多くの人がパソコンやスマートフォンでさまざまなアプリやコンテンツを利用しています。それらを作っているのがアプリケーションエンジニアです。番外編では、株式会社ロックミーのアプリケーションエンジニアである福本裕也さんと定塚司さんに、仕事をする上でのこだわりや休日の過ごし方などについてお伺いしました。

Twitterなどで新しい情報をキャッチする

―― この仕事に就いてから、勉強をしていることはありますか?

福本:移り変わりが激しいエンジニアの世界なので、新しい情報は積極的に入手するようにしています。この業界では、その時代ごとにヒーローみたいなすごいエンジニアが現れます。たとえば、新しいスマートフォンが出るとすぐに、英文で書いてあるアメリカのトレンドを読んで、実際にいろいろ試して、こうしたらいいと発信してくれる人がいるんです。

そういうすごい人を見つけて、Twitterなどをフォローしておくと、いろいろな情報が入ってきます。自然と勉強になり、成長できるようになります。だから、時代を引っ張ってくれるエンジニアをよく探していますね。SNSなどで気軽にスキルや情報をシェアできる時代だからこそ、技術が発展していくスピードも速いので、乗り遅れないように新しい情報をどんどんキャッチしていくことが大事だと思っています。

それから、最近は会社にコーチングのコンサルタントに来ていただいて、マネージメントについて指導していただき、積極的に学んでいます。

定塚:ユーザーがどのようなことを楽しいと感じ、どのようなところで分かりにくいと感じるのかなどを、自分自身も実際にさまざまなコンテンツを見て、触れて、勉強しています。今後新しいものを作るときにも役立つと思っています。

また、社会人としても、エンジニアとしても、周りの人とのコミュニケーションのとり方を学んでいます。仕事は他の人と協力して行うものなので。福本や社長との1on1の中でしっかりと教わっています。

こだわりのキーボードは自作!

―― 仕事をするときのこだわりはありますか?

定塚:私は仕事をする前や、集中して仕事をしようと思ったときには、頭の働きをよくするために、少し体を動かすようにしています。会社は5階にあるのですが、出勤するエレベーターの中で屈伸運動をしたり、アキレス腱を伸ばしたりして、血行をよくしています。

福本:長時間座りっぱなしで仕事をするので、道具にはこだわっています。キーボードマウスディスプレイ・イス・ソフトウエア・本……、特にキーボードにはこだわっていて、自作もしています。

小さなキーボードだと、両手を体の中心に持ってくる必要があるため、肩が丸まった姿勢になります。猫背になり、姿勢が悪くなると疲れるので、姿勢よく作業ができるようなキーボードを自分で作りました。手を体の中心ではなく、肩の位置でまっすぐのばせば、肩が開き、正しい姿勢でキーボードを打てます。そのため、キーボードを中央の位置で二つに分割しました。キーの配置やバネの硬さも一つ一つ、押しやすいように調整してあります。体への負担がすごく減るんですよ!


―― キーボードにこだわっているエンジニアは多いのですか?

福本:キーボードにこだわっているエンジニアは多いですよ。いろいろなキーボードがあります。私は10台ほど持っています。カンファレンスなどで登壇されるような有名な方が、私が作って販売しているキーボードを使っていただいていると知り、話しかけるきっかけにもなりました。

定塚:私も福本に勧められて、キーボードを作りました。まだ使いこなせていないのですが……。私は、キーボードよりも、タブレットを有効活用するようになりました。ちょっとしたメモや図を描く作業も、紙とペンを使うより楽だと感じるようになりました。


―― 一般の方に言うと驚かれることはありますか?

福本:世界中で注目するようなスマートフォンが発売されると、毎回購入します。実際に使ってみて、どのような新しい機能が追加されたのか、メーカーがどのようなことを考えて作っているのかを理解することもアプリを開発する上で必要になります。一般の人は、スマートフォンを買い替えるかどうかを悩むのだと思いますが、私はどのモデルを買うかで悩んでいます。

―― この仕事ならではの「あるある」なことはありますか?

福本:作りたいものによって、開発言語が異なります。だから、その会社でしか使えない技術もあり、自分を成長させるために、エンジニアは転職することもあります。私も他の技術を身に付けたいという理由で、転職した経験があります。

定塚:集中しているとあっという間にお昼を過ぎてしまいます。ずっと座っていて、体を動かすこともないので、ものすごくお腹がすいたということがないのかもしれません。それから、会社が用意してくれているお菓子をつまみながら仕事をしていることもあり、お腹がすきにくい理由かもしれません。

リアルな要素も取り込みながら楽しく役に立つアプリを作りたい

―― 普段、気を付けていることを教えてください。

定塚:学生の頃よりも体を動かす時間が圧倒的に減ってしまったので、時間があるときには、なるべくストレッチをしたり、歩くときも大股で早歩きしたりしています。最近は福本の影響でダンベルを買って体を動かしています。

福本:体づくりは大事ですよね。家で仕事をするときに、ダンベルで体を動かしています。健康以外にも、リアルな世界のものは、仕事においても役立つことがあるので、趣味の時間を楽しむことも大切にしています。

最近だと、会社の本棚を自分で作ってみたことがきっかけで、DIYが好きになりました。今では自宅のワードローブやちょっとした家具も自分で作ったりするようになりました。ソフトウエアの世界は、コードを書き間違えても書き直せば何度もやり直しができますが、リアルなものを作るときはそうはいきません。木の板を電ノコで切る場合に、長さを間違ってしまえば元に戻せません。同じモノづくりでも、気を遣うところが違ってくるので、異なる緊張感を楽しみながら、DIYは休日のいいリフレッシュになっています。


―― 今後の目標を教えてください。

定塚:エンジニアという職業のスタートラインに立ったばかりなので、一通り学習して、さまざまなことができるエンジニアになりたいです。そして将来的には、ゲームの開発をしたいと思っています。当面は、福本が行っている運用の部分を私もできるようになるのが目標です。

福本:いろいろなものを作れる人になりたいです。もちろん、ソフトウエアが主軸ではあるのですが、最近自作しているキーボードのように、高校や大学で学んできたハードウエアの要素もとりこみながら、WebなどのソフトウエアとリアルなものをつなげてIoTとして、ユーザーが使いやすく、楽しめるモノづくりをしていきたいです。
 
 
アプリやWebコンテンツなどのソフトウエアを作るアプリケーションエンジニアの仕事ですが、福本さんも定塚さんもハードウエアの知識も持ち合わせているので、これからますます増えていくであろうIoTの世界になっても、ユーザーの役に立ち、使いやすいものを作ってくれるのではないかと感じました。今後、どのようなものを開発されるのか、非常に楽しみになりました。


profile】株式会社ロックミー アプリエンジニア 福本裕也、定塚司