「生活のために残業をせざるを得ない」という声も

ここ最近、「勤続12年で手取り14万円」をはじめ、世間では薄給を訴える人の声が頻繁に取り上げられる。企業口コミサイト「キャリコネ」にも

「営業や事務を兼務していて、仕事量が多いにもかかわらず、給料は上がらない。手取りが少なく、生活が厳しい」(代理店営業/20代前半/女性/正社員/年収250万円)
「非常に低い給与水準で、世帯などはまったく持てない状況です。単身であればギリギリ生活ができる程度で、恥ずかしくて周りに言えないです」(店舗スタッフ関連職/20代前半/男性/契約社員/年収200万円)

といった声が寄せられている。「手取りが少なく、生活が厳しい」という声を紹介する。

「毎月5000円、労組費として引かれる」

「パパさん店長はたくさんいましたが、ママさん店長はほぼいないと思います。昇給には役職につくしかありません。子どもがいて転勤や遅番ができない場合、昇給は諦めるという現状です。それほど手取りももらえてないので、生活もだいぶ厳しそうでした」(店長/20代後半/男性/正社員/年収220万円)
「管理職とパート以外の社員は、強制的に組合員にされて、なおかつ毎月5000円以上を超える高額な組合費を納めているため、手取りの報酬は自ずと少なくなってしまう」(機械設計 30代前半 男性/正社員/年収440万円)

子育て中のママが働くとなると、どうしてもフルタイムの壁というのは大きく立ちはだかる。特に飲食業などの場合は、昇給の妨げになり、少ない手取りにつながるようだ。一方、労組費の天引きにより、手取りが減るケースもあった。ただ、労組がしっかり機能していれば、団体交渉という有力な手段を使って賃金交渉もできる。

手取り「15~20万」の人たちの声を紹介

「30歳前後で独身かつ残業なしの場合、手取りは15万円を下回る場合があります」(研究開発/20代後半/男性/正社員/年収390万円)
「年間で支給される残業時間(残業手当)が限られているため、期末は手取りが10万円台半ばというスタッフもちらほら」(組織・人事コンサルタント/30代後半/男性/正社員/年収680万円)
「2019年の短大新卒栄養士。月30時間の残業での給料は手取り18万程度です。仕事だけしたいと思う人にはあっているかもしれません」(医療福祉関連/20代前半/男性/正社員/年収200万円)
「手取り20万円も超えられないことが多いため、一人暮らしで生活していくには長時間残業をこなさないとキツい部分がある」(カスタマーサポート/20代後半/女性/正社員/年収250万円)

具体的な手取り額を挙げる声も多かった。おおむね15~20万円の人たちが、手取りが少ないと感じているようだ。残業に頼らざるを得ないのは無理もないだろう。とはいえ、そうも言ってられない。働き方改革の残業規制により、極端なケースでは、残業を一切させないと方針転換する会社もあるからだ。今後はそうしたことを踏まえ、簿給の底上げも焦点になっていくはずだ。