中国で長距離列車に乗っていた12歳の少女と15歳の少年が保護された。少女は家出し、約1000キロ離れた少年の家に向かう途中だったという。少年は「働いて彼女を養っていく」と話したそうだ。『NOWnews』『香港01』などが伝えている。

吉林鉄路公安処が12日、重慶発吉林行き長距離列車の中で10代の少年少女を保護した動画をSNSにアップロードした。動画によれば、保護者の付き添いなしに少年少女長距離列車に乗車していることを不審に思った乗客から通報があり、警察が事情を尋ねたところ、少女が家出してきたことが分かったという。

四川省達州市に住む少女は、両親との仲が上手くいかないことで悩んでいたそうだ。オンラインゲームで知り合い、お互いに恋愛感情を抱いていた少年に家出をしたいと打ち明けた。すると山西省太原市に住む少年が、達州市まで迎えに来てくれたという。太原市と達州市は1000キロ以上離れており、日本でいえば東京から福岡までの距離にあたる。2人は落ち合うと再び電車に乗り、太原市の少年宅へ向かっていたところで保護された。

警察の調べに対し、少年はこのように話したそうだ。

「2人で考えたんだ。僕が働けばお金を稼ぐことができる。はじめの数か月は苦しいかもしれないけど、だんだん良くなるはず。働けば月に1,800元(約28,000円)は稼げる。そうしたら外に部屋を借りて、毎日働いてきたお金を彼女にあげるんだ。彼女は家にいて携帯で遊ぶなり何なりしていればいい。もしダメだったら彼女を連れて出稼ぎに行くよ。そうすれば養っていくことができるはずだから。」

動画が投稿されると、ユーザーからはさまざまなコメントが寄せられた。「甘い」「1,800元じゃ家賃も払えない」「まだ12歳。これは誘拐だろ」と少年の行動を世間知らずだと批判する声がある一方で、「考えが幼いけど、この幼さは社会に出た自分がもう失ってしまったものだ」「なんて純情」「真剣に計画を立てていて感動した。利害関係ばかり考える大人よりよほどいい」と少年の純粋さに心打たれた人も少なくなかった。

鉄路警察は列車内にいた心理カウンセリングの専門家を探して協力を仰ぎ、少年少女と話した後、途中の交城駅で2人を駅の警官に引き渡した。2人はそれぞれ達州市と太原市へ送られている。

画像は『香港01 2019年12月14日付「坐火車接12歲女孩私奔 山西15歲少年:我每月賺1800元可以養她」(梨視頻影片截圖)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 片倉愛)

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