は「場所によっては、地表からわずか2.5cmの地点に氷が存在し、スコップなどで簡単に掘り出せる」と指摘しています。

火星は大気が薄いため、水が液体状で残ることは基本的なありませんが、今回の研究で、北半球には、大量の水資源が隠されていることが明らかにされました。

研究チームは、今後、地中下の氷が季節によってどのような変化をするか調査する予定です。

35億年前の火星で「津波」が起きていた

reference: zmescience / written by くらのすけ
NASAが「水のありか」を示す火星マップを公開